薬理/研究紹介
当チームは、岩田教授のご指導のもと、岸教授を始めとするスタッフ3名に、研究補助員2名が所属しております。
当チームでは、精神疾患(統合失調症、気分障害など)や認知症の患者さんを対象に、薬物治療に関する介入研究、カルテ調査や疫学調査などの臨床研究を行っております。
我々は、統合失調症の薬物治療ガイドラインの作成委員であり、また、様々な精神疾患の治療ガイドラインの作成に用いられる「系統的レビューとメタ解析」論文も精力的に発表しています。
- 治療的介入試験
- *対象となる患者さんには、試験の説明させて頂くことがございます。
- *もし研究に参加されなくても、診療上、患者さんが不利益を被ることはございません。
- *参加後に同意を撤回することも可能です。
- *研究結果は研究論文や学会発表する予定です。なお、発表内容に患者さん個人を特定できる情報は一切含まれません。
- ・研究課題「精神病性障害患者に対する食事指導と歩行運動療法の有用性の検討:オープンラベル試験」
研究の内容(pdf書類) - ・研究課題「不眠を伴う精神疾患患者に対するスボレキサントの有用性の検討:オープンラベル試験」
研究の内容(pdf書類) - ・研究課題「不眠を伴う精神疾患患者に対するレンボレキサントの有用性の検討:オープンラベル試験」
研究の内容(PDF書類) - 系統的レビューとメタ解析
- 診療録を利用した後方視的研究
- ・研究課題「抗精神病薬持効性薬への切替が受診状況及び併用向精神薬投与に与える影響の検討」
研究の内容(pdf書類) - ・研究課題「当院で入院加療した悪性症候群患者に関するカルテ調査」
研究の内容(pdf書類) - ・研究課題:「日本における新型コロナウイルス感染症流行下での自殺未遂者の背景因子の分析研究2」
研究の内容(pdf書類) - 神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)
- 精神科薬物療法の出口戦略の実践に資するDecision Aid (治療選択の手引き) の開発
- supplemental data
本研究は、患者さんにご協力を頂き、注目する治療方法の有効性や安全性について評価することを目的とした試験です。
メタ解析とは、これまでに報告された複数の研究結果を統計学的に再統合することにより、1つ1つの研究結果より信頼度の高い研究結果を導き出す解析手法のことで、科学的に最も信頼度の高い研究手法と位置付けられています。メタ解析による研究結果は、精神疾患のみならず、様々な疾患の診療ガイドラインの作成に用いられます。
本研究は、通常の診療で得られた患者さんの過去の診療録の情報をもとに、これまで行われてきた診療内容や経過を後方視的に検討します。
*研究結果は研究論文や学会発表する予定です。なお、発表内容に患者さん個人を特定できる情報は一切含まれません。
これらの研究結果は、英文論文として発表されますので、日本のみならず、世界中の精神疾患の患者さんや診療に当たる医療従事者に役に立つものと考えております。これまで、我々が、多数の論文を発表し、様々な研究を進めることができたのは、患者さんやご家族の格別のご理解とご協力の賜物であり、厚く御礼申し上げます。今後とも、我々の研究にご理解とご協力を頂けますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
本研究は、精神科医に対して診療ガイドライン(統合失調症薬物治療ガイドラインとうつ病ガイドライン)の使用方法についての講習を行い、その結果ガイドラインに記載されている推奨される治療方法が臨床にどの程度実践されるのかを検証する研究です。
本研究は、大阪大学(親機関)や杏林大学、東京女子医科大学など30施設以上の医療機関との共同研究です。
*研究結果は論文や学会で発表をする予定です。なお、発表内容に患者さん個人を特定できる情報は一切含まれません。 研究内容(pdf書類)
本研究は、多剤・長期処方が社会問題となっている精神科薬物療法に焦点をあて、 『安全な長期維持療法を続けるか、あるいは減量・中止を試みるか、ご本人と医 療者と一緒に話し合いながら決める』ためのツールを、治療を受けているご本人 の意見と取り入れながら開発することを目的としています。
研究内容(pdf書類)
論文名
Melatonin receptor agonists—ramelteon and
melatonin—orbipolar disorder: a systematic review and
meta-analyses ofdouble-blind, randomized, placebo-controlled trials
雑誌名
Neuropsychiatric Disease and Treatment
supplemental data
Supplementary Figure 1 and 2.pdf
Supplementary Table 1. PRISMA Checklist.pdf
研究名:Maintenance medication for bipolar disorder
研究プロトコル:Study protocol
業績
英語論文
2023年度
- ・Kishi T, Ikuta T, Sakuma K, Hatano M, Matsuda Y, Kito S, Iwata N. Repetitive transcranial magnetic stimulation for bipolar depression: a systematic review and pairwise and network meta-analysis. Mol Psychiatry. 2024 Jan;29(1):39-42.
