特徴
次世代シークエンサーによる網羅的解析
当院では次世代シークエンサーという機器を用い、すべてのDNAの塩基配列を明らかにし、疾患の原因となる変異の解析を行っています。これまで診断がつかなかった方の遺伝子変異を特定できる可能性があります。
JOHBOC認定施設
一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(Japanese Organization of Hereditary Breast and Ovarian Cancer:JOHBOC)は、日本人類遺伝学会、日本乳癌学会、日本産科婦人科学会の協力のもと、遺伝性乳癌卵巣癌及びその疑いのある患者や家族に対する診療体制の整備と拡充を図り、予防医学の向上に寄与することを目的として、2016年8月に設立されました。HBOC診療を行う施設を「基幹施設」、「連携施設」、「協力施設」の3つに区分して施設認定を行い、どの施設に行けばどのような医療サービスを受けることが出来るかを国民の皆さまに公表することを目指しています。
当院はJOHBOCより『基幹施設』に認定されています。基幹施設の要件として以下の診療体制を整えています。
- 臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、乳腺専門医、婦人科腫瘍専門医
- HBOC遺伝学的検査の実施
- 乳がん/婦人科サーベイランス(予防的な検診等)
- リスク軽減乳房切除術. (Risk Reducing Mastectomy: RRM)
- リスク低減卵巣卵管切除術(Risk Reducing Salpingo-Oophorectomy: RRSO)
- HBOC患者登録
ご自身が乳がんまたは卵巣がんをすでに発症している方、または家族に発症している方がいる方など、乳がんや卵巣がんの遺伝についてのご相談を承っています。
IRUD拠点病院
2018年4月より、当院はIRUDの地域拠点施設となりました。
IRUDとはInitiative on Rare and Undiagnosed Diseases(未診断疾患イニシアチブ)の略で、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の主導で行われている研究です。日本全国の診断がつかずに悩んでいる患者さんに対して、最先端の機器を駆使してDNAを幅広く調べ、その結果を症状と照らし合わせることで、患者さんの少ない難病や、これまでに知られていない新しい疾患を診断することを目的としています。
IRUDは成人の患者さんを対象としたIRUD-Aと小児の患者さんを対象としたIRUD-Pに分かれています。国立成育医療研究センター、慶応義塾大学病院が拠点となり、各地の地域拠点施設(クリニカルセンター)を中心に、全国体制で病気の特定につとめます。
当院での遺伝カウンセリングを通して、ご相談の疾患の診断、原因の特定のためにIRUDへ登録することが可能です。
IRUDは成人の患者さんを対象としたIRUD-Aと小児の患者さんを対象としたIRUD-Pに分かれています。国立成育医療研究センター、慶応義塾大学病院が拠点となり、各地の地域拠点施設(クリニカルセンター)を中心に、全国体制で病気の特定につとめます。
当院での遺伝カウンセリングを通して、ご相談の疾患の診断、原因の特定のためにIRUDへ登録することが可能です。
- IRUD診断体制 http://irud.umin.jp/index.php
出生前診断
出生前診断とは、生まれる前に赤ちゃんの病気や奇形の有無を診断することを言います。出生前診断の目的は、産まれる前に赤ちゃんの状態を観察・検査し、生まれる前に赤ちゃんに治療や投薬を行ったり、出生後の赤ちゃんの治療の準備をしたり、また赤ちゃんについての情報をご夫婦に提供することです。
上のお子さんが難病や原因が特定できない疾患である方、ご家系に遺伝性疾患の方がいる方など、出生前診断をご希望方はまずはご相談ください。
上のお子さんが難病や原因が特定できない疾患である方、ご家系に遺伝性疾患の方がいる方など、出生前診断をご希望方はまずはご相談ください。
羊水検査
妊娠16週前後にお母さんのお腹に針を刺して羊水を採取します。羊水に含まれる赤ちゃんの細胞などを用いて、染色体異常や遺伝性疾患の診断が可能です。(当院では、絨毛採取は行っておりませんが、絨毛採取を行っている他施設と連携して出生前診断が可能な場合があります。一度ご相談ください。)
母体血胎児染色体検査(NIPT)
お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAを用いて、赤ちゃんが染色体疾患(13、18、21トリソミー)かどうかの可能性の有無を調べる検査(非確定的検査)です。お母さんの採血のみで検査することができます。
- 「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)」について ( 藤田医科大学産科・婦人科教室 )
http://www.fujita-hu.ac.jp/~obgy9294/nipt.html
着床前診断(PGD)について
着床前診断 (PGD : Preimplantation Genetic Diagnosis)とは、体外受精によって得られた受精卵を培養後、一部の細胞を生検し、遺伝子解析や染色体解析を行うことをいいます。特定の染色体異常や遺伝子変異を持たない受精卵を子宮に戻します。
着床前診断により、染色体異常が原因のため着床できない可能性が高い受精卵や、遺伝子変異を持つ受精卵を調べることができますので、流産の可能性を減らすことや、体外受精の妊娠率を上げることが可能になります。
当院では、着床前診断に関する遺伝カウンセリングを行い、着床前診断について十分にご理解いただきご夫婦から希望があれば、当院での着床前診断の実施が可能です。日本産科婦人科学会へ申請を行い承認された後、当院の倫理委員会で承認される必要があります。
>PGDコンソーシアム(JAPCO) WEBサイト
着床前診断により、染色体異常が原因のため着床できない可能性が高い受精卵や、遺伝子変異を持つ受精卵を調べることができますので、流産の可能性を減らすことや、体外受精の妊娠率を上げることが可能になります。
当院では、着床前診断に関する遺伝カウンセリングを行い、着床前診断について十分にご理解いただきご夫婦から希望があれば、当院での着床前診断の実施が可能です。日本産科婦人科学会へ申請を行い承認された後、当院の倫理委員会で承認される必要があります。
>PGDコンソーシアム(JAPCO) WEBサイト