藤田医科大学病院総合消化器外科

ダヴィンチ da Vinci

ダ ヴィンチは内視鏡手術の支援ロボットであり、通常の内視鏡手術を安全に精度を高くするツールのひとつです。支援ロボットとしてダ ヴィンチには次のような特徴があります。
・正確な3D画像下での操作が可能
・自由な関節機能を持った医療器具が使用可能
・手ブレが防止できる
・拡大画像での手術が可能

上記のような特徴をもつダ ヴィンチを用いた手術では精度や安全性が高い手術が提供できますが、現段階ではランニングコストがかかってしまうという面もあります。

ダヴィンチを用いた手術に内視鏡手術の経験は必要ないとの意見もありますが、内視鏡手術は独特な解剖や見え方があるため、十分な経験がある人が行うことが望ましいと考えられます。また拡大画像の中で少しずつ進めていく手術になるため、性格的にイライラしない外科医が行うことが望ましいでしょう。

2009年にda Vinciの最新モデルであるda Vinci Si が登場しました。da VInci Si はカメラが従来機のハイビジョン画質からフルハイビジョンになり高画質化しています。タッチパネルでカメラの明るさの変更などのあらゆる操作が可能になり、また、ふたりで同時に手術を行うことが可能になりました。操作性や教育上においてダヴィンチSiは旧型のSタイプより改良されています。

ダヴィンチトレーニングセンター

ダ ヴィンチのトレーニングをするための施設を独自で作れば各自でトレーニングをすることはできますが、ダヴィンチの製造元であるIntuitive Surgical,inc.の認定を受けた正式なトレーニングを受けることができるのは世界に20数カ所しかありません。日本では藤田医科大学と東京医療センターの2ヶ所となっています。

ダ ヴィンチの正式なトレーニングはダ ヴィンチを買った人しか受けることができません。ダ ヴィンチを購入し、納品されるとまずはインターネット上でのトレーニングを受けることになります。その後自分で購入したダ ヴィンチを用いて4〜5時間のトレーニングを受け、その後にアニマルトレーニングをするというのがダヴィンチトレーニングの大きな流れとなります。

◆アニマルトレーニング

アニマルトレーニングを受講するにはインターネットでビデオ学習などを受けてその後試験に合格する必要があります。合格後は原則外科医2名でサージョンコンソールとペイシェントカートを1日ずつ 2日間交代で受けることになります。

◆手術見学

ダヴィンチの製造元であるIntuitive Surgical, inc. が認定した手術見学施設での手術見学が義務付けられています。

このアニマルトレーニングは疾患に特化したものではなく、ダ ヴィンチ自体の使い方についてのものです。そのためトレーニングの指導は医師ではなくIntuitive Surgical, inc. からトレーニングを受けた企業の方が行いま す。

アニマルトレーニング

トレーニング内容としてはまず、朝企業の方から機械の扱い方のレクチャーを受けます。次にブタを使ったアニマルトレーニングを行います。このトレーニングは専門領域によってトレーニング内容が異なります。各領域ごとのトレーニングを行った次の日は術者と助手が交代して同じようにトレーニングを行います。

トレーニングセンターの今後について

現在、当トレーニングセンターはダ ヴィンチユーザーがIntuitive Surgical, inc.によって義務付けられたトレーニングを行うための施設となっています。 そのため胃がんや大腸がんなどの疾患に特化したトレーニングを行なっているわけではありません。ダ ヴィンチの機能や操作方法を理解して安全に臨床応用するためのきっかけを作るための場となっています。今後は操作方法などは十分習得していてある程度臨床や手術も経験された先生方が疾患に特化したトレーニングを行い更にステップアップできるようになるための場を提供することを目標としています。
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