56回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会学術集会

ならびに専門医・認定臨床医生涯教育研修会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日 時

2025 21日(土)

 

 

会 場

名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール

名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

 

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

事務局:藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座内

 


 

 

 

学術集会

 

般演題 9:30 - 11:55

 

 

座長 鈴鹿回生病院 福田亜紀

 

1.低身長変形性股関節症患者に対して施行された人工股関節全置換術後の経過

1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部

2名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻運動・形態外科学

2竹上靖彦,1内田翔大,1野尻周佑,2飯田浩貴,2大澤郁介

 

【目的】軟骨無形成症(ACH)や脊椎骨端異形成症などの骨系統疾患に対するTHA術後2例に対するリハビリテーションについて報告を行う.【症例1】症例は68歳女性,113.7㎝,31.8kg.入院前ADLT字杖歩行.脱臼肢位を回避できるよう考慮した階段昇降練習を開始し,安全に階段昇降可能となり24日目に自宅退院した.【症例2】症例は56歳女性.128㎝,48㎏.脊椎骨端異形成症.左股関節の変形に伴い,屈曲拘縮を呈しており入院前ADLは車いすであった.症例1と同様に術後1日目より全荷重での離床を開始し,術後10日目にて独立した車いす移乗を獲得し退院となった.

 

 

 

2.高齢の両側大腿切断患者に大腿義足を作製したリハビリテーション経験

藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

宋 康旭,前田寛文,吉田日菜,高橋 良,大高洋平

 

両側大腿切断者の義足歩行を獲得した報告は青壮年や外傷者では散見されるが,高齢者では義足作製例の報告も含め少ない.症例は72歳女性.併存症に右大腿切断(義足あり),2型糖尿病,慢性腎臓病,左下肢閉塞性動脈硬化症を有し,左糖尿病足壊疽から左大腿切断に至った.キッチンでの調理動作とトイレ歩行・動作目的に左大腿義足を作製した.両側大腿義足での目標動作を獲得後,住宅環境整備を経て車椅子と義足併用での自宅生活に移行した.

 

 


 

 

 

3.当院における末梢動脈疾患で入院した患者におけるリハビリテーションの状況

松阪中央総合病院

松尾 宏

 

【目的】末梢動脈疾患の急性期治療後のリハビリテーションの状況を今回調べた.【方法】対象は20209月から20243月に急性期治療後に演者に依頼があった9人とした.情報収集し,退院時の状況はFunctional Independence Measure FIM)運動項目合計点を用いた.【結果】下肢筋力のみがFIM運動項目合計点と有意な相関を示した.また急性閉塞患者は口腔内環境が悪い傾向だった.【結語】下肢筋力がリハビリテーションに関係ありだった.また口腔ケアは急性閉塞を防ぐ上で有用となりうる.

 

 

 

4.卵巣がん患者に対する術前リハビリテーション治療の有効性の検討

1三重大学医学部附属病院リハビリテーション科

2済生会明和病院リハビリテーション科

3済生会明和病院消化器外科

1安川元道,1百崎 良,1清水昭雄2加藤佑基,3大西 始

 

卵巣がん患者に対する術前リハビリテーション治療の有効性を検討した.JMDCデータベースから卵巣がん患者を抽出,傾向スコアの逆数重み付け後,術前リハビリテーション治療群(治療群)201人と対照群196人とでアウトカムを比較した.平均在院日数は治療群15.3日,対照群13.0日,平均術後合併症数は介入群2.94,対照群2.56,平均Barthel Index変化量は介入群2.72,対照群0.97であり,いずれも有意差を認めなかった.本解析からは卵巣がん患者に対する術前リハビリテーション治療の有効性を示すことができなかった.

 

 


 

 

 

5.骨折にてリハビリ入院中のアンドロゲン除去療法を受けている前立腺癌患者に対して,アンドロゲン除去療法中止が前立腺癌に与える影響

済生会明和病院

岩本陽一

 

