2020年度の 大学院生(博士後期課程)募集情報を公開しました
宮川研究室では精神疾患モデルマウスを使った最先端の脳科学研究が行われています。現在、2つの大規模な研究プロジェクトを進めています。また、世界有数の設備を誇る網羅的マウス行動解析施設として、国内外から共同研究を受け入れています。
大学院生は、宮川教授とスタッフ4名による丁寧な指導を受けながらこれらの研究に参加することができます。
大学院生は、宮川教授とスタッフ4名による丁寧な指導を受けながらこれらの研究に参加することができます。
宮川研の特徴
- 3年でも博士号取得可能!
本研究科の博士課程*は4年制ですが、優れた業績の大学院生を育て、3年での「早期学位授与」の申請を目指します。その一環として、研究室独自の方式で論文執筆の指導を早期から始めます。*現在、医学修士コースも2020年度開設に向けて準備中です。 - 学生に対する教員の人数比が高い!
大学院生にはマンツーマンで担当教員がつき、研究指導にあたります。 - 研究に専念!
研究補助員(現在9名)がマウスの飼育を担当します。大学院生がすべきは実験であり、「球拾い」をする必要はありません。 - 学費減免とTA制度!
基礎系専攻では入学金15万円+授業料年額80万円のうち年額50万円をもれなく減免されます。また、奨学のために年間54万円支給されるTA制度の利用が可能です。研究費が十分ある場合は、パートタイマーの研究補助員として、アルバイト収入(最大で10万円/月程度)を得ることも可能です。 - 積極的に学会へ参加!
旅費・参加費を補助します。海外の学会参加のチャンスもあります。
現在取り組み中の研究テーマ
- 神経過剰興奮による歯状回顆粒細胞の擬似未成熟化現象
宮川研究室では精神疾患の中間表現型の候補として「未成熟歯状回 (immature dentate gyrus; iDG) 」という現象を報告してきました。また、これまでに神経細胞の過剰な興奮がこの現象の誘引の一つであるとの仮説を提唱してきました。そこで、神経活動の正確な制御を行うことを可能とする光遺伝学 (Optogenetics) という手法を導入し、神経過活動と擬似未成熟化との関係性についての研究を行なっています。 - ストレスによる脳細胞の成熟状態変化のメカニズムと機能の解明
ストレスによって生じる不安・うつ状態やストレス反応に関わる脳内機構の解明を目指しています。特にストレスによって脳細胞の成熟状態が変化し得るという点に着目し、成熟状態の変化のメカニズムや、その変化がどのような脳の機能に関与しているのかについて明らかにしたいと考えています。 - 「過成熟脳」の分子基盤の解明
うつモデルマウスにおいて、海馬の細胞が過度の成熟状態となる「過成熟脳」が見出されたが (Koshimizu et al., 未発表)、そのメカニズムはほとんど明らかになっていません。インフォマティクス解析をはじめとした各種の解析手法を用い、その分子基盤を明らかにすることを目標としています。さらに「過成熟脳」を誘導・正常化する条件について探索を行っています。 - 脳のpHの低下は精神疾患の中間表現型か
精神疾患患者の死後脳のpHが健常者に比べて低いという報告が多くありますが、そのpHの低下は病態そのものを反映しているのか、混交要因(例えば、薬の服用や死戦期の状況など)によるアーチファクトなのか、議論は続いてきました。我々は、それらの混交要因の制御ができるモデルマウスを活用することで、脳のpH低下は病態なのかアーチファクトなのか調べています。 - 精神疾患における神経活動異常の解明
小型のマイクロスコープを用いて行動課題遂行中のマウス脳から神経活動を記録しています。この技術と、当研究室の行動実験施設、及びモデルマウスを組み合わせて研究を進めています。精神疾患様の行動異常を引き起こす神経活動の基盤を明らかにすることを目標としています。