日本で唯一の自治体向け教育支援施設「地域包括ケア人材教育支援センター」を開設しました
藤田医科大学は、自治体によってばらつきのある地域包括ケア事業の底上げを図るため、運営の要となる市町村職員や医療・介護職者を継続的に育成する専門施設として、学内に「地域包括ケア人材教育支援センター」を開設しました。7月8日に開所式が行われ、厚生労働省東海北陸厚生局の堀江 裕局長や才藤 栄一学長らによるあいさつの後、テープカットで開所を祝いました。
課題解決型実践研修により人材育成を支援するとともに、構築・運営のノウハウやネットワークを集積した知の拠点をめざします。
開設の背景
高齢者が住みなれた地域で自分らしく最期まで暮らすためには、介護・医療・予防・生活支援・住まいが一体となった支援体制「地域包括ケアシステム」が必要です。各市町村でも、2025年をめどに地域包括ケアシステムの整備が進められていますが、人口構成の違いや担当者の知識・経験不足、人事異動などもあり、進捗状況に地域差が生じているのが実情です。
本学は、2013年に学校法人としては全国初となる介護保険事業の認可を取得し、立地する豊明市や民間企業と産官学協働で地域包括ケアシステムの構築に先進的に取り組んできました。成功モデルとして昨年度は全国から約600人が視察に訪れています。その経験から、地域包括ケアシステムの推進を加速するためには、市町村職員のスキルアップが欠かせないと考え、「地域包括ケア人材教育支援センター」の開設に至りました。
構築・運営ノウハウを実践で学ぶ教育プログラム
2019年度の取り組みとして、介護予防や日常生活支援、地域づくりにフォーカスした「実践型地域づくり支援プログラム(全5回)」を9月から2020年1月にかけて実施し、厚生労働省からの委託事業として運営します。同プログラムは、総合事業等の取り組みにおける地域マネジメントの考え方と方法論について、参加者が受講に加え、自市町村での実践を通して体得することを目標に据えたもので、本学とNTTデータ経営研究所が共同で開発しました。
例
課題解析、豊明市周辺での多職種ケアカンファレンス見学、成果分析、参加多職種との意見交換、住民主体健康教室やサロン等地域資源見学、住民互助支援見学、リハや栄養等専門職との同行訪問、課題解決型住宅改修評価訪問の同行、C型短期集中訪問通所サービス事業所の見学、移動支援サービス体験、買い物支援サービス体験、民間企業等との連携事例先訪問など