分野紹介
工学も医学も「病気を治す」という部分は、共通であり分野を超えた融合によってさまざまな可能性を広げ現在の医療は、お互いの研究なしには成り立たない状況が生まれています。臨床工学技士は、医療従事者の中でも比較的新しい職業であり、医療機器を通して患者に効果的かつ安全な医療を提供する重要な役目があります。近年では、医療機器の高度、専門化が進み臨床工学技士が果たす役割はより重要視されています。本研究室では、知識と技術力をベースに、高度な専門性と科学的研究心を備えた臨床工学技士の育成、研究面では、社会に還元可能な研究開発を目指しております。
教育分野
血液透析、体外式心肺バイパス、人工呼吸器などの臨床工学分野の専門的な講義を担当しています。また、学内実習では臨床工学に関連した専門科目実習を行います。病院での臨床実習の前に、基本的な臨床能力が備わっているかどうかを見極めなければなりません。基本的な能力だけでなく、コミュニケーションがとれる人材を育成することも重要な目的の一つです。臨床工学のOSCE(Objective Structured Clinical Examination)には、コミュニケーション能力も含まれており、メンバーを中心に企画しています。臨床工学を志す学生にとって重要な能力は、他者と協調して仕事をする能力であると考えています。
研究内容
体外循環が生体に及ぼす影響、体液成分の酸化還元状態が体細胞に及ぼす影響、高分子材料と細胞の相互作用を利用した再生医療の構築、等温増幅法を用いた心筋梗塞の迅速診断法など、臨床工学に関連した様々な研究が行われています(詳細な研究テーマは下記参照)。
4年生の各学生は、いずれかの研究テーマを選択し、研究開発のスキルを身につけ、学術活動を行います。
メンバー
教員
医療検査学科
研究内容
日比谷信
安全な体外循環のためのベストプラクティス
・安全な体外循環のための標準化の調査研究(2015〜)
・体外循環症例登録データを用いた技術提供の現状評価(2015〜)
・体外循環が生体に及ぼす影響の客観的評価の研究(2015〜)
川口和紀
アルツハイマー病治療のための新しい治療法の開発
我々は、血液浄化により、急速に血中アミロイドβ蛋白(Aβ)を除去することで、脳内のAβを減少させ、結果的にアルツハイマー病を治療できるのではないかと考え研究しています。血中Aβ除去が、認知機能に与える影響を検討するために、1)血液透析患者および腎不全患者の認知機能と血中Aβ濃度について2)血液透析患者および腎不全患者の死後に、脳内のAβ沈着について検討しています。これらの検討をもとに、この治療システムをExtra-corporeal Aβ Removal System (EARS)と名付け、アルツハイマー病治療の新しい治療法となるように研究を進めています。
フォトギャラリー
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臨床工学技士国家試験直前
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臨床実習
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ホスピタルトレーニング宣誓式
学術業績
原著論文
2021
- Nobuya Kitaguchi , Kazunori Kawaguchi , Miwa Sakata , Hiroki Aoki , Kazunori Yamazaki , Megumi Kaneko , Jun Kinomura , Masao Kato , Midori Hasegawa , Nobuo Suzuki , Masao Mizuno , Yukio Yuzawa Aβ Influx into the Blood Evoked by Different Blood Aβ Removal Systems: A Potential Therapy for Alzheimer's Disease Neuropsychiatr Dis Treat. 2021 Jul 13;17:2291-2308.
2020
- Yuta Saito , Miwa Sakata , Moe Kobayakawa , Hiroshi Kawachi , Kazunori Kawaguchi , Yoshiyuki Hiki , Masao Kato , Mayuko Mori , Midori Hasegawa , Norimi Ohashi , Yukio Yuzawa , Nobuya Kitaguchi Removal of Aβ Oligomers from the Blood: A Potential Therapeutic System for Alzheimer's Disease Neuropsychiatr Dis Treat. 2020 Mar 3;16:607-627.
2019
- Nobuya Kitaguchi , Harutsugu Tatebe , Kazuyoshi Sakai , Kazunori Kawaguchi , Shinji Matsunaga , Tomoko Kitajima , Hiroshi Tomizawa , Masao Kato , Satoshi Sugiyama , Nobuo Suzuki , Masao Mizuno , Hajime Takechi , Shigeru Nakai , Yoshiyuki Hiki , Hiroko Kushimoto , Midori Hasegawa , Yukio Yuzawa , Takahiko TokudaInflux of Tau and Amyloid-β Proteins into the Blood During Hemodaialysis as a Therapeutic Extracorporeal Blood Amyloid-β Removal System for Alzheimer’s Disease. Journal of Alzheimer’s Disease 69 (2019) 687–707
学会報告
2021
- Ihira M., Suzuki N., Yasuko E., Higashimoto Y., Miura H., Kawamura Y., Yoshikawa. Dynamics of salivary Human Herpes virus-6 and-7 in pregnant woman. International herpesvirus workshop 2021(poster)
- Kawamura Y., Komoto s., Fukuda S., Kozawa K., Miura H., Enya Y., Ihira M., Taniguchi K., Yoshikawa T., Development of Herpes Simplex Vaccine type-2 Vaccine Has been Attempted Using Based on Rotavirus Reverse Genetics System. International herpesvirus workshop 2021(poster)
2020
- 井平 勝、塩谷泰子、東本祐紀、平松裕之、鈴木竜太、小澤 慶、三浦浩樹、服部文彦、河村吉紀、吉川哲史 妊娠期間中の唾液中Human herpesvirus 6,7排泄推移 第61回臨床ウイルス学会 口頭発表
- 塩谷泰子、井平 勝、平松裕之、鈴木竜太、東本祐紀、三浦浩樹、服部文彦、河村吉紀、河本聡志、谷口幸喜、吉川哲史 NICU入院時に対するRV1接種後の便中ロタウイルス株排泄と免疫誘導能の関連解析 第61回臨床ウイルス学会 口頭発表
- 服部文彦、三原由佳、河村吉紀、塩谷泰子、井平 勝、東本祐紀、河本聡志、谷口幸喜、吉川哲史 2018/2019シーズンに当院で経験したロタウイルス胃腸炎入院齢の検討第61回臨床ウイルス学会 口頭発表
アクセス
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