ご利用の方は藤田医科大学ばんたね病院まで
TEL:052-321-8171 (診療受付は11:30まで)
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ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏(topical calcineurin inhibitor;カルシニューリン阻害外用薬)は、現時点において,アトピー性皮膚炎の炎症を十分に鎮静するための薬剤です。
ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎治療の基本となる薬剤です。それぞれ強さが異なりますので、患者さんの皮膚炎の重症度や塗布する部位に応じて適切なステロイド外用薬を選択します。
ステロイド外用薬はその強さによってⅠ~Ⅴ群に分類されます。年齢や部位により様々に使い分けができます。
外用剤の適切量の目安。患者様が思っている以上にしっかりと全布することが大切です。でもすり込んではいけません。
入院患者さんへの指導
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018
アトピー性皮膚炎は、長期にわたり皮膚病変が再燃を繰り返します。 現在は、皮膚病変を治療した後に、保湿外用薬によるスキンケアに加え,ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を間歇的に(週2回など)塗布し,寛解状態を維持する治療法が推奨されています。
以前は、皮膚病変が改善すると、保湿剤のみを使用し、皮疹の再燃時のみステロイド外用薬を塗布する外用法が行われていました。この治療法では、長期的に皮膚病変をよい状態に保つことはできませんでした。
皮疹が再燃する前に定期的にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を間欠塗布を行うことで皮膚を長期的によい状態に保つことができるようになります。
近年、生物学的製剤という、重症のアトピー性皮膚炎への奏効率が高い注射製剤が使用できるようになりました。長期にわたり湿疹病変が続き、外用治療や内服治療ではなかなか皮疹がコントロールできない患者さん使用します。
アトピー性皮膚炎が重症な患者さんは、医師にご相談ください。
●保湿外用剤は、角質層の水分含有量を改善し、皮膚バリア機能を回復・維持することで、アレルゲンの侵入予防と皮膚炎の再燃予防,痒みの改善につながります。
●外用回数は1日1回の外用よりも1日2回(朝・夕)の外用の方が保湿効果は高く、そのうち1回は入浴直後が望ましいとされてます。
●皮膚病変や痒みは保湿剤のみでは改善しませんので、症状がある場合は適切な治療を受けてください。
●シャンプーやリンス、石けんなどのすすぎ残しや過度の使用で刺激性皮膚炎が誘発されることもあります。 ●長くなった爪で皮膚や粘膜を傷つけないように、爪はいつも短く切り、必要であれば就寝時に長袖・長ズボン・手袋を着用するとよいでしょう。
●乳児期は「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」が多くを占めますが、アトピー性皮膚炎だから食物アレルギーを発症するわけではありません。症状がある場合は適切な医療機関を受診されるとよいでしょう。
●年長児以降は吸入アレルゲンの関与が大きくなり、ダニやイヌ・ネコといった動物由来のアレルゲン、スギなどの花粉で皮膚病変が悪化することがあります。 ●清掃など適切に対応することが大切です。
●発汗後、皮膚に残っている汗はアトピー性皮膚炎を悪化させると言われています。一方、皮膚面の高温多湿な状態は発汗を抑えてしまうと言われています。
●皮膚に汗を残さないために、通気性がよく吸湿性の低い肌着を着用すること、汗をかいた後はシャワー浴などで洗い流すこと、おしぼりにより拭くこと、濡れた衣類を着替えることなどが大切です。
●また、発汗を避けることでアトピー性皮膚炎が改善することに根拠はありませんので、発汗を避ける必要はありません。
アトピー性皮膚炎は、ストレスによって悪化することがよく知られています。長期的に続く皮膚病変のため消極的になったり、不安感が強くなること、時にいじめの対象になることがあり、それらは患者さんにとって大きなストレスになります。
そのような状況の中では、痒みを意識しないときでも不安刺激によって皮膚を掻いてしまうことがあります。長期的な皮膚病変が続く場合は、皮膚病変だけでなく、患者さんが抱えるストレスも考慮して適切な治療を受けるとよいでしょう。
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