学園月報ふじた第63号原稿 


「歩行再建 〜対麻痺患者さんも歩きたい〜」

常磐貴子が演じる車椅子女性の生活上の問題や障害者の意識・恋愛を綴ったテレビドラマ『ビューティフル・ライフ』を見ましたか。この中で『私だってもう一度歩きたい』と涙して訴える印象的な場面がありました。原作者は、両下肢麻痺(対麻痺)の方々に取材して、多くの人が歩きたいという強い希望を持っていることを知り、どうしても台詞にしたかったそうです。

現在、対麻痺者の移動手段は専ら車椅子ですが、段差や階段により移動範囲は限られ、また長時間の座位は様々な身体上の弊害を引き起こします。そこで、私たちは、通常のリハビリプログラムに加え、対麻痺者用に最新の歩行装具(プライムウオーク)を開発し、立位・歩行練習を行っています。体験した患者さんは、車椅子とは違い視線が高くなり、気分も晴れやかになるといいます。

諦めるばかりのリハビリではなく、対麻痺の方が歩いて社会復帰できるような手段の開発を続けています。

藤田保健衛生大学病院 リハビリテーション部
理学療法士  都築 晃

(掲載時の原稿を一部修正してあります)

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2000.12. 6 Tsuzuki