◆ 遺伝カウンセリング国内の状況
近年のゲノム解析技術の進歩により、多くの遺伝性疾患において原因遺伝子が解明され、遺伝医学が急速に発展しています。平成14年度には日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会によって臨床遺伝専門医の認定制度が発足し遺伝カウンセリングを行なってきました。しかし、遺伝医学情報の提供のみならず、クライエントに寄り添って意思決定の支援や心理的なサポートをするためには、医師とは独立した専門職の遺伝カウンセラーを養成することが必要となってきました。そこで厚生労働省研究班、日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会によって、認定遺伝カウンセラー制度の導入の検討がされ、平成17年度から認定遺伝カウンセラー制度委員会の実施する認定遺伝カウンセラー認定試験による認定制度が開始されました。令和3年4月までに289名の認定遺伝カウンセラーが認定されています。大学院修士課程におかれる認定遺伝カウンセラー養成課程の修了者に受験資格が与えられる制度になっています。藤田医科大学大学院保健学研究科では平成26年度に全国で11番目の認定遺伝カウンセラー養成課程が開設されました。