主任教授より
活動の医学で世界に貢献
この半世紀あまりの間に人類は、30年以上も寿命を延伸しています。そのなかで、歩く、食べる、考えるなど人の基本的な営みである「活動」の障害に直面しています。これまで人類が経験したことのないこの新しい課題に対してどのような解決策を示すことができるのか、大きな命題が医学に提示されています。単なる長命ではなく長寿をどう実現するのか。病理と社会の間にある活動を視座とするリハビリテーション医学は「活動の医学」として、この問題に真正面からこの取り組み、挑戦をしています。
藤田医科大学には多数のリハビリテーション関連部門があります。I講座の他に、独立した講座として七栗記念病院にあるII講座、そしてリハビリテーション学科、2つの寄付講座、各付属病院のリハビリテーション部門、地域包括ケア中核センター、ロボティックスマートホーム・活動支援機器研究実証センター(RSH・AATセンター)などです。病院から地域まで、超急性期から生活期まで全てのステージをカバーし、スタッフは総勢650名を超える大きな組織です。国際交流も盛んです。毎年、多数の研究者や臨床家が海外から訪れます。世界的にみても類のないこの恵まれた環境を生かし発展させ、患者さん、地域、日本、そして世界に貢献したいと考えています。
超高齢社会のなか暗くなりがちな社会において、リハビリテーション医学には、社会を明るくする力があると信じています。参官学連携を積極的に図り、この分野が成長・発展することは、社会を明るくすることにつながると考えています。リハビリテーション医学を通じて明るい世界作りに貢献する、これが基本的な姿勢です。そして、優れたリハビリテーション医療人を育成し、未来につなげていくことが使命と考えています。
藤田医科大学医学部
リハビリテーション医学I講座
主任教授 大高洋平