- ・Kishi T, Sakuma K, Hatano M, Okuya M, Iwata N. Early relapse after antidepressant discontinuation may represent antidepressant discontinuation syndrome in major depressive disorder: A meta-analysis. Asian J Psychiatr. 2023 Apr;82:103502.
- ・Kishi T, Iwama Y, Sasagawa Y, Hiraoka S, Kamei A, Iwata N. Asenapine add-on treatment for schizophrenia adults who received antipsychotics: A 52-week, open-label study. Psychiatry Clin Neurosci. 2023 Jun;77(6):365-366.
- ・Kishi T, Sakuma K, Hatano M, Matsuda Y, Esumi S, Miyake N, Miura I, Hori H, Kato M, Iwata N. Newer antidepressant for Japanese adults with major depressive disorder: A systematic review and meta-analysis. Neuropsychopharmacol Rep. 2024 Mar;44(1):216-220.
- ・Kishi T, Sakuma K, Miura G, Ito Y, Yamamoto M, Hirabayashi Y, Iwata N. Alpha Lipoic Acid for Schizophrenia: A Systematic Review and Meta-analysis. J Clin Psychopharmacol. 2023 Sep-Oct 01;43(5):477-478.
- ・Kishi T, Ikuta T, Sakuma K, Hatano M, Matsuda Y, Esumi S, Miyake N, Miura I, Kato M, Iwata N. Safety profile of antidepressant for Japanese adults with major depressive disorder: A systematic review and network meta-analysis. Psychiatry Clin Neurosci. 2024 Feb;78(2):142-144.
- ・Kishi T, Sakuma K, Matsuda Y, Kito S, Iwata N. Intermittent theta burst stimulation vs. high-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation for major depressive disorder: A systematic review and meta-analysis. Psychiatry Res. 2023 Oct;328:115452.
- ・Kishi T, Sakuma K, Iwata N. Valbenazine for tardive dyskinesia: a systematic review and network meta-analysis. Int Clin Psychopharmacol. 2023 Nov 1;38(6):369-374.
- ・Kishi T, Sakuma K, Hatano M, Okumura T, Kato M, Baba H, Iwata N. Antidepressants available in Japan for older people with major depressive disorder: A systematic review and meta-analysis. Neuropsychopharmacol Rep. 2024 Mar;44(1):267-271.
- ・Kishi T, Sakuma K, Saito T, Nakagawa A, Kato M, Iwata N. Comparison of brexpiprazole, aripiprazole, and placebo for Japanese major depressive disorder: A systematic review and network meta-analysis. Neuropsychopharmacol Rep. 2024 Mar;44(1):165-175.
- ・Kishi T, Citrome L, Sakuma K, Iwata N. A comparison of recurrence rates after discontinuation of second-generation antipsychotic long-acting injectable versus corresponding oral antipsychotic in the maintenance treatment of bipolar disorder: A systematic review. Psychiatry Res. 2024 Mar;333:115761.
- ・Sakuma K, Kishi T, Sanji S, Nomura I, Hatano M, Okuya M, Iwata N. Phosphodiesterase type 5 inhibitors for the treatment of sexual dysfunction in males with major depressive disorder: A systematic review and meta-analysis. Psychiatry Clin Neurosci. 2023 May;77(5):297-299.
