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代謝外来


【先天代謝異常症】
先天代謝異常症とは、体の成分の合成や分解、エネルギー産生などにかかわる酵素の働きが、生まれつき障害されているために発生する病気の総称です。体に必要な物質を作れなかったりいらない物質を除去できなかったりすることで様々な臨床症状を示す病気です。
当科では先天代謝異常外来を開設し、患者さんの診療に取り組んでおります。

主な疾患
・アミノ酸代謝異常症
   フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症など
・有機酸血症
   プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症など
・脂肪酸代謝異常症
   VLCAD欠損症、MCAD欠損症など
・高アンモニア血症
・糖代謝異常症
   糖原病、ガラクトース血症など
・ウィルソン病
・ライソゾーム病
   ファブリー病、ムコ多糖症など

主な治療
・食餌療法:
代謝できない物質を制限し足りない栄養分を補うことで治療できる病気があります(フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、糖原病、ウィルソン病など)。このため日常の食事内容をコントロールし、尚かつ発育発達に支障を来さないよう病院管理栄養士と連携して、きめ細かい対応を行っております。
・薬物療法:
特定の代謝経路に必要な薬剤を投与することによって代謝動態を改善します。場合によっては医薬品として認められていないものでも必要な物は病院の審査委員会で認可を得た後、患者様に使用できるようにしております(高アンモニア血症に対する安息香酸療法、有機酸血症に対するL-カルニチン静注療法など)。
・酵素補充療法:
一部のライソゾーム病には治療用酵素製剤が販売され効果を上げています。当院でも以前からファブリー病、ゴーシェ病に酵素補充療法を行っています。

ポンペ病・重症複合免疫不全症の新規マススクリーニング検査
愛知県では2017年4月からポンペ病と重症複合免疫不全症に対するマススクリーニング検査を開始いたしました。これは当科と名古屋大学医学部小児科、愛知県健康づくり振興事業団が連携して開始するものです。
ポンペ病は前述したライソゾーム病の一種で、筋力低下や呼吸不全、心筋障害などを生じる先天代謝異常症で、早期発見、早期治療により症状の改善が望めます。九州地区、神奈川県などではすでに検査が可能となっていますが、自治体単位で行われる検査としては日本で2番目の地域となります。また重症複合免疫不全症については全国初の試みです。
有料の検査とはなりますが、少しでも多くの赤ちゃんが健康に育つよう、広く検査が普及することを望んでいます。