藤田医科大学 感染症科フェローシップ・プログラム
当科は2018年4月に開設されました。全国最大規模の大学病院ならではの感染症診療、そして医学部微生物学講座とのコラボレーションによるトランスレーショナルな感染症研究が大きな特長です。人口の高齢化、社会の国際化、医療の高度化に伴い、感染症をいかにコントロールしていくかは喫緊の課題となっています。そして微生物学も、微生物そのものの基礎研究に留まらず、感染症の予防・診断・治療技術の向上に寄与できる応用研究を展開することが求められる時代になっています。このような環境の変化、社会からの要請に応えるべく、教育、研究、診療、医療の質の各面に当科と医学部微生物学講座が一体となって取り組んでいます。
フェローシップ開始時の感染症に関する知識および経験の有無は一切問いません。ともに学び、成長していける仲間を募集しています。
【対象】
卒後6年目以上の医師:基本領域専門医取得後の感染症科にフィックスした研修で、感染症の専門家として必要な要素を身につけ、感染症専門医の取得を目指します。2-4年間のカリキュラム制です。
このフェローシッププログラムの大きな特長は、全国最大規模の大学病院ならではの感染症診療、そして医学部微生物学講座とのコラボレーションによるトランスレーショナルな感染症研究です。
【指導医】
土井 洋平、
本田 仁、
大藪 竜昇、
花井 翔悟、
川本 雄也
https://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/member/infect.html
- 感染症コンサルテーション
当院の感染症研修は、感染症コンサルテーション(主科との併診、新型コロナウイルス感染症を含む)として行いますが、常に主科と同じ心構えで診療しています。医療関連感染症のほか、臓器移植 (肺・肝・腎移植)や骨髄移植に関連する感染症、整形外科領域の感染症などが多数経験できます。さらに大学病院でありながら地域救急医療の要でもあることから、重症市中感染症(感染性心内膜炎、壊死性筋膜炎、細菌性髄膜炎など)や集中治療を要する感染症も多く、多彩な経験を積むことができます。輸入感染症やHIV感染症は症例が少ないため、この分野における研修は応相談としております。
- 医療関連感染症対策・抗菌薬適正使用
1376床の大規模病院で行われる医療関連感染症対策と抗菌薬適正使用プログラム運営を修得することができます。これらの分野での感染症専門医の役割は今後ますます重要になっていくため、研修プログラム中に一定期間の専門研修が提供されます。感染対策は医療安全の部門と共に活動しており、国際的な認証であるJoint Commission Internationalの認証を病院として取得しています。病院のルール決定や、感染対策および医療安全の観点から学ぶべきことが多い現場であり、フェローシップ中に経験することは有意義です。 - 基礎研究
当科と一体的に運営されている医学部微生物学講座ではグラム陰性桿菌の基礎研究、臨床微生物学・検査医学に関する各種研究を行なっており、基礎研究・トランスレーショナル研究に取り組む機会が豊富にあります。薬剤耐性に関する重要な研究課題を扱うことで、抗菌薬適正使用や薬剤耐性対策に間接的に関わることにもなります。
臨床の時間も確保しながら、将来的にこの分野でキャリア形成してphysician scientistを目指す先生方にはとてもマッチしたプログラムです。フルタイムの大学院生、あるいは臨床と兼務の社会人大学院生として在籍することもできます。詳しい研究内容に関しては、ホームページ内の業績をご覧ください。
https://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/publication/index.html - 臨床研究
微生物検査、病院疫学(感染対策や抗菌薬適正使用のデータを用いての臨床研究や特定の感染症の疫学研究)、systematic review and meta-analysis、臨床感染症学と直結した臨床研究の実績があります。当科の臨床研究ではHands-onで論文執筆に至るようなリサーチプロジェクトを臨床研究指導医とともに進めながら、臨床研究に必要なスキル (疫学や生物統計学の初歩)を習得できます。また当科のもう一つの特徴として国際共同を含む様々な臨床試験にも参画しており、クリニカルトライアルの現場での業務を経験することが可能です。臨床に即した研究を行いたい人にもおすすめのプログラムです。詳しい研究内容に関しては、ホームページ内の業績をご覧ください。
https://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/publication/index.html
【感染症科フェローシップ・プログラムの具体的内容】
2024年度診療実績: | |
診療コンサルト対応 | 810 件 |
外来患者数(ワクチン外来、コンサルトのフォロー、外来感染症患者を含む) | 286 名 |
【その他の情報】
社会生活
愛知県豊明市にある大学病院までは名古屋駅から電車とバスで約45分程度です。緑豊かで広大なキャンパスをもち、近くには有名な桶狭間古戦場があります。大学病院近隣に居住する方もいれば、名古屋市内に居住して車や公共交通機関で通勤されている方もいます。
給与
常勤職員として大学病院から給与・賞与が支給されるほか、福利厚生や社会保険も全て付与されます。多くの大学病院と同じく、週1回の外勤が認められています。
勤務時間
コンサルトへの対応が主な業務であるため、男女問わず比較的定時(8:45-17:00)で業務を終了する、または事前に勤務時間や日数を相談した上での勤務が可能です。実際しに子育てなどで時短勤務を行っているスタッフもおります。男女問わず子育て中の医師への門戸も広げ、メンバーでカバーし合って業務を進めています。当直は、救急外来研修医の内科系指導医として年4-5回程度担当します。
【お問い合わせ】
当院プログラムに関するご質問等は下記にお願いします。感染症科フェローや当科感染症フェローシッププログラムを修了して間もない若手指導医から直接現状を聞いていただくこともできますので、ぜひお問い合わせください。
みなさまのご応募お待ちしております。