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感染症


代表者:川田潤一

藤田医科大学小児科感染症グループの川田潤一と申します。感染症グループでは、多彩な小児感染症患者さんやリウマチ性疾患の診療を行うとともに、主にウイルス感染症に関連した臨床研究/基礎研究に取り組んでいます。近年、ワクチンの普及や生活環境の変化により小児の感染症患者さんは減少傾向にあります。一方で、多くは自然治癒するウイルス感染症も、一部の患者さんでは脳症や劇症肝炎など、極めて重症な経過をたどることがあります。小児科医にとって感染症はcommon diseaseですが、まだまだ多くの課題が残されています。感染症グループでは、日々の診療に加えて、重症感染症の病態に迫るべく研究活動にも精力的に取り組んでいます。一人でも多くの先生に興味を持っていただけると幸いです。
活動内容
藤田医科大学小児科では、リサーチマインドを持った小児科医の育成に努めてきました。現在行っている主な研究内容は以下になります。

1. ヘルペスウイルスに関するウイルス学的診断
定量PCR等による、各種ヘルペスウイルス(HSV、VZV 、HHV-6、HHV-7、CMV、EBV)感染症の診断、病態解析を行っています。これらのウイルス感染症は脳炎・脳症やHLHなど重篤な経過をたどることがあります。診断のためのウイルス学的検査を希望される際はお気軽にご連絡下さい。

2. ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)
HHV-6は小児期の脳炎・脳症の主要な原因の一つであり、内側側頭葉てんかん等の神経疾患との関連も報告されています。研究室では、HHV-6による中枢神経合併症の機序を、最新の研究手法を駆使して解析しています。また、日本人の0.6%程度でHHV-6が染色体ゲノムに組み込まれている(iciHHV-6)ことが知られています。iciHHV-6にはいくつかの疾患との関連が報告されていますが、研究室では、iciHHV-6のiPS細胞を樹立し病態解明に取り組んでいます。

3. 水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)
ワクチンの定期接種化により、水痘の患者数は激減していますが、ワクチンを接種したにもかかわらず水痘を発症するbreakthrough varicellaは依然として散見されます。また、VZVはHHV-6同様に中枢神経感染症の原因ウイルスとしても重要です。 研究室では、VZVのウイルス学的な解析や水痘ワクチンの定期接種化後の水痘の疫学研究を行っています。

4. アデノ随伴ウイルス2(AAV2)
AAV2は免疫原生が弱く、遺伝子治療用のベクターとして用いられています。しかしながら、2022年に欧米で原因不明の小児肝炎が流行した際に、AAV2とアデノウイルスなどの共感染が原因として注目されました。研究室では、AAV2と小児疾患との関連について解析を進めています。