学園月報ふじた第64号原稿 


「FES コンピューターで麻痺を克服する」

皆さんは、FES(Functional Electrical Stimulation 機能的電気刺激法)を御存じでしょうか。

脊髄損傷や脳卒中で麻痺した手足に電極を埋め込み、コンピューターでコントロールした電気刺激で筋肉を動かし機能を再建するサイボーグのような技術です。世界では、このFESを用いての脊髄損傷の起立歩行や手指機能の再建が行なわれ注目を集めています。

リハビリテーション部でも、1996年から脳神経外科、ケースウエスタン大学、秋田大学と協力して最新のFES治療を導入してきました。現在のFESは、まだ特定の機能を再建できるのみで万能とはいえません。しかし、コンピューターテクノロジーの進歩によりロボットによる二足歩行が可能となった現在、FESにより麻痺した手足を自由にコントロールし、より柔軟な機能再建が可能となる時代が直に訪れるでしょう。

私達は、最新技術を駆使して昨日まで不可能であったことを今日は可能にするよう努力します。

藤田保健衛生大学病院 リハビリテーション部
理学療法士 係長  寺西 利生

(掲載時の原稿を一部修正してあります)

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2001.1. 6 Tsuzuki