- ・Hamanaka S, Kishi T, Sakuma K, Nishii Y, Hatano M, Iwata N. Serotonin 3 receptor antagonists for obsessive-compulsive disorder: A systematic review and pairwise meta-analysis. J Psychiatr Res. 2023 Nov;167:132-138.
2024年度
- ・Kishi T, Citrome L, Sakuma K, Hamanaka S, Nishii Y, Iwata N. Acceptability of antipsychotic transdermal patch for acute schizophrenia: a systematic review and meta-analysis. Psychiatry Clin Neurosci. 2024 Apr;78(4):260-262.
- ・Kishi T, Sakuma K, Hamanaka S, Nishii Y, Iwata N. Discontinuation Rate of Lurasidone and Quetiapine Extended Release in Bipolar Depression. Pharmacopsychiatry. 2024 in press
- ・Kishi T, Ikuta T, Sakuma K, Hatano M, Matsuda Y, Wilkening J, Goya-Maldonado R, Tik M, Williams NR, Kito S, Iwata N. Theta burst stimulation for depression: a systematic review and network and pairwise meta-analysis. Mol Psychiatry. 2024 in press
- ・Kishi T, Iwata N, Irie H, Aikawa M. Post-marketing surveillance of quetiapine fumarate extended-release tablets in patients with bipolar depression. Neuropsychopharmacol Rep. 2024 Jun;44(2):424-436.
競争的研究費
2023年度
- ・資金制度名:日本医療研究開発機構 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)
研究開発課題名:「双極性障害うつ病に対するAccelerated intermittent Theta Burst Stimulationの有用性の検討:二重盲検ランダム化シャム比較試験」のプロトコル開発
研究代表者:岸太郎
研究分担者:佐久間健二
- ・資金制度名:科学研究費基金・基盤研究(C)
研究開発課題名:日本人統合失調症患者の再発に関する大規模前向き観察研究
研究代表者:岸太郎 - ・資金制度名:厚生労働科学研究費(厚生労働省研究事業)
研究開発課題名:大規模疫学研究データと診療報酬明細書(レセプト)データを用いた一般住民における入院外統合失調症及び統合失調症関連障害の有病率推定方法の開発
研究分担者:岸太郎 - ・資金制度名:日本医療研究開発機構 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)
研究開発課題名:電気けいれん療法で臨床的に安定した、抗うつ薬治療抵抗性の大うつ病性障害患者に対する外来維持反復経頭蓋磁気刺激療法の再燃予防効果:二重盲検ランダム化シャム比較試験
研究代表者:佐久間健二
研究分担者:岸太郎 - ・資金制度名:科学研究費基金・基盤研究(C)
研究開発課題名:維持期うつ病に対する様々な治療方法の有用性の検討:ネットワークメタ解析
研究代表者:佐久間健二
研究分担者:岸太郎
2024年度
- ・資金制度名:日本医療研究開発機構 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)
研究開発課題名:薬物治療抵抗性双極症うつ病に対するaccelerated intermittent theta burst stimulationの有用性: 二重盲検ランダム化シャム比較試験
研究代表者:岸太郎
研究分担者:佐久間健二 - ・資金制度名:科学研究費基金・基盤研究(C)
研究開発課題名:日本人統合失調症患者の再発に関する大規模前向き観察研究
研究代表者:岸太郎 - ・資金制度名:日本医療研究開発機構 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)
研究開発課題名:電気けいれん療法で臨床的に安定した、抗うつ薬治療抵抗性の大うつ病性障害患者に対する外来維持反復経頭蓋磁気刺激療法の再燃予防効果:二重盲検ランダム化シャム比較試験
研究代表者:佐久間健二
研究分担者:岸太郎 - ・資金制度名:科学研究費基金・基盤研究(C)
研究開発課題名:維持期うつ病に対する様々な治療方法の有用性の検討:ネットワークメタ解析
研究代表者:佐久間健二
研究分担者:岸太郎