藤田保健衛生大学精神科

特殊診療 リエゾン精神医学部門

この診療のかかり方

担当者 内藤宏

担がん患者さんの緩和ケアをはじめとする、メンタルケアの重要度の高い病棟・外来で、患者様を影で支える精神科の一部門です。精神科の受診希望・依頼に応じた診察という形ではなく、主に患者さんの心理・社会面・倫理面について、身体科の治療チームの一員として参加しています。

どのような患者さんを対象にしているか

がん患者さんおよびそのご家族と、腎臓移植、肝臓移植、骨髄移植を受けられる患者さんと臓器提供をされるご家族。その他、一般身体科での入院・外来診療中にメンタルケアを必用とされる患者さん。

どのような診療をするか

がん治療に関しては、緩和ケアチームの一員としてがんのこころの専門家として活動しています。臓器移植に関しては、泌尿器科病棟、小児外科病棟、肝脾外科病棟、血液・化学療法科病棟に、あらかじめ各病棟を担当する臨床心理士が配置されており、移植医療の開始時からメンタルケアが円滑に行われるような仕組みを整備し運用しております。

例えるならば、依頼に応じる精神科診療が火災時の消防士の消火活動とすると、リエゾン精神医学部門の活動は、臨床心理士を窓口とする精神科のチームが消防検査官の様にパトロールし、火災を予防することです。具体的には、入院時に患者さんの心理・社会面・倫理面の評価が治療チームで検討され、必要が有れば担当の臨床心理士の介入をはじめとする様々な形でのメンタルケアが導入されます。

また、心理検査による客観的指標に従い、身体科の病棟治療チーム内での対応か、精神科専門医療を紹介するかを判断しております。

一般診療科の診療に関しては、体の病気を患っている患者さんの20-30%にうつ状態がみられるという報告や、体の症状で一般科を訪れた患者さんの10%がうつ病であったという報告がございます。そこで、メンタルケアに関する技術向上を図るため、一般診療科での医療スタッフを対象とした、多職種参加形式の研究会を定期的に開催しております。

治療上の問題点

突然、臨床心理士という耳慣れない肩書きの病院スタッフが、入院中に面談させていただくことがあります。もちろんプライバシーには十分配慮した対応をさせていただきます。

セールスポイント

こころと身体を統合した診療の実践こそが、患者様のより良い治療に繋がると信じ、今後も一般身体診療を影で支えさせていただきます。直接皆様の目に触れることは少ないとは思いますが、よろしく御願いします。

年間実績

  • 緩和ケアチーム 年間約100件
  • 腎臓・肝臓・骨髄移植 年間約70件
  • リエゾン会議 毎週月曜日開催
  • メンタルケアに関する院内研究会(プライマリーケアにおける抑うつ研究会)年3回開催
  • 藤田医科大学病院緩和ケア研修会:年3回開催