血液内科学Hematology

研究室スタッフ

教授
  • 冨田 章裕
准教授
  • 入山 智沙子
  • 後藤 尚絵
講師
  • 岡本 晃直
助教
  • 内田 直樹
  • 加藤 駿晴
  • 徳山 清信
助手
  • 金田 泰準
  • 清水 輝一
客員教授
  • 赤塚 美樹
客員准教授
  • 安部 明弘

造血幹細胞移植から抗がん療法まで幅広い経験を積める環境

白血病、造血移植に関しては、恵美教授が、リンパ腫に関しては、岡本教授がまとめています。准教授として、PhALL210Rの委員長をした水田准教授や、細胞療法の専門家である赤塚准教授が所属しています。当血液内科は全国的に若手の医師が少ないですが、関係の疾患は増えています。付加価値のある医師として臨床をおこなうことが出来ると思います。血液内科学は、臨床とサイエンスが近いので楽しみながら臨床研修をすることができます。
白血病治療研究グループ(JALSG)、リンパ腫研究グループ(ALTSG)の参加施設でもあり、グループ内でも登録症例の数は上位に位置しています。

新しい治療

1.AMLに対するマイロターグ療法
新薬であるマイロターグは、白血病細胞の表面についているCD33というタンパクに対する抗体とカリケアマイシンという抗がん剤の合剤で、分子標的薬の一つです。再発や難治症例でも30%の寛解率が報告されています。今後初発例への投与も考えられております。
 
2.APLに対するヒ素療法
毒物であるヒ素が1990年代に中国でAPLに対して使用され、レチノイン酸と同様の高い効果が発表されました。わが国でもJALSGにおいて再発難治例にヒ素を組み込んだ治療を実施しています。再発M3に対するAPL205Rの事務局は当大学となっています。

3.WT1に対する遺伝子治療
名古屋大学、三重大学、愛媛大学と協力して、白血病、MDSに対する遺伝子治療の臨床研究の準備をしています。H25年度中に、開始の予定です。

医学教育

学部教育
血液内科学教室として、血液内科学の教育、実習に力を入れている。学部教育講義としては臨床医学総論、系統別講義(内科血液学)およびCM-Iを担当している。また学生実習として、臨床実習(クリニカル・クラークシップ)およびスモールグループ・ラーニングを実施している。指導は、教授以下全スタッフがあたるが、スタッフの多くは内科学、血液学、腫瘍学、輸血学に関する認定医、専門医の資格を有しており、うち内科学会認定指導医7名、血液学会認定指導医6名、内科学会認定医9名、血液学会専門医8名、日本輸血学会認定医2名、日本臨床腫瘍学会暫定指導医6名、日本がん治療認定機構暫定教育医6名、日本がん治療認定機構認定医4名である。
系統講義の内容は、主な血液疾患の発生機序、病態生理についての理解から始まり、各種血液疾患の診断につながる臨床所見、検査所見(形態学的所見ならびに細胞遺伝学的情報)を学ぶ。また治療に関しても特に造血器悪性腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)は、抗腫瘍化学療法剤や造血幹細胞移植の他に、近年では分子標的療法も導入され、高率に治癒が期待出来る疾患となっており、悪性腫瘍の薬物療法について理解する最適な疾患と考えられる。クリニカル・クラークシップは、急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの多彩な血液疾患患者を対象として、それら患者の全身管理に加え、抗腫瘍薬物療法、造血幹細胞移植をはじめとする最新の悪性腫瘍治療について学習する。

大学院教育
主任教授の恵美が文部科学省がんプロフェッショナル養成事業の担当教授でもあるので、がんプロ大学院生の指導も行っている。教育内容については、造血器悪性腫瘍の根治を目指した治療法の開発について(強力化学療法、新規薬剤の評価)、造血幹細胞移植の新たな試みについて(ミニ移植、臍帯血移植など)、造血器腫瘍の分子遺伝学的解析についてなどである。新しい治療法、遺伝子解析に、大学院生のフレッシュなアイデアを期待している。