大学院医療科学研究科 第1回医療科学セミナーのお知らせ
藤田医科大学大学院 医療科学研究科 医療科学専攻(修士課程)では、本研究科に所属する大学院生が集い、それぞれが所属する領域の最新トピックスを共に学び、視野を広げることを目的に、各分野の第一線で活躍されている学内外の著名な研究者を講師に招聘し、「第1回 医療科学セミナー」を以下のとおり、開催いたします。
演題 | 血管モデルと医療・工学 |
演者 |
東北大学 流体科学研究所 流動創成研究部門 生体流動ダイナミクス研究分野 教授
太田 信 先生 |
日時 | 2024年5月15日(水)18:00~19:30 |
場所 | 大学3号館1階101講義室 |
ご講演要旨
私どもの研究室では、現在「医療機器発展のためのものづくりのグローバルリーダーを目指して」をテーマとして研究を進めています。
この講演では、生体のモデル化を取り上げ、血管などの軟組織や骨などの高組織についてゲルや高分子材料を用いた取り組みをご紹介いたします。
医療の分野では、血管内治療等の練習や医療機器の開発には、血管バイオモデルが望まれていました。
現在血管モデルを作成する3Dプリンタの開発や超音波診断装置に対応できる血管バイオモデルの開発にも着手しています。
このようなモデルは医師にとっては治療前のシミュレーションに、医療機器の開発にあっては、国際標準化された評価モデルとして活用されつつあります。
こうして開発した研究成果は社会実装することが望まれ、ベンチャー企業を起こし、医療の実践のための提供を始めています。
血管モデルをお持ちしますので、見て、触れてください。そして、血管モデルが医療と工学の橋渡しになっている様をお伝えしたいと思います。
今回ご講演いただく太田信先生は、「病気と向き合う工学を目指して〜治療に役立つ工学をする〜」というポリシーのもと、治療に役立つデバイスの開発や新たな治療法の確立、病気の診断や予測に役立つ研究を進められています。また、社会実装のためにより実用的な研究に発展させるためベンチャー企業”Blue Practice株式会社”と共同して積極的な開発をされています。さらに、国際的な研究を展開するために、留学生の受入れや海外大学との交流を盛んに行い、後進の育成にも尽力されています。
本セミナーは、生体組織の構造と特性を再現した血管モデルとこれを用いた血流シミュレーションや画像解析等をご紹介いただき、これらの研究成果が治療のための訓練や医療機器や治療法の開発において評価が可能な標準化されたモデルへと発展し、国際的な信頼を持つモデルへと成長していることなど、生体組織を対象とした工学的アプローチが医療に応用・実装される研究として成長しているダイナミズムをお聞きできる貴重な機会です。
大学院生はもとより、学部学生や教職員の皆様のご来聴をお待ちしております。
大学院医療科学研究科長 齋藤 邦明
問い合わせ:日比谷 信(0562-93-2654 mhibiya@fujita-hu.ac.jp)