【市民公開講座】2019年2月10日、iPS細胞研究の髙橋淳先生・髙橋政代先生をお招きして、再生医療学 記念講演会を開催しました。
ヒルトン名古屋にて再生医療学講座設置記念講演会を開催。学内外から約350名が参加しました。
開学50周年を迎えた本学は、再生医療をテーマにした記念講演会をヒルトン名古屋で開催し、一般市民や医療関係者ら約350人が参加し、盛会のうちに終了しました。
昨年4月、松山晃文教授による再生医療学講座を開設したことを記念し、日本の再生医療をリードする京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授と、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーのお二人をお招きし、それぞれ専門である「パーキンソン病」と「網膜細胞治療」の現状や展望についてご講演いただきました。また、本学の松山教授は「藤田医科大学のちから Regenerative Medicine,Innovation and then Future」を講演いたしました。
講演会の様子
京都大学iPS細胞研究所 髙橋 淳 教授
■iPS細胞を用いたパーキンソン病治療
iPS細胞を用いたパーキンソン病治療の研究について、現在は他人由来のiPS細胞を使用した脳内への細胞移植による治験が順調に進んでいることを説明されました。今後の再生医療の発展に向けて、研究者だけでなく、医師・患者・政府機関などの関係者が皆、強く「再生医療の未来を信じる」ことが大切だと述べられました。
理化学研究所多細胞システム形成研究センター プロジェクトリーダー 髙橋 政代先生
■iPS細胞を用いた網膜細胞治療
iPS細胞を用いた網膜再生医療の研究に取り組み、現在は自分由来のiPS細胞を使用した1例目の臨床研究をおこなって4年目になり、経過も順調で安定していることを説明されました。また他人由来のiPS細胞を使用した5例の経過も順調であり、今後10年をかけて本格的な「治療」となっていくと述べられました。
藤田医科大学医学部 再生医療学講座 松山 晃文教授
■藤田医科大学のちから
AIの力も借りた再生医療に取り組み、疾患治療に最適な細胞の活性化条件・製造法を見出し、疾患に特異的で最適な再生医療を探し出していくと述べられました。また日本の大学で唯一の全排気陰圧CPCを有し、感染症がある患者さんも治療可能になる施設ができたので、「患者さん一人ひとりにふさわしい再生医療をお届けし、『難治』が昨日の言葉となるようにしたい」、「藤田の再生医療はみなさんとともにありたい」と今後の展望を述べられました。