研究
・本部門では、本学において、もしくは他機関と連携し認知症ならびに老年病の研究を行っています。
- ①認知症の早期診断技法の開発・研究
- ②認知症早期からの適切なケアの提供に関する研究
- ③認知症にかかわる多職種地域連携の成立に関する研究
- ④老年症候群およびフレイル・サルコペニア予防に関する研究
- ⑤超高齢社会を持続可能な社会にするための研究
- ⑥記憶の基礎過程に関する研究
主なテーマは以下の通りです。
④老年症候群およびフレイル・サルコペニア予防に関する研究
老年症候群は、めまい、腰痛、歩行障害、排尿障害などからなる加齢とともに出現する症状で古くから記載されている。超高齢社会を迎え、新たに定義されるようになったフレイル・サルコペニアなどとともに古くて新しい課題として研究を行うことが求められている。これらの症状は、健康寿命の延伸にもつながり、逆に、入院の長期化、医療・介護保険財政への圧迫などとも関連することから、テーマ⑤ともあわせて研究を行う必要がある。また、フレイルにおいては、主として身体的なフレイルが操作的に定義されるが、精神心理的なフレイルをどのように定義し、それが何を予測するのか、どのような意義を持つのか、検討が不十分である。本グループでは、認知症の研究とあわせ、これらの点を追求していく。
文献
1) Takechi H, Tsuzuki A, Matsumoto K, Fukui A, KawakitaH, Yoshino H, Kanada Y. Differences in the frequency of subjective geriatric complaints along with aging and their associations with physical function, multimorbidity, and mood: a cross-sectional study. PLoS One. 2022 Feb 11;17(2):e0263889. doi: 10.1371/journal.pone.0263889. eCollection 2022.
2) 武地 一 【フレイルと認知症 健康寿命の延伸に向けた心と体】 セミナー フレイル・認知症への対応に必要な具体的知識とその活用 精神心理的フレイルとして重要な軽度認知障害(MCI) Medical Practice (0910-1551)33巻8号 Page1215-1219(2016.08)
3) 武地 一【超高齢社会におけるフレイルの意義を考える】 フレイルへの介入 精神心理的フレイルへの介入 Modern Physician (0913-7963)35巻7号 Page891-894(2015.07)
4) 武地 一【サルコペニアとフレイル-臨床と研究の最前線-】 認知症とフレイル Geriatric Medicine52巻4号 Page373-376(2014.04)
5) Dodge H, Kita Y, Takechi H, Hayakawa T, Ganguli M, Ueshima H. Healthy cognitive aging and leisure activities among the oldest old in Japan: Takashima study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 63:1193-200, 2008.
なお、本テーマにおいて、現在、以下の臨床研究を行っています。
研究課題「フレイルおよび老年期症状が要介護に至る経過に与える影響に関する研究」
情報通知文書 豊明市フレイル研究 01