難治疾患細胞制御学寄附講座(免疫細胞治療部門)
寄附講座(部門)の概要
当免疫再生医学研究部門では、難治性ウイルス感染症に対して、汎用性のT細胞製剤を用いた治療法の開発を進めています。
■課題
これまでウイルス感染症に対する他家T細胞輸注療法は、細胞の準備が煩雑で高コストとなること、また、アロ反応性T細胞によるGVHDを引き起こす可能性があることから、造血幹細胞移植後のウイルス感染やリンパ増殖生疾患等一部では行われているものの、一般的な治療法としては確立していません。
■課題解決に向けて
当部門の特任教授でもある河本教授の研究室では、これまでT細胞を多能性幹細胞から再生する方法を用いて、他家移植用の細胞傷害性T細胞(CTL)を量産し、がんの治療に用いる方法を確立してきました。これまでに、iPS細胞に外来TCR遺伝子を導入し(TCR-iPS細胞法)、そのiPS細胞から高品質なCTLを作製することに成功しています。この方法を難治性感染症に対する他家T細胞輸注療法に応用することで、ウイルス特異的TCR遺伝子を導入した多能性幹細胞から大量の治療用CTLをあらかじめ作成・凍結保存しておくことが可能となります。このように多能性幹細胞由来の遺伝子改変再生T 細胞を用いた、難治性ウイルス感染症に対する新規T細胞療法を確立することが当部門の目標です。これまですでにウイルス特異的再生T細胞の作成に成功しており、臨床試験に向けたCPCの準備も着々と進行しています。
■課題
これまでウイルス感染症に対する他家T細胞輸注療法は、細胞の準備が煩雑で高コストとなること、また、アロ反応性T細胞によるGVHDを引き起こす可能性があることから、造血幹細胞移植後のウイルス感染やリンパ増殖生疾患等一部では行われているものの、一般的な治療法としては確立していません。
■課題解決に向けて
当部門の特任教授でもある河本教授の研究室では、これまでT細胞を多能性幹細胞から再生する方法を用いて、他家移植用の細胞傷害性T細胞(CTL)を量産し、がんの治療に用いる方法を確立してきました。これまでに、iPS細胞に外来TCR遺伝子を導入し(TCR-iPS細胞法)、そのiPS細胞から高品質なCTLを作製することに成功しています。この方法を難治性感染症に対する他家T細胞輸注療法に応用することで、ウイルス特異的TCR遺伝子を導入した多能性幹細胞から大量の治療用CTLをあらかじめ作成・凍結保存しておくことが可能となります。このように多能性幹細胞由来の遺伝子改変再生T 細胞を用いた、難治性ウイルス感染症に対する新規T細胞療法を確立することが当部門の目標です。これまですでにウイルス特異的再生T細胞の作成に成功しており、臨床試験に向けたCPCの準備も着々と進行しています。
寄附講座(部門)責任者のコメント
国際再生医療センター 免疫再生医学研究部門
川瀬 孝和
2021年4月に、当時クロスアポイントで当部門の教授を務めておられた京都大学の河本宏教授が当部門を立ち上げられてから3年が経ちました。クロスアポイントで普段京大におられる河本教授と現責任者である私川瀬の2人で始まった当部門は、当初がらんとした部屋に長机が1台、折りたたみ椅子が1脚、電話1台があっただけした。高橋センター長は勿論のこと、ひと足先に研究室を立ち上げておられたTR研究部門の三原教授の多大なご協力もいただきながら、本格的に研究活動を始められるまでには約1年を要しました。途中美山講師、その後金原、磯貝両技術員が加わってくれて、現在は順調にプロジェクトが進行しており、ご協力いただいた皆様には大変感謝しております。新型コロナウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスに対する各プロジェクトでは、各々のウイルス特異的再生T細胞の作成に成功しており、臨床試験に向けたCPCの準備も日々着々と進んでおります。今後も1日も早く、1人でも多くの難治性ウイルス感染症患者さんに有効な治療を届けることができるよう邁進していく所存です。