研究情報

精神・神経病態解明センターの牧之段学准教授らの総説が、国際学術誌『Current Opinion in Neurobiology』に掲載されました。

竹田奨、牧之段学、岩田仲生らは、自閉スペクトラム症者における小児期体験の影響に関する総説を発表しました。本総説では、ゲノム医学、ニューロイメージングなどの観点から最新の研究成果を包括的に検討しています。

牧之段らによるマウスモデルを用いた研究では、幼若期の社会的経験が成体における行動に重要な役割を果たすことを示し、さらにその影響には特定の脳構造や脳回路が関与することが明らかにされました。これに加えて、MRIや脳波解析を用いたヒトを対象とした研究においても、小児期の経験が成人後の精神症状や脳構造、脳回路の形成に大きな影響を与えることが示されています。

本総説は、自閉スペクトラム症者の小児期体験に関連する国内外の最新の知見を総括しており、今後の基礎研究および臨床研究において重要な指針となることが期待されます。本論文は、国際学術誌『Current Opinion in Neurobiology』に掲載されました。