1年次
「良き医療人」をめざし人間形成を含めた基礎を築く
基本的な医学知識や一般教養、語学などを学び、素養を身につけるのはもちろんですが、1 年次より「早期臨床体験」や「医療コミュニケーション」を実践的に学びます。これにより〝生きた〟医療現場の実際をいち早く体感し、かつチーム医療への意欲を高め、医療人としての自覚、責任感を養います。また、「基礎教室体験実習」では、科学的な探究心も養い、医学研究者としての第一歩を踏み出します。
2年次
人体の構造と機能を理解し臨床医学に備える
医療の全ての基礎となる解剖学、病理学、生理学などに関して、実習を主体とした学びが始まります。特に解剖学は医師としての力量を測る一つの指標に用いられるほど、重要な知識となります。解剖学の実習では実際にご献体を用いて解剖を行い、知識はもとより、生命の尊厳、医師としての倫理、患者さんに寄り添う気持ちなどを学びます。人体の構造や機能を理解することで、医師になることを強く自覚し、3年次からの臨床医学への土台を築きます。
3年次
基礎医学から臨床医学へ幅広い領域を学習
1年次、2年次で学んだ基礎的な医学知識をベースに、より具体的な臨床医学を、実際の医療現場に近い環境で学び、最新医療や実験データなどを通して理解を深めます。特に3年次からは、問題解決型授業「PBL」がスタート。学生が少人数グループになり、教員から提供される「主訴」や「病歴」、「身体所見」などのシナリオに沿って、問題を見つけ、調べ、結論を導きます。医療推論でのプロセスを実際的に学ぶことで臨床医学の力を培います。
4年次
臨床実習に向けて知識の整理・統合を図る
本格的な臨床実習に向けて、基本的な手技を身につけるとともに、基礎医学と臨床医学の知識を整理統合します。夏には臨床実習に進むために、共用試験「CBT」「OSCE」を受験します。CBT(コンピュータ式試験)は知識面、OSCE(客観的臨床能力試験)は技能・態度面を評価します。これらに合格することで「スチューデントドクター」として、臨床実習に臨むことができます。
5年次
より実践的な臨床医学系の学びへと歩みを進める
臨床実習により、実際に患者さんと接し、診療に従事しながら、これまで学んできた知識を実践的に応用していきます。指導医の下、患者さんの考え方や生活なども含め問題点を発見し、問題解決に向けて医師としての思考や振る舞いができるようトレーニングします。講義では得られない医療現場の常識や技術、深い知識に加え、患者さんとの信頼関係の大切さを学び、医師としての責任感を強く認識する学びを得ます。
6年次
全ての学びを統合し、国家試験に向けて集中する
6年次では、これまでの全ての学びを統合し、知識や技術の再確認を行い、国家試験に備える1年になります。まず、春先の6週間にわたり、自主的に選択した国内外の実習先で臨床実習プログラムにより実践能力を高めます。中でも医学の国際化に対応した選択制総合医学実習「国外」では、タイ、イタリア、韓国、UAE、ザンビア、台湾といった海外の提携大学への留学が可能です。自主選択による実習は、医師としてのビジョンを明確にする機会にもなっています。文化も医療状況も異なる現場での体験が、医師としてだけでなく、人間としても成長を促し、視野を広げます。6年次の後半には、国家試験に向けた準備を集中的に実施して、最後の総まとめを行います。