大学院保健学研究科 第97回保健学セミナーのお知らせ
藤田医科大学大学院 保健学研究科 保健学専攻では、各領域の大学院生が共に集まり、領域横断的に視野を広げ最新のトピックスを学ぶため、各分野の第一線で活躍されている学内外の先生や著名な研究者を講師に招聘した「保健学セミナー」を開催しています。
今回の第97回保健学セミナーは、リハビリテーション学領域の企画担当で開催いたします。
演題 | 「脳と痛みの関係を考える」 |
演者 |
新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 教授
大鶴 直史 先生
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日時 | 2024年12月6日(金)18:00~19:30 |
場所 | 大学3号館1階 101講義室 |
ご講演要旨
痛みはリハビリテーション現場において、非常に重要な症状の一つです。しかしながら痛みを抱える患者さんの中には、手術や投薬が無効な難治性の慢性疼痛を有する方が存在しています。慢性疼痛は、治療手段が確立しておらず、患者さんの苦悩はもちろんのこと社会経済学的にも大きな問題となっています。そのような中で、脳機能イメージングによる痛みの研究が進められていますが、主観的な痛みが脳内でどのように生み出されているかに関しては、いまだに不明な点が多くあります。患者さんが表現する痛みは、組織の損傷といった器質的要因だけではなく、心理的および社会的な要因によって修飾を受けるために複雑性を呈します。これまでの先行研究を紹介しながら、痛みの難しさに関して情報提供ができればと思います。
今回ご講演いただく大鶴直史先生は、神戸大学卒業後に総合研究大学院大学に進学され、岡崎にある生理学研究所、広島大学、そして現在ご所属の新潟医療福祉大学にて疼痛や内受容感覚に関する脳内メカニズムをテーマとした脳機能研究に従事してこられました。また、近年は基礎科学での取り組みに留まらず、慢性疼痛を抱える方を対象とした臨床研究にも積極的に取り組んでおられます。
本セミナーは、多くの疾患患者に共通する主症状の一つである疼痛に焦点を当て、その科学的理解から緩和を目指した臨床的アプローチまで、幅広くご解説いただける予定です。また、実践科学であるリハビリテーション科学、看護学を学ぶ大学院生にとっては、大鶴先生のこれまでの研究・臨床活動はロールモデルのひとつとなり得ると思います。
大学院生はもとより、学部学生や教職員の皆様で関心のある方のご来聴をお待ちしております。
大学院保健学研究科長 金田 嘉清
問い合わせ:上原 信太郎(0562-93-9645、suehara@fujita-hu.ac.jp)