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鈴木敦詞 教授挨拶


内分泌・代謝・糖尿病内科の紹介

われわれの身体の中では、毎日人知れず細胞同士が助け合い、ささやき合いながら、健康を守り続けています。内分泌・代謝内科学は、安定した健やかな身体を守るための医学です。エネルギー代謝のバランスの崩れが生じる代表的な疾患に糖尿病がありますが、いわゆる生活習慣病というのは、患者さんの「習慣が悪い」のではなく、エネルギー代謝のリズムが悪くなり、知らず知らずのうちに臓器をいためてしまう状態を言います。超高齢社会の進行の中で、代謝のバランスの崩れが、ゆっくりと進みながら慢性疾患を抱える患者さんが増えてきました。糖尿病の患者数は国民の約1割に達し、この数字は年齢が上がるごとに増加していきます。病に苦しむ方を増やさないために、また慢性疾患からの臓器障害(心血管イベント・がんなど)を増やさないためには、科学的かつ地道な医療への取り組みが必要です。また、医学的知識だけではなく、患者さんの生活と向き合い、心を癒す、真心のこもった医療をおこなうことが大切になります。私たち内分泌・代謝・糖尿病内科講座では、プロフェッショナルとしての誇りと責任を持つとともに、人に優しく思いやりにあふれた医療人の育成に努めています。また、医療・医学の発展にともない、多職種連携によるチーム医療が重視されています。当院では、糖尿病ケアサポートチームなど、多職種連携のための枠組を運用することでIPW(専門職連携)の有用性を臨床の現場で活用しています。

内科医は、全身を診る技術、知識が必要です。内分泌・代謝内科学は、細胞間・臓器間の情報伝達と細胞の恒常性維持(ホメオスタシス)を科学する学問です。そのため、あらゆる臓器が内分泌・代謝と関係があるといえます。基礎疾患として、また生理的・病理的状態の背景としての内分泌・代謝を理解することは、適切な医療を行うための必須事項です。内分泌・代謝内科医は、からだ全体のバランスを考え、常に全身の臓器に目を配る広い視野を必要とします。自己到達度をチェックし、また医療レベルを保つ上で、専門医・認定医資格を取得することは良いきっかけになります。内分泌・代謝・糖尿病内科医局では、総合内科専門医、内分泌学会専門医、糖尿病学会専門医、甲状腺学会専門医、老年病専門医、病態栄養専門医、移植認定医(膵臓移植)、骨粗鬆症学会認定医など、多くの分野での資格取得を積極的にサポートしています。
医療人として大成するには、大学において研究活動を行う事は成長への近道です。将来、どのような形で医療・医学に関わるとしても、科学的な視点・論理的思考を身につけなければ、プロフェッショナルな仕事はとてもできません。医療人として、目の前の技術、知識を習得することに加えて、科学的思考ができるようになって、はじめて、医科学を修めたことになります。私たちの医局では、骨カルシウム代謝学、糖尿病学、甲状腺学を中心に医学の進歩と個々人の成長とに寄与できるよう、基礎研究・臨床研究の両面から研究活動を推進しています。

当大学病院では、生活習慣病診療を通じて地域の皆様の健康を守るとともに、内分泌疾患に対する専門的診療を行っています。放射線科・内分泌外科との協力のもと、原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング、バセドウ病へのアイソトープ治療、甲状腺・副甲状腺をはじめとした内分泌腺腫瘍に関する診療など、多様な内分泌疾患の診療を一施設で完結させることが可能です。また、日本有数の膵臓移植施設として、臓器移植科との連携の元、1型糖尿病の先進的治療にも力を注いでいます。さらには骨粗鬆症リエゾンサービスや糖尿病ケアサポートチームなどによる、職種・施設の垣根を越えた連携に積極的に取り組んでおります。
今後も医局員一丸となって医学・医療の発展に貢献出来るよう力を尽くして参ります。