【目的】アンドロゲンは,筋肉・骨・体毛・性器など様々な臓器に作用する.前立腺癌に対してアンドロゲン除去療法(ADT)を受けた患者は筋力低下・骨粗鬆症・血栓傾向などの危険性が高まると近年認識されてきており,ADT中に骨折を受傷する前立腺癌患者が増加している.今回我々は,ADT中の前立腺癌患者で,骨折を受傷し当院にリハビリ入院された患者を対象に,ADT一時中止と前立腺がんの進行具合を検討した.【方法】201912月より202410月までの期間,ADT治療中に骨折をきたし当院リハビリ病棟へ入院した25例中,入院時にADTを一時中止した3例について,1か月ごとにPSAを測定し,ADT一時中止と前立腺癌の進行について検討した.3例中,2例はリュープロレリン酢酸塩とエンザルタミド,1例はリュープロレリン酢酸塩とアビラテロンによるADTで,入院中リュープロレリン酢酸塩の追加投与を中止し,エンザルタミド・アビラテロンの処方も中止した.【結果】PSA値(平均値)は0.240.270.24(入院時,入院1か月,入院2か月)であり,それぞれ有意な変化を認めなかった.【考察】前立腺癌に対するADT療法中には骨粗鬆症を併発することが広く知られており,前立腺がん患者の増加に伴い,ADT治療中の前立腺がん患者が骨折し,リハビリ入院する可能性が増加していると考えられる.ADT治療薬は種類も多く,高額な場合もあり,包括診療料も考慮すると,継続すべきかどうか迷う点も十分にあり得る.今回我々は.ADTを入院中に中止してみたが,PSAの有意な変化を認めなかった.PSAがある程度低下している症例であれば,短期入院中のADT一時中止は問題ない可能性があると考えられた.

 

 

 

6.リハビリテーション科専門医試験に対するChatGPTの回答正確性評価

1済生会明和病院リハビリテーション科

2三重大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学分野

3三重大学医学部附属病院リハビリテーション科

1,2加藤佑基,3安川元道,1大西 始,2,3百崎 良

 

ChatGPTを用いて,2021年から2023年のリハビリテーション科専門医試験問題に対する解答精度を検証した.問題は日本語,平文で入力した.全体の正答率は81.8%であり,特にテキスト問題で高い精度(83%)を示し,教育支援ツールとしての可能性が示唆された.一方,画像問題では比較的精度が低く(70%),誤答の多くは間違った情報を参照したことによるものであった.これらの結果は,AIを活用した専門医教育や臨床支援の可能性と課題を示している.

 

座長 済生会明和病院 大西 始

 

7.胸部大動脈瘤術後に重度の合併症を呈した1例

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座

3藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部

福島隆盛,3伊東慶一,角田哲也,平野 哲,大高洋平

 

77歳女性.胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術中に肺動脈損傷し救命処置が行われたのに加え,術後左放線冠の脳梗塞を合併した.2か月間に及ぶ人工呼吸器管理を含む急性期加療後,気管カニューレ留置の状態で術後126日にて当院リハビリテーション科へ転院した.初診時,重度の右片麻痺, 非麻痺側の廃用性筋力低下, 排痰機能低下等が残存しており,ADL全介助の状態であった.呼吸状態に注意しつつ, 早期から両側長下肢装具での立位・歩行訓練や端座位での呼吸訓練を行い, 介助下でのトイレ排泄や気管カニューレ抜去が可能となった. 文献的考察を加え,報告する.

 

 

 

8回復期病棟入院患者における夜間平均体動指数とRASS及びRCSQとの関係について

1藤田医科大学医学部ロボット技術活用地域リハビリ医学講座

2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

1西脇大雅,1太田喜久夫,2大高洋平

 

目的:夜間不穏状態を客観的に評価する指標として体動指数が有用か検討すること.研究デザイン:横断的観察研究.対象:回復期病棟入院患者36名.方法:シート型ベッドセンサーから抽出したCSV-dataを用いて夜間平均体動指数(NAMI)を算出し,看護師によるRASS評価やOTによるRCSQと比較した.結果:NAMIRASS12名)では130以,RASS0(34名)では56.7±38.6RCSQ18名) 17.493NAMIとの相関は弱い(r=-0.25).NAMIは夜間の不穏・体動状況を反映する指標として有用と考えられた.

 

 


 

 

 

9ReoGo-Jによる上肢麻痺患者の経時的機能評価と実生活における使用行動の検討

1 あいちリハビリテーション病院
2
名古屋市立大学大学院医学研究科リハビリテーション医学分野

1西村正也,1長屋政博,1中澤 信,2植木美乃

 

【目的】ReoGo-Jを用いて上肢麻痺に対する機能訓練を行い,上肢機能の改善と実生活における使用行動の改善について検討した.【方法】上肢麻痺を有する患者16名に対し,ReoGo-Jを用いた訓練を3週間実施し,上肢機能評価であるFugl-Meyer Assessment (FMA),日常生活における使用頻度と質を示すMotor Activity LogMAL)を用いて検討した.【結果】介入前と比較し介入後でFMAMALの有意な改善を認めた.【結語】ReoGo-Jを用いたリハビリテーション治療は上肢機能の改善に有用である可能性が示された. 

