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講義レポート


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第4回

≪1日目≫
課題と打ち手を検討する

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 岩名 礼介
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 池田 寛


わがまちの課題とその解決について、3グループに分かれて検討した。
前回からのわがまちでの検討内容を踏まえ、どのように課題を掘り下げるか・どのように打ち手(解決策)を検討するかなど、課題解決に向けた検討事項について、講師から問い・助言が行われた。

オンライン懇親会

当日は、都築先生や松本先生に加え、岩名先生と三原先生にもご参加いただき、研修本編では語り尽くせなかった解説や、参加者からの質問にお答えいただきました。

≪2日目≫
ネットワーキングタイム

講師:藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛

各受講生から、「プログラムに参加してからの自身や周囲の変化」をテーマに、これまでの学びを振り返ってのコメントを共有した。チャット上では、発表者への応援・共感のメッセージが送られ、受講生間の親睦を深める時間となった。

ブラッシュアップに向けたアクションプランの検討
講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   医療経済研究機構 主任研究員 服部 真治
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   豊明市健康福祉部健康長寿課 主事 福井 茜
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 池田 寛


1日目を踏まえたわがまちの課題とその解決に向けた検討内容について、「課題解決シナリオ検討シート」を埋める形で整理し、再度3グループに分かれて参加者間で共有した。講師との対話を通して、次回(成果報告)に向けて調査・検討を進めるべき点や、プログラム終了後に取り組むことについて検討した。

参加者の声(アンケートより抜粋) 
  • データ収集など大変なこともありましたが、だんだんこんなこと知りたい、調べたいと自分が変わっていったと思います。調べると面白いというか、新たな発見がありました。それを担当のみんなと共有できて本当によかったです。あと一回で最後と思うと本当に寂しいです。
  • いかに課題設定が大事かということ。解決すべき課題によって解決策となる打ち手は大きく変わってくることに恐れを抱く。だからこそ、課題解決プロセスの基本に忠実に思考を進めることは大事であるし、自治体職員の基礎力になるとあらためて実感した。しかし、課題の特定は難しい。
  • 目指す姿から現状、課題、打ち手への流れがやっとわかった気がします。課題の設定が打ち手になってしまう、現状が書ききれないなど、まだまだモヤモヤの時間が足りていないと実感しました。
  • 自分の思考だけでなく、他人の思考を聞くことでより多くのことを学べている気がしています。
  • 個別事例を追っていくと、生活の中の困りごとが見えてくるとわかったので、地域にどんな支えあいが存在するのかを把握していきながら、わがまちで何ができるかを考えていきたい。
  • 「なぜ,するのか」「だからなんなのか」を深めることが課題解決の第一歩なのだと再確認できました。
  • 自分が「そもそも」と考えはじめることができるようになったことが、一番の変わることができたことかと思います。
  • ネットワーキングタイムがこのタイミングであったことで,2期生同士のつながりが強くなったと思いました。この一連のプログラムを経験した人にしかわからない悩みや打開策をお互いに相談し合い,成長していきたいと思います。
  • 1回目プログラム以来の全市町が同じ場に集まる機会で、自身や周囲の変化を聞くことができ、しっかり前に進んでいる自治体や、同じ悩みを持っている自治体などあり、刺激や励みになった。

第3回

≪1日目≫
わがまちの課題を見極める

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 岩名 礼介
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 池田 寛


わがまちの課題を3グループに分かれて検討した。
自分なりの問いや仮設を立て、地域でどのような情報を収集するのか。解決に向けて、誰とどのようにコミュニケーションをとっていくのか。講師からは、課題の見極めに向けた問いや助言が行われた。

≪2日目 午前≫
テーマ別トークセッション

地域関係者の考え方を知り、課題検討・解決に向けて、誰とどのようなコミュニケーションを取ればよいのかをイメージするためのケーススタディを実施。
① 自立支援ケアマネジメントについて
講師:藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛

② 地域資源の発掘・活用について
講師:豊明市健康福祉部健康長寿課 福井 茜
   豊明市健康福祉部健康長寿課 成田 町子
   豊明市社会福祉協議会 生活支援コーディネーター 久保 祥

③ 行政職員の役割・政策立案について
講師:豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳

≪2日目 午後≫
課題解決に向けたアクションプランの検討

講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   豊明市健康福祉部健康長寿課 福井 茜
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛


わがまちの課題を3グループに分かれて検討した。前日のワークを踏まえて、課題や解決策の検証に向けて自分がとるべきアクションがイメージできるように、気づきや学びを共有して、講師陣の問いや助言を受けた。

