ご挨拶
藤田医科大学医学部生化学講座のホームページをご覧いただきありがとうございます。
生化学講座は45年余りの歴史をもつ講座です。私は、2018年の8月に、原田信広先生の後任として、生化学講座教授に就任いたしました。先代の先生から引き継いだ教室の伝統を守り、育てることを責務として精一杯やっていきます。
私は、呼吸器内科医として肺がんの診療に当たった経験から、がん進展とがんの組織分化との関連を考えるようになりました。2005年よりスタンフォード大学のクラーク教授のもとに留学して、私が考えていた漠然とした概念を「がん幹細胞理論」として具体的に考え研究する機会を得ました。がん幹細胞研究は独自の視点をユニークに展開することで世界最先端の研究になりました。私たちも同様に独自の視点を活かした研究を展開します。
私たちの講座は、がん幹細胞によるがん進展機構の解明を主なテーマにしています。
特に、がん進展における脂肪細胞の役割の解明やがん幹細胞を標的とする治療法の開発を、臨床講座の先生方と協力して明らかにすることを目標としています。また、これまで原田先生が進めてこられたエストロゲンを介した中枢神経やがんの制御機構についても研究を続けます。
藤田学園の建学の理念である「独創一理」は、個人がもつ想像力を発揮して新しい時代を拓くという意味です。このような理念をもつ大学で仕事をさせて頂けることを誇りに思い、個人が自由な発想をもつこと、よく考えること、そして強い意志をもって研究に励むことで成長できる環境を整え、人材の輩出と研究成果で医学と科学の進歩に微力ながら貢献したいと考えています。
これまで私を温かく、またときに厳しく指導してくださった先生方の教えを胸に、教室員の夢を実現できるよう頑張りたいと思います。
私たちの研究室に興味をもってくださる方はぜひご連絡ください。微力ですが、私たちの志を認めて頂ける日が来るのを夢見て、精一杯努力します。指導やご支援を頂けましたら有難く存じます。
令和元年7月 下野 洋平