藤田医科大学 整形外科

特集 指導者インタビュー

河野 友祐 講師(藤田医科大学病院)

専門は上肢。特に肩関節診療に情熱を注ぐ。

藤田医科大学上肢班の特徴を教えてください。

初代整形外科教授の矢部裕先生や現岡崎医療センター病院長の鈴木克侍先生などの先輩方が築いてこられた、伝統的に手、肘関節外科診療を得意とするグループです。
そこに2020年4月から肩を専門にしている私が加わり肩関節疾患の診療も積極的に行っております。現在は常勤3名、ローテーター1名で診療を行っています。

なぜ整形外科の中でも上肢を専門にしたのですか?

小学生のときからずっと野球をやっていて、自然と肩ひじの治療に興味を持つようになりました。
大学6年生のときに見学に行ったクリニックで当時中日のエースだった川上憲伸投手と偶然キャッチボールをする機会に恵まれ、勝手に運命を感じて(笑)、肩を専門にすることを志しました。

先生の略歴と藤田医大に来たきっかけを教えてください。また藤田医大に赴任してどんな印象ですか?

三重県出身で浜松医科大を卒業しました。その後は慶應義塾大学整形外科に入局してさまざまな関連病院で勤務していましたが、藤田順之教授にお誘い頂きここで働かせてもらうことになりました。大学時代は藤田医大の野球グラウンドしか来たことがなかったので、こんなに大きな病院だったのかと驚いています。藤田医大は病院全体に勢いがあり、新しいことにどんどんチャレンジしようという空気がありますね。病棟も新しく綺麗でとても活気があります。
整形外科教室は藤田先生のお人柄を反映してか、非常に明るく穏やかな雰囲気に包まれています。とても働きやすいですね。

臨床現場で心がけていることは何ですか?

できるだけ手術をせずに治るような治療をしようと思っています。大きい病院の整形外科に行くとすぐ手術を受けなさいといわれ、困惑される患者さんがいらっしゃると聞きます。怪我の場合は別として、上肢の疾患は完治はしなくても手術をせずそのまま付き合っていくことも可能なものもあります。ですので、手術を受ける、受けないという選択はあくまでも患者さんや御家族の意思で行っていただこうと思っています。私はその判断材料を御提供するという役割ですね。
一方で、私の外来には手術を受けることを先延ばしにしてしまいタイミングを逸してから紹介されてくる患者さんも沢山いらっしゃいます。手術には患者さんにも我々にとっても適切なタイミングというものがありますので、そのあたりは必ず診察時にお話するよう努めています。
すこしお困りのことがあれば早めに専門の外来を受診されることをお勧めします。

藤田医大上肢班で働いてみてどうですか?

手、肘関節領域に関しては今までの歴史から多くの患者さんが紹介され受診されてきます。この伝統は絶やさず、どんどん手、肘の治療に関しても発展させて行きたいですね。肩関節の患者さんに関しては私が赴任した頃は、この病院の規模や大学病院という役割を考えてもだいぶ少ない印象でした。しかし最近はお陰様で近隣の開業医の先生方がご紹介くださったり,口コミで受診される患者さんも増えてまいりました。また2021年に私が書いた腱板断裂の記事が中日新聞に掲載されたことも影響しているかもしれません。これからも患者さんや近隣の開業医の先生に信頼していただけるよう精進いたします。
手術による治療には患者さんはもちろんのこと、実は医療者にも適切な手術のタイミングというものがあります。関節鏡を用いた治療が進歩していたり、比較的新しい人工関節が出てきているのに、医療者側から患者さんに周知できていないがために患者さんがタイミングを逸してしまいあきらめざるを得ないケースがまだまだ多いのが現状です。夜寝られないくらい肩が痛い、慢性的に痛み止めを飲まないと生活できない、またクリニックなどで何度か注射しても良くならないような肩の痛みがある方は、早めに専門医に御相談頂けると嬉しいです。このようなことを講演会や市民講座などで一般の方に広めることも大学病院スタッフの役目だと考えています。

最後にこのホームページを見ている患者さんや医学生、研修医の先生にコメントをお願いします。

患者さんにはお困りの症状があれば是非一度この藤田医大整形外科を受診していただきたいですね。各部位の専門家が揃っていますし、それでいて話しやすいドクターばかりですので、自信をもってお勧めします。先ほどから申し上げているように早めに専門家の意見を聞くということは非常に重要ですので、気軽に 受診していただきたいと思います。
就職活動をしている学生さんや研修医の先生でこのホームページを見ている方もいると思いますが、藤田医大整形外科は新しい教授の体制になり非常に活気あふれた教室です。上肢班に関しては次第に肩関節疾患の患者さんも増えてきておりますし今後はスポーツ選手の治療などにも介入していく予定です。手、肘関節疾患についても今までよりも発展できるよう臨床、研究とも全力で向き合うつもりです。是非一度藤田医大整形外科に見学に来ていただけたら嬉しいです。また、直接来られなくてもオンラインでの相談会なども行っていますので、お気軽にお問い合わせください。よろしくお願いします。