1. 歩行解析
◆概要
脳卒中患者や変形性膝関節症などの整形外科疾患患者、健常成人などを対象に歩行解析をすることで治療効果の判定や疾患別の歩行の特徴について検討しています。
◆主な使用機器
・シート式下肢加重計 ウォークWay MW-1000(アニマ株式会社製)
・KinemaTracer(キッセイコムテック株式会社製)
◆最近の研究例
「変形性膝関節症患者と健常成人における足底圧中心軌跡の比較
」
(第38回 臨床歩行分析研究会定例会)
2. 痙縮評価・治療
◆概要
当院では2012年より慢性期脳卒中片麻痺患者や脊髄損傷患者、脳性麻痺患者の上下肢痙縮に対してボツリヌス毒素注射を実施しています。
◆主な評価項目
・Modified Ashworth Scale
・Range of motion
・裸足快適歩行速度、歩幅、立脚時間
ウォークWayを用いて足底接地面積や足圧中心軌跡の変化についても検討中です。
◆最近の研究例
「前・後脛骨筋へのA型ボツリヌス毒素注射によって内反接地が改善した1例
」
(第8回 ニューロリハビリテーション学会)
3. 心臓リハビリテーション
◆概要
高齢社会の到来に伴い、心臓リハビリテーションの重要性が増しています。当院では高齢患者の急性期リハビリテーション医療に対する新たな介入方策の提示を目的として実態調査を進めています。
これまでに高齢患者の入院日数や栄養状態が再入院予測因子となることや、フレイル患者に対するレジスタンストレーニングの重要性を示唆するデータを提示しました。
今後は高齢患者の病態と身体機能の関係をさらに明らかにし、リハビリテーション管理方策を提示していきます。
4. 摂食嚥下リハビリテーション
・嚥下機能を評価•診断するには、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査を行います。
・嚥下内視鏡検査は鼻咽喉ファイバーを用いて嚥下諸器官、食塊の動きなどを評価するものです。嚥下造影検査はX線透視下で造影剤入りの食塊を嚥下して嚥下諸器官、食塊の動きを評価します。これら2つの検査でおおよその病態が把握できます。しかし嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査では嚥下障害の原因や神経生理学的側面を評価するには必ずしも十分ではありません。
・当院では嚥下障害の原因や神経生理学的側面の評価ができる嚥下マノメトリーも行っています。嚥下マノメトリーとは、鼻腔から細いカテーテルを挿入し嚥下時の咽頭や食道内の圧力を計測するものです。計測結果をもとに適切な摂食嚥下リハビリテーションの選択に活かしています。
・嚥下障害班では、嚥下障害患者のデータを分析し波形解析や嚥下造影検査との関連を研究しています。
・当院は高齢患者が多く、肺炎や心疾患を中心に嚥下スクリーニングを実施しており、実際の嚥下障害や治療成績と関連したデータ蓄積・解析を行っています。これらの結果をもとに嚥下障害の早期発見・治療成績の向上に努めていきます。