参加者の声(アンケートより抜粋) 
  • 「住民は担い手になるために活動しているわけではない。担い手という言葉の使い方に気を付けなければならない」という言葉。住民の問題意識が生まれる瞬間に立ち会えるよう、日ごろから関係を気付き、その生まれた瞬間に上手にアプローチする。本当にそうだなと感じた。
  • データに基づいた分析を行うこと、そのためにデータを収集することの重要性を再認識しました。
  • 今後は理解者を増やす・伝えるフェーズということで、同じことを相手に合わせて言葉を変える、そのやり方を今後もっと考えて実践していきたいと思います。
  • こちらの都合に合わせて専門職に集まってもらうのではなく、こちらから出向くという姿勢も大切にしたいと思いました。
  • 自立の定義の違い、福祉側では「様々なサービスを受けてもらい、生活を成り立たせること。」一方医療側では「サービスを卒業することも自立」であるとのお話を聞き、地域ケア会議とは、個人の事例に目を向けて地域課題を見つけることも重要であるが、こういった地域の関係者の根本的な考え方の違いをすり合わせていくための場として、非常に重要な会議なのだと気づかされました。
  • 地域づくり分野における行政職員の役割は、「地域のやりたい」と思うことと、「行政が進めていきたいこと」を如何に俯瞰しながら、適切にサポートをして協力関係を築くかということに、専門性があるように思った。
  • 資源を見つけること。地域を知っているつもりでしたが、まだまだ知らないことがたくさんあると思いました。調べることが楽しくなってきました。
  • 松本さんの「地域に出ることで、住民が課題に気づくタイミングに立ち会える」という言葉から、行政が考える課題を地域に押し付けるのではなく、誰かの困りごとが地域の課題かもしれないと気づいてもらうこと。わがごととして考えるとはそういうことなのかもしれないと思いました。

第2回

≪1日目≫
地域の課題と地域づくりの考え方

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧

課題の定義、設定方法や解決に向けた方法論に関する講義を実施した後、具体的に考えるための事例として、豊明市職員が普段から実践している方法論を解説した。

わがまちの課題の共有とフィードバック
講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛


わがまちの目指す姿、現状、課題を3グループに分かれて検討した。
1日目は事前課題に基づくわがまちの課題を発表し、講師によるフィードバックを受けた。

≪2日目≫
豊明市における課題とその解決に向けた取り組み

講師:藤田医科大学 講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   豊明市健康福祉部健康長寿課 生活支援コーディネーター 成田 町子
   豊明市社会福祉協議会 生活支援コーディネーター 久保 祥
   豊明市北部地域包括支援センター 主任介護支援専門員 岩佐 智幸
   豊明市中部地域包括支援センター 主任介護支援専門員 眞野 潤


豊明市の関係者や専門職のトークセッションを通して、地域の専門職が多職種ケアカンファレンスに参加することで、どのような変化があったのか?地域の関係者や専門職と地域の課題を共有し、解決に向けて取り組むために重要なことについて学んだ。
「住民が望む自分らしい暮らし」を支えるための地域資源とは何か、それらの資源を見つけ、創出し、時に民間と共に取り組む、専門職としての生活支援コーディネーターの視点を紹介した。

課題を見きわめるためのアクションプランの検討
講師:ニッセイ基礎研究所 ヘルスケアリサーチセンター 主任研究員 三原 岳
   NTTデータ経営研究所 大野 孝司
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧
   豊明市健康福祉部健康長寿課 福井 茜
   藤田医科大学 講師 地域包括ケア中核センター 都築 晃
   藤田医科大学 地域包括ケア中核センター 課長 池田 寛


1日目にフィードバックを受けたわがまちの課題について、再度3グループに分かれ、気づきや今後のアクションを検討し、参加者間で共有した。講師から次回に向けて調査すべき点や、これから取組を進める上での留意・検討事項のフィードバックを行った。

休憩時間中は、豊明社協のキッチンカーによるジュース販売や、受講生各地域の特産品を持ち寄りのティーブレイクを催し、美味しいお菓子を片手に親睦を深めるきっかけになった。

参加者の声(アンケートより抜粋)
  • 業務を行う際に課題を深めていく重要性に気付く事ができました。普段の業務の中で「○○について取り組もう」と思っても、課題を明確にしていないので行き詰ってしまっていたのだと分りました。
  • 課題がわからないのは圧倒的に情報が足りないからという亀井先生の言葉がありました。事前課題を作っているときにどうしても仮説の域を出ないなと感じていて、その言葉で腑に落ちました。
  • 地域ケア会議から個の課題を見出し、その課題を常に考えながら地域を歩くことを繰り返し、繰り返し行っていこうと思います。
  • 個別のエピソード(現象)と定量データ双方から課題を見極めていくという姿勢で次回に向けて課題を取り組んでいきたい。
  • 成田さんの「目に映るすべてのものが地域資源」という考え方に改めて驚かされました。成田さんなら何に目を付け、どう考えるのか、意識しながら地域に出ていくだけでも今までと違うアイデアが浮かぶのではないかと思い、実行しようと考えました。
  • これまでの経験に当てはめていくステレオタイプから脱却し、これまでの経験を引き出し、その上で整理するという視点が重要。
  • 事務職の立場で、私よりもずっと経験年数が長い専門職の方たちと接することに自信が持てなかったのですが、松本さんの考え続ける、動き続ける姿勢に、私がまだやっていないこと、これからやれることはたくさんあるような気づきがありました。
  • そもそもサロンに行かなければならないのか 事業を実施することにこだわっている事に気づきました。納得のプロセスから説得に入っていました。
  • 窓口で「デイに行きたい」と聞いた時に、パンフレットを並べてデイの紹介をするのではなく、なぜデイに行きたいのかどこに真因があるのかを見極めて対応しなければ、本当の解決にならないと改めて感じた。
  • 本人にとってのありたい姿、幸せな暮らしとは何なのか、そのような視点を持つことで、本人の生活のイメージがより鮮明になるのだと感じました。
  • 豊明市のカンファレンスの特徴。オープンイノベーションカンファレンス。勉強になるから、多くの関係者が無償で参加する。では、それが本市でも可能かと言えば、簡単ではない。なぜ、なぜを繰り返し、本市で言う、地域ケア会議を少しでもより良いものにしたい。

