神経血管圧迫症候群の病態解析、診断と手術成績向上の研究

本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。

研究の対象

  • 2012年1月1日から2024年12月31日までに藤田医科大学病院を受診し、神経血管圧迫症候群が疑われる患者さん
  • 2012年1月1日から2024年12月31日までに藤田医科大学病院脳神経外科・脳卒中科を受診し、脳動脈瘤クリッピング術もしくはコイル塞栓術を受けた患者さん
  • 2015年1月1日から2024年12月31日までにいみずクリニックで脳ドックを受診したかた

研究目的・方法・研究期間

腫瘍や脳動脈瘤などの病変がない場合、片側顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛の主たる原因は血管による神経圧迫であり、神経血管圧迫症候群とも言われます。その発生には多くの原因が関与していると考えられ、血管の蛇行以外に、くも膜の肥厚や狭小な後頭蓋窩などが推定されていますが、特に血管蛇行の原因についてはいわゆる動脈硬化との関連性も明らかでありません。我々は穿通枝と言われる細い血管が蛇行に関連している可能性を考え、解析を進めています。また、片側顔面痙攣については顔面の不随意な菌収縮運動が主症状ですが、この診断は医師が患者を主観的に評価しているのが現実です。顔面の動画撮影したものを、機械学習の手法を用いて正確に評価することが可能になれば、より客観的かつ正確に診断することが可能になることから診断用のソフトウェア、アプリケーションの開発も行います。手術においては、より安全かつ低侵襲で有効な治療を目指して、手術方法、電気生理学的検査の併用、解剖特性を活かした新規手術アプローチの開発を行います。患者においては、期間2012年1月1日から2024年12月31日までに当院脳神経外科及び脳卒中科において、片側顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛、脳動脈瘤手術に際して撮影した血管造影のCT画像、電子カルテより背景因子情報を抽出して解析します。穿通枝の分布に関しては、手術記録と手術時のビデオデータ、写真データより解析します。顔面痙攣の患者は顔面の動きを撮影した動画を収集します。脳ドックにおいては、MRI、MRAデータ、健診一般採血結果、喫煙歴、内服歴なども収集します。画像データはシミュレーションソフトウェアのMATLABを用いて動脈の蛇行率と穿通枝の分布を形態学的にピクセル解析、もしくはMATLAB機械学習の手法を用いて顔面運動を定量的、定性的に評価します。数的データは単変量の二群間Wilcoxon検定や多変量の因子解析を主に用います。なお、本研究で利用するデータは全て匿名化し、個人情報は特定できない状況になります。

研究期間(倫理審査委員会承認日〜2025年3月31日)

研究資金については、学内の研究費のみを使用しており、外部の資金や物的人的支援を受けないため、開示すべき利益相反はありません。

研究に用いる試料・情報の種類

MRI、MRA、CT、手術動画、手術写真、手術記録、カルテ情報年齢、背景因子(高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病)、顔面痙攣の動画等

外部への試料・情報の提供

なし

研究資金、人的・物的とその他支援、利益相反の開示

研究資金:本学内の講座研究費を使用する。外部の研究資金を受けません。
物的・人的支援:外部の物的・人的な支援を受けません。
利益相反:研究責任者と研究分担者に、本研究に係わる開示すべき利益相反はありません。藤田医科大学利益相反委員会へ申請を行い、利益相反マネジメントを受けます。

研究組織

本学の研究責任者:藤田医科大学 医学部脳神経外科 講師 西山悠也

除外の申出・お問い合わせ先

試料・情報が本研究に用いられることについて研究の対象となる方もしくはその代諾者の方にご了承いただけない場合には、研究対象から除外させていただきます。下記の連絡先までお申し出ください。その場合でも、お申し出により、研究の対象となる方その他に不利益が生じることはありません。
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
また、ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

研究責任者:藤田医科大学 医学部脳神経外科学 講師 西山悠也
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
電話:0562-93-9253
ファックス:0562-93-3118