藤田医科大学 整形外科

基礎研究および臨床研究

基礎研究

研究部門

当科では基礎研究部門においては専用の研究室があり、専属の研究補助員が在籍しています。更に、藤田医科大学には共同利用研究設備サポートセンターがあり、最新の研究機器が備わっており、基礎研究を行うには十分な環境があります。
臨床研究部門では、運動器加齢性疾患を標的として、他科との共同研究を積極的に進めています。臨床研究にとって最も重要な、患者さんのデータの取りこぼしがないようにデータマネージャーも雇用しています。
学位研究は希望によって基礎研究、臨床研究、どちらでも選ぶことが出来、これらの環境で出来る限り早く取得できるようサポートいたします。

基礎研究

椎間板変性の新規治療法の開発

腰椎変性疾患の原因の一つに椎間板変性が挙げられ、日本の超高齢社会に伴い腰椎変性疾患の患者数は更に増大することが予想されますが、現在のところ、椎間板変性を抑制する有効な治療法は確立されていません。当科ではラットから椎間板細胞を単離して培養したり、椎間板変性モデルを作成して、椎間板変性のメカニズム解析を行っています。また、髄核細胞の細胞株を用いた研究も進めています。これらの研究が、椎間板変性予防薬の開発につながることが期待されます。

椎間板変性の新規治療法の開発(Fujita, et al. J Orthop Res. 2016)
(Fujita, et al. J Orthop Res. 2016) 

黄色靭帯肥厚のメカニズム解明

腰部脊柱管狭窄症の原因の一つに黄色靭帯肥厚が挙げられますが、黄色靭帯肥厚のメカニズムはよくわかっていません。本研究では主に手術中にとられた黄色靭帯を用いて、その遺伝子発現を網羅的に解析し、そのメカニズム解析を進めています。腰部脊柱管狭窄症に対する外科的治療は確立されていますが、これらの研究によって、より画期的な保存療法が開発されるかもしれません。

黄色靭帯肥厚のメカニズム解明

髄腔におけるMg合金製骨固定インプラントの分解機序の解明

長管骨の骨折治療に用いる機器を溶解させることで金属の抜去手術を不要にすることを目標に、Mg合金を用いた髄内釘開発について研究を行なっています。
熊本大学、岡山理科大学、ベンチャー企業(チャーリーラボ株式会社)とともに、Mg合金の分解機序、骨折に与える影響、さらにはインプラントデザインの開発などに取り組んでいます。

髄腔におけるMg合金製骨固定インプラントの分解機序の解明

手根管症候群の画像解析

愛光整形外科との共同研究で、3次元MRIの開発を行っています。本手法は、患者様にとってもわかりやすく、現在、その有用性について検討しています。

手根管症候群の画像解析

変形性関節症のバイオマーカーの同定

当科では変形性関節症の早期診断を目的に、軟骨のバイオマーカー研究が盛んに行われています。現在は当院のバイオバンクを利用して、変形性手指関節症の患者様を対象とした研究を進めています。

変形性関節症のバイオマーカーの同定

人工股関節置換術の術前術後の歩行解析

当大学リハビリテーション医学Ⅰとの共同研究で、変形性股関節症の患者様の術前や術後の歩行解析研究を行っています。今後は更にロコモティブシンドロームやフレイル、サルコペニアなどの老化研究も取り入れていく予定です。

人工股関節置換術の術前術後の歩行解析