耳の疾患めまい
当科におけるめまい外来診療について
めまいやふらつきは一度の診察では正確な診断をすることが難しい場合も多く、経過中に正しい診断に至ることも珍しくありません。また、治療法に関しても薬物治療、手術、リハビリテーションなど多くの選択肢があります。
めまい診療の流れ
1.問診
問診は診断において最も重要なプロセスです。
- いつ生じたか
- 頭の向きを変えた時、かがんだ時、立ち上がろうとした時、横になった時、歩いている時など
- どのようなめまいか
- ぐるぐる目が回る、ふわふわ宙に浮いている感じ、まっすぐ歩くことができないなど
- どのように経過したか
- 数秒から数分でおさまった、数日続いているなど
- 随伴症状
- 耳鳴り、難聴、手足のしびれや呂律障害、頭痛など
症状、めまいの持続時間や回数、きっかけとなった動作、その他の症状などを患者さんから注意深く問診し、疾患の鑑別診断をすすめていきます。
2.検査
めまい外来で行っている検査は主に下の3つがあります。
- 眼振検査
- 赤外線CCDカメラを用いて行います。座った状態での目の動きや、寝たり起きたりした時に頭の向きを変えて異常な目の動きが現れないか詳細に観察します。(写真1)
- 重心動揺検査
- 立った状態でからだの重心の動きを記録しバランスの状態を正確に測定します。(写真2)
- 温度刺激検査
- 冷水を耳内に注入し、めまいを誘発し、赤外線CCDカメラで目の動きを観察することで外側半規管の機能検査を行います。
必要に応じ、聴力検査や血圧の測定、頭蓋内のMRI検査なども行っています。
写真1:眼振検査
写真2:重心動揺検査