学部概要

予測困難な時代を創造する医療人を育む

医療科学部 学部長 小林 茂樹

今年度より新たに医療科学部長に就任しました。
「課題解決型学修 Problem-Based Learning (PBL)」、客観的臨床能力試験 Objective Structured Clinical Examination (OSCE)」を医療技術系カリキュラムにいち早く取り入れた先代の手法を引き継ぎ、本学建学の精神である「独創一理」を堅持しながら、自らの道を切り開いていける創造力の富む医療人を育むべく、教員一丸となり本学に入学いただいた皆さんを全力でサポートしていきます。

今までの医療科学部は、国家資格である臨床検査技師、診療放射線技師および臨床工学技士を養成すべく、専門性の高い教育により優れた医療人育成を目標として日々の専門教育に注力してきました。
2040年には18歳人口が現在の7割またはそれ以下に減少することが予想されているなかで、文部科学省が提唱する高等教育のグランドデザイン、厚生労働省が示す保健医療2035、医療DX革命を鑑み、改革と検証さらに検証結果に基づいた改革を進めていかなければなりません。

今後の予測困難な時代に適応できる次世代型高度医療人材を養成する教育課程を組み上げることが本学喫緊の課題です。キャリアアップのための様々な発展型選択科目のカリキュラム組み込み、4年制教育による現行の医療機関輩出型のキャリアデザインをさらに進め、修士課程を組み込んだ6年一貫コースおよび密接に連携した博士課程、国際交流協定(MOU)を締結した海外大学(大学院)、公的機関または企業などの社会との共創を実践できる人材育成を目指し、医療の新しい価値創造に向けて学園全体で取り組んでいきます。
加速度的に訪れる少子化、超高齢化社会を見据えて「Well-being」をさらに進め「Well-Aging」社会構築に向けて活動貢献する医療者、研究者、教育者の育成を目指します。
皆さんには本学で学び、新たな時代を切り拓くグローバルな医療人を目指していただきたいと思います。

教育目標

「独創一理」の建学の理念の下に、人間の生命を尊重する高い倫理観と心豊かな幅広い人間性を培う教育を行う。
臨床検査学、臨床工学、放射線学などの専門知識と技術を修得し、先進医療科学を共創できる心優しき知的医療プロフェッショナル「良き医療人」を養成する。
多様な社会の人々の健康と医療を科学的に観察・思考し、科学的根拠に基づいた課題解決に自らの役割を柔軟に発揮できる人材を養成する。

アドミッション・ポリシー

医療科学部は、本学の建学の理念に共感し、医療に誠実に携わることを望むものを広く受け入れる。

1)健康・保健医療およびその関係する分野に高い関心をもつもの
2)心豊かな人間性と幅広い教養を育み、主体性をもって他者と協働して課題に取り組む志のあるもの
3)専門的な知識や技術を活かして、組織や国内外の社会に貢献しようとする志のあるもの

入学試験は多様な素養を評価するため、複数の受験機会を提供する。
なお、性、人種、宗教、性的指向、社会経済的地位や身体能力は評価しない。

禁煙への取り組み

藤田医科大学では、人々の健康を守る医療職者を育成する大学として、入学者は喫煙しないことを約束できる方とします。

カリキュラム・ポリシー

医療科学部は、ディプロマ・ポリシーに示した5つの力を身につけるために段階的・体系的な教育課程を編成する。
授業は講義・演習・実験・実習・実技の様々な方法・形態等により行い、学生が主体的・能動的に学ぶことを目的とする。
学修成果は、あらかじめ明示した学修目標に即して総合的に評価する。教育の内容・方法・効果に対する組織的な評価と検証を行い改善に努める。

ディプロマ・ポリシー

医療科学部は、本学の建学の理念および学部・学科が掲げる人材の養成に関する目的に基づき、各学科で所定の課程を修め、以下に示す5つの力を身につけた者に学士の学位を授与する。

課題を解決する力
1) 幅広い教養ならびにそれぞれの専門分野の基本的な知識と技術をもち、それを論理的に活用するために管理し、正確な情報を読み解き課題を解決する力を身につけている。

連携する力
2) 医療に関係する専門職の担い手やその恩恵に預かる人々すべてを尊重して、お互いが手を取り合い、良き医療を実践するための基本的能力を身につけている。
 
自律して達成する力
3) 倫理観をもっておおらかで他者を慈しみ、目的のために自身を評価・判断して行動できる能力を身につけている。

社会に貢献する力
4) 社会の一員として自らの役割を認識し、そこに住まう人々が健康と医療に満足できるように使命感をもって行動し、多様な社会に貢献する能力を身につけている。

創造する力
5) 多面的に観察・分析することにより新たな問題を発見し、それらを解決するために科学的な探究と創造的な取り組みができる能力を身につけている。

アセスメントポリシー

ディプロマ・カリキュラム・アドミッションの3つのポリシーに基づき、機関レベル(学部)、教育課程レベル(学科)、科目レベル(個々の授業)の3段階で学修成果を評価する方法を定めます。
  1. 機関レベル
    学生の志望進路(資格・免許を活かした専門領域への就職率及び進学率等)から学修成果の達成状況を評価します。
  2. 教育課程レベル
    学部・学科の所定の教育課程における資格・免許の取得状況、卒業要件達成状況(単位取得状況・GPA)から教育課程全体を通した学修成果の達成状況を評価します。また、学年ごとの単位取得率・成績分布の状況から、各学年全体の学修態度と学修傾向を評価し、1年次から4年次までの基礎から専門科目の個々の単位修得状況を学修成果として評価します。
  3. 科目レベル
    授業等科目のシラバスで提示された成績評価および学修目標に対する達成状況等の結果から、科目ごとの学修成果を評価します。

【 評価指標 】
レベル 入学前・入学直後 在学中 卒業時・卒業後
機関レベル
(学部)







 
・各種入学試験
・新入生アンケート







 
・休退学状況
 (休退学率)
・学生生活・学修生活
 実態調査
 (2年次と4年次)
・授業評価アンケート



 
・卒業率
・学位授与数
・就職率
・進学率
・学生の動向追跡調査分析
・ディプロマ・ポリシー
 到達度調査(学生の
 自己評価・教員評価・
 就職先施設による評価)
・卒業後アンケート
教育課程 
レベル
(学科)
 
・各種入学試験


 
・GPA
・成績分布状況
・進級率
 
・GPA
・資格・免許取得状況
・単位取得状況
・国家試験合格率、合格者数
科目レベル
(個々の授業)

 
・入学時語学力確認テスト
 (英語民間試験)

 
・成績評価
 (テスト、ルーブリック)
・授業科目別達成度
 自己評価
 


【データの収集と分析・改善】
IR推進センター・教務委員会等が上記データを収集し分析・検討を行います。分析結果は、全学教学運営委員会に報告し、各学科・部署にて継続的かつ効果的な教育の改善等に活用します。

患者さんの健康問題を取り巻く多職種連携