プレスリリース

ICTを利用した脳卒中急性期診療支援システムの実証試験を開始しました

指1本で情報を発信、全員で共有

 右の写真は、「Task Calc. Stroke」の画面です。
 救急搬送の入電があると、ER(救命救急センター)の医師と脳卒中専門医が適応を判断し、システムを発動します。
 中央のマスには救急隊到着までの予定時間、到着後は治療開始までの目標時間と病院到着からの経過時間を併記。それを囲むように検査名や部署名がハチの巣状に並び、各部署における進捗状況が、「準備完了」「検査中」「医師判断待ち」「処理中」「確認待ち」「終了」「不要」などと文字と色でリアルタイムに示されるようになっています。
 医師だけでなく、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師らそれぞれが刻一刻と変わる情報を「多」対「多」で共有することで、診察・検査・説明等の並行処理ができ、早期診断・治療開始が可能となります。

Task Calc. Stroke は産業技術大学院、九州大学神経内科学教室、小倉記念病院、藤田医科大学脳卒中科とで共同開発したシステムです。

1分1秒でも早い診断で脳を救え!脳卒中の治療は時間との闘い

脳卒中の約7〜8割を占める脳梗塞は、脳の血管が詰まることで細胞が傷つき、言語障害や麻痺などが出現する疾患です。治療が30分遅れるごとに自立歩行できる可能性が12%ずつ減少するという報告もあり、1分1秒でも早く治療を行うことが後遺症の軽減につながります。現在、脳梗塞の治療において有効性が証明されているのは以下の2つです。

①点滴による経静脈的血栓溶解療法(IV t-PA)
②カテーテル用いた血栓回収療法(EVT)
いずれの治療も開始までの時間が早ければ早いほど良好な予後になることが証明されており、脳卒中患者を受け入れる医療機関としては、上記の治療を迅速に行える体制を整えておくことが重要となります。

チーム医療の情報共有の効率化で治療までの時間短縮を図る

 脳卒中が疑われる患者が病院に救急搬送された場合、治療開始までに行わなければならないタスクは約40項目あります。CT、MRI、採血検査、脳血管撮影検査といった多くの検査や処置を緊急検査の形で割り込んで行う必要があります。多くの病院では、それらの検査の調整は、主に電話連絡で行われています。しかし電話は、連絡をする人と受ける人との1対1の連絡形態であり、たくさんの部署への連絡となると時間がかかる上、話し中であったり、聞き違いが発生する可能性もあり、医療スタッフの大きな負担となっています。
 今回、実証試験を開始した「Task Calc. Stroke」は、タブレット、スマートフォン等を用いて各部署に瞬時に情報を伝えたり、検査・診断などの進捗状況をリアルタイムで表示するシステムです。電話をかけずともチーム間での情報共有ができることにより、医療スタッフの負担を軽減させながら病院到着から治療までにかかる時間の大幅短縮を図ります。
 脳卒中が疑われる患者が病院に救急搬送された場合、治療開始までに行わなければならないタスクは約40項目あります。CT、MRI、採血検査、脳血管撮影検査といった多くの検査や処置を緊急検査の形で割り込んで行う必要があります。多くの病院では、それらの検査の調整は、主に電話連絡で行われています。しかし電話は、連絡をする人と受ける人との1対1の連絡形態であり、たくさんの部署への連絡となると時間がかかる上、話し中であったり、聞き違いが発生する可能性もあり、医療スタッフの大きな負担となっています。
 今回、実証試験を開始した「Task Calc. Stroke」は、タブレット、スマートフォン等を用いて各部署に瞬時に情報を伝えたり、検査・診断などの進捗状況をリアルタイムで表示するシステムです。電話をかけずともチーム間での情報共有ができることにより、医療スタッフの負担を軽減させながら病院到着から治療までにかかる時間の大幅短縮を図ります。

お問い合わせ先

<内容に関するお問い合せ>
藤田医科大学病院
脳卒中科 教授 松本省二
TEL 0562 93 9759

<取材に関するお問合せ>
学校法人藤田学園 広報部 学園広報Gr.
TEL 0562 93 2492 FAX 0562 93 4597