 

 

 

10.体動検出センサーで計測した睡眠パターンをもとに介入した一例

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座

3藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部

1佐藤由美, 1水野志保, 1赤塚 功, 2角田哲也, 3渡邉 誠, 平野 哲

 

当院では今年度より一部病床で体動検出センサーを導入した. ベッドのマットレス下にセンサーマットを敷くことで体動(寝返り,呼吸,脈拍など)を検出し睡眠状態を判定できる非装着のセンサーである. 今回,右被殻出血で前医に入院し,内視鏡的血腫除去術,脳室ドレナージ術後, 発症24日後に当院に転院した女性に使用した. 当初傾眠傾向であったが, センサーにより睡眠パターンを把握したことで, 内服調整や離床スケジュールの検討につながった.

 

 


 

 

 

11.高血糖緊急症に対するADLと転帰の検討

1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科

2善常会リハビリテーション病院

3愛知県医療療育総合センターリハビリテーション診療部

4名古屋大学医学部保健学科

1真野頌子,1山口英敏,1上見亮太,1中村匡孝,1玉井花菜子,1山本英知,2岡田貴士

3門野 泉,4杉浦英志,1西田佳弘

 

糖尿病性ケトアシドーシスと高血糖高浸透圧脱水(HHS)に分類される高血糖緊急症において,自宅退院が困難で転院した7例と,自宅退院22例の臨床的特徴を比較した.転院例は,全例HHSであった.高齢,認知機能低下,入院前血糖コントロール不良などの特徴があった.HHS患者では,ADL低下により転院となることが多く,特に高齢,認知機能低下,入院前血糖コントロール不良の症例では転院を前提に介入する必要がある.

 

 

 

12.スマートベッドシステムを用いた入院患者の離床パターンと転倒特性の検討

国立長寿医療研究センター

山本嵩史,尾﨑健一,大沢愛子,加賀谷斉,近藤和泉

 

当院では離床センサーとしてスマートベッドシステムを導入しており,このシステムを用いることでセンサーの一元化と離床ログの記録が可能である.今回,当院1か月分のログ解析を行ったところ,1病棟あたり1日平均248.8件の通知が記録された.転倒/非転倒例および転倒例における認知機能低下の有無で分類し,離床パターンや転倒特性について検討したので報告する.

 

 


 

 

座長 桑名市総合医療センター 大達清美

 

13.脳血管障害患者に対するリハビリテーション訓練内容の急性期から回復期を通しての経時変化

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学病院リハビリテーション部

1山上 慧,1松浦大輔,2平野明日香,2河内浩希,2加藤正樹,1前田寛文,1大高洋平

 

当院では,リハビリテーション治療の最適化や効果検証を目的に,訓練内容を5分おきに記録し可視化する取り組みを行っている.今回,その訓練内容データを基に,脳血管障害の連続例を対象にして,病期による訓練内容の経時的変化に着目して検討を行なった.訓練内容を振り返りより良いリハビリテーション治療のあり方について,今後の展望を含めて考察し報告する.

 

 

14.痙縮の改善にリドカイン注射と可動域訓練の併用が有効であった1

善常会リハビリテーション病院

下野圭子,岡田貴士

 

症例は73歳男性.脳幹梗塞による構音障害,嚥下障害,四肢運動失調を認めた.右膝関節が90°屈曲,MAS 3であるため立位訓練が困難であったが,週2回ハムストリングスにリドカインを筋注した直後に可動域訓練をすることにより可動域の増大を得たため,長下肢装具を着用して立位訓練を進めることができた.リドカイン注射と可動域訓練の併用は回復期病棟におけるボツリヌス療法の代用法として有用である可能性が示唆された.

