学園月報ふじた第61号原稿 


「リハビリ看護の新潮流」

リハビリ医療はその治療目標を生活に当てています。ですから病棟生活は治療そのものであり、看護の役割は極めて重要です。けれども訓練室では「学習者」として頑張っている患者さんも病棟では受け身の「患者」に戻ってしまいがちです。

しかし、訓練室での訓練は一日僅か2〜3時間です。また、課題が訓練室でできても実生活でできなければ意味がありません。そこで、まず「ベッドから離れる」ことから始め、他職種と情報を共有しながら、できる範囲での課題を実践してもらい、それを確実に定着させることに取り組んでいます。

リハビリ病棟は訓練の応用の場でありまたそれを定着させる場でもあるのです。勿論、患者さんのやる気をサポートしたり息抜きをアシストすることも忘れてはなりません。更に、家族など介護に当たる人達への援助も必要です。実生活場面を通しての介護指導はリハビリ看護ならではの仕事です。

12月に完成するリハビリ新病棟は訓練室を備えた極めてユニークなシステムです。私たちリハビリ看護はわが国のリハビリ看護の新しいモデルとなるべく研鑽に努めています。

七栗サナトリウム 看護長
川北 美奈子

(掲載時の原稿を一部修正してあります)

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2000.11.2 Tsuzuki