髄膜腫における腫瘍栄養血管の分布についての網羅的解析
本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。
研究の対象
2015年1月~2023年12月に藤田医科大学病院脳神経外科及び藤田医科大学岡崎医療センター脳神経外科で髄膜腫に対して手術を施行された方
研究目的・方法・研究期間
髄膜腫は血流豊富な腫瘍として知られ、安全な手術摘出を遂行するには適切な腫瘍栄養血管の処理が必要です。殆どの髄膜腫は硬膜を発生母地としていることから、その栄養血管は硬膜栄養血管由来のものが多いことが知られています1。そして正常硬膜はその部位によって多彩な栄養血管を有していることが知られ、外頸動脈系、内頸動脈系、椎骨動脈系の多くの分枝が複雑な硬膜栄養ネットワークを形成しています2。髄膜腫の栄養血管は通常、発生した部位を担う硬膜栄養血管に由来することが多いと考えられるものの1、臨床上は腫瘍が栄養血管を引き込むことにより、通常では関与しないような遠く離れた部位の硬膜栄養血管に由来する腫瘍栄養血管を認めることが経験されます。腫瘍栄養血管がどの血管に由来しどのように走行しているかを術前に把握することは、術前塞栓の可否を判断したり、腫瘍栄養血管を処理できる適切な開頭範囲を検討する上で重要ですが、これまでのところ髄膜腫における腫瘍栄養血管の分布を網羅的に検討した報告はありません。本研究では全頭蓋内硬膜を対象として髄膜腫の発生母地と腫瘍栄養血管の分布を網羅的に検討し、髄膜腫における腫瘍栄養血管の分布図を作成し、より安全な腫瘍摘出を遂行できるようにすることを目的としています。
参考文献:
1: Ahmed AK, Wilhelmy B Jr, Oliver J, et al. Variability in the Arterial Supply of Intracranial Meningiomas: An Anatomic Study. Neurosurgery. 2023;93(6):1346-1352. doi:10.1227/neu.0000000000002608
2: Martins C, Yasuda A, Campero A, Ulm AJ, Tanriover N, Rhoton A Jr. Microsurgical anatomy of the dural arteries. Neurosurgery. 2005;56(2 Suppl):211-251. doi:10.1227/01.neu.0000144823.94402.3d
研究期間:倫理審査委員会承認日〜2028年12月31日
研究に用いる試料・情報の種類
情報:性別、年齢、診療記録、臨床検査データ、術前後画像検査データ、手術画像等
外部への試料・情報の提供
無し
研究組織
本学の研究責任者:
藤田医科大学岡崎医療センター 脳神経外科 助教 東口彩映子
研究分担者:
藤田医科大学 医学部 脳神経外科 准教授 安達一英
藤田医科大学岡崎医療センター 脳神経外科 講師 山城慧
藤田医科大学 医学部 脳神経外科 助教 藤原英治
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照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
藤田医科大学岡崎医療センター 脳神経外科
担当者:助教 東口彩映子
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