第1回

≪1日目≫
グランドルールの説明 講師・運営の紹介
未来の地域包括ケアに向けてプログラムで学ぶべきこと

講師:藤田医科大学講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
藤田医科大学・豊明市の取組を紹介し、地域包括ケアのあり方や本プログラムのねらいの理解を深める講義を実施した。

参加自治体 3グループに分れての自己紹介

参加24市区町がA、B、Cの3グループに分かれ、わがまちの紹介と、参加者自身の課題意識や担当者としての悩みの共有を行った。

昨年度受講生によるプログラム紹介
ファシリテーター:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎

昨年度プログラム受講生である、小松市 角地氏、半田市 大崎氏、大台町 橋本氏へのインタビューを行った。参加時の想い、受講後の市町や自身の変化など、自身の経験に基づくプログラムの紹介・アドバイスを行った。

≪2日目≫
これからの社会と基礎自治体職員の役割

講師:PHP総研 主席研究員 兼 立教大学大学院 特任教授 亀井 善太郎
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 松本 小牧


現代社会における自治体職員の重要性や、自治体職員が高度な専門性を持ち、優れた実践をするための考え方に関する講義を実施した。講義内容をより具体的に理解するため、亀井先生による松本氏へのインタビューを行った。

オンライン懇親会
受講生・講師・昨年度の受講生を交えた懇親会をオンラインで開催。



≪3日目≫
暮らしの課題とは何か 個別事例を分析してみる

講師:藤田医科大学講師・地域包括ケア中核センター 都築 晃
   豊明市健康福祉部健康長寿課 課長補佐 福井 茜


地域づくりを進める上での考え方や行政の果たす役割を理解するため、豊明市の多職種ケアカンファレンスの映像を参照しながら解説した。その後、個別事例のワークを通して、住民の課題・地域の課題を明確化する視点について検討した。

参加者の声(アンケート結果より一部抜粋)
  • 基礎自治体の職員の役割を再認識できた。世の中が揺らいでいるときほど、揺るがない普遍的な原理原則と信じる哲学が大事だなと、あらためて感じた。
  • 情報の共有の重要性。事実やあるべき姿が共有できていなければ、対話もできない。当たり前のことかもしれないが、「伝える」というよりも「伝わる」努力をどれだけしてきたのかなと思い直しました。
  • 自分は関係機関と対話ができているかな?と反省しました。先に方法論から入って話を進めてしまっていたように思います。議論ばかりだったかもしれません。「市としてどうしたいの?」とよく包括などから聞かれて答えに困る自分がいたのですが、どうやったら「チーム」としてやっていけるかを考えてみようと思いました。
  • 今まで、今起こっていること(現象)やこんなことをして欲しい(要望)を課題と捉えてきた気がします。本当の「課題」がなんなのか考える癖を身に付けたい。
  • (豊明市の)会議参加者全員が「普通の暮らし」を目指すことに疑問や諦めがなく、粗探し・悪い人探しになっていないことが感動だった。そのためには会議の場の安全が保証されていること、会議に参加することで参加者全員に学びや気づきが得られること、会議に参加する側の自覚の高さなど、たくさんの要素が詰まっているからなのだろうと考えた。
  • 地域ケア会議が「学びの場」であるという視点に驚かされた。自分が出席しているケア会議は「なぜそうなったのか」とか否定的なことを言うことが多く、誰かが標的にされたり、役割の押し付け合いなどが行われることが多い。会議の冒頭で情報を共有して、それぞれが気づいていない部分を補う学びの場であることを伝えて会議を始めてみたい。
  • 豊明市の事例を通し、本当の課題を見極めるときには事象だけでなく、課題の本質をしっかりと見極めることが重要であることに気づきました。自分自身、課題に向き合うときにはもう一歩深く掘り下げていく心がけが必要と思いました。