 

 

15.皮膚筋炎に咽頭腫瘤を合併し気管切開後,嚥下訓練に難渋した一例

名古屋市立大学病院リハビリテーション科

名古屋市立大学病院リハビリテーション技術科

1安達大祐,1黒柳 元,2庄司浩基,1松原弘記,1大野由衣,1井田塁童,1稲熊祐輔,

1岡本秀貴,1植木美乃

 

皮膚筋炎に咽頭病変を合併すると摂食嚥下障害が増悪する事が報告されている.今回我々は,64歳女性の皮膚筋炎に伴う摂食嚥下障害のため胃瘻を造設し,吐血及び窒息を契機に咽頭腫瘤が見つかり,気管切開を施行した患者を経験した.腫瘤は悪性でなく自然消退したが,咽頭収縮力低下及び食道入口部開大不全が残存し,嚥下障害に対して間接訓練を行った.その後,バルーン拡張術を行ったが効果は限られた.皮膚筋炎に咽頭腫瘤を合併し嚥下障害が増悪した本症例に対して治療方針の文献的考察を加えて報告する.

 

 

 

16.気管切開術後に気道狭窄を来した外傷性頚髄損傷患者でT-tube挿入術により声のQOLが向上した1

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科

福豫詩絵莉,高嶋俊治,永房鉄之,李 純理,髙橋麻美,安田千里,山内克哉

 

症例は65歳女性.X-12月に C6/7外傷性脊髄損傷受傷し後方固定術を施行.術後に呼吸不全となり,X-11月に気管切開術を施行したが気管カニューレが押し込まれる形で留置され,気管を圧排していた.嚥下機能,呼吸機能は改善したが,気管下狭窄があり,気管カニューレ抜去が困難となった.X月に狭窄部位の気管形成術及びT-tube 挿入術を施行,発声機能と声に関するQOL向上を認めた.治療経過に文献的考察を加え報告する.

 

 

17.当院における脳幹部出血患者の機能的転帰

JA長野厚生連佐久総合病院リハビリテーション科

西村慎也,宍戸康恵,太田 正

 

高い死亡率で知られる脳幹部出血の機能的転帰の報告は少ない.2023年度までの7年間に当院を退院した71例(男女比42:29,年齢中央値70歳)から死亡退院39例(54%)を除いた32人のうち診療録から追跡可能であった17例の機能的転帰を調査した.リハビリテーション開始時にFIM50以上の軽症群5例は約2週でFIM100以上となった.同40未満の重症群12例中5例も一定の期間で良好な回復を示した.生還した脳幹部出血患者の機能的転帰は必ずしも悪くなく,その処遇には注意が必要である.

 

 

18.骨転移ボードが関与した脊椎転移症例に対するリハビリテーション治療の臨床成績

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

長谷部敬子,池上章太,長峰広平,松嶋 聡, 丸田大貴,堀内博志

 

【目的】当院の骨転移ボードで検討した脊椎転移症例のリハビリテーション治療の臨床成績を調査した.【方法】20221月から202312月の間に, 当院の骨転移ボードで骨転移に対して治療方針を検討した脊椎転移症例は38例であった.これらの症例に対して, 原疾患, 治療方法,SIN scoreを調査し,臨床成績としてFrankel分類, Numerical Rating ScaleNRS, Barthel Index(BI),FIMPerformance StatusPS)をリハビリテーション治療前後で比較検討した.【結果】介入後に麻痺の進行を認めた症例は1例のみであった.NRSBI,歩行能力,PSが有意に改善した.【考察】骨転移ボードが関与した脊椎転移症例に対するリハビリテーション治療は, がん患者の生活能力維持に有効と考えた.


 

 

 

総会

12:50 - 13:00

研修会に先立って総会を行います.ぜひご参加ください.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演 13:00 - 15:00

講演1

脳卒中痙縮に対するボツリヌス治療とリハビリテーション

浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション科 重松 孝

         司会:湖山リハビリテーション病院リハビリテーション科 殷 祥洙

 

講演2

愛知医科大学のリハビリテーション医療の変化と地域医療への取り組み

 愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座 尾川貴洋

       司会:三重大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学分野 百崎 良

 

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について

地方会学術集会:学会参加は専門医1単位,認定臨床医10単位

         発表筆頭演者は専門医1単位,認定臨床医10単位

参加費:1,000

 

生涯教育研修会:1講演毎に専門医1単位,認定臨床医10単位

     受講料:1講演毎に1,000

         認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000

 

◎認定臨床医資格要件

認定臨床医認定基準第222号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.

平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.

 

 

当番幹事:百崎 良 〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174

              三重大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学分野