第15回リハビリテーション専門医会学術集会 2日目
◆ パネルディスカッション 運動学習を巡って
2日目の「運動学習を巡って」のパネルディスカッションでは、才藤栄一先生よりいかに戦略的に運動学習を実践していくかが、システムとしての治療であるリハビリ医療に大切であるというお話をいただきました。そして長谷公隆先生より生理学的な視点から運動学習を理解すべく、小脳、大脳基底核の神経解剖とそれらが運動制御に果たす機能的役割につき概説していただきました。宇野洋二先生からは計算理論の視点からヒトの上肢の運動を取り上げ、運動スキルを獲得するための基本的なストラテジーをお話いただき、道免和久先生より臨床的な立場から運動制御と運動学習のメカニズムの理解の大切さをお教えいただきました。
短時間で理解するには難しい内容でしたが、リハビリを行う上での運動習の大切さを改めて認識致しました。最後の才藤栄一先生からの質問「こつとくせの違いは?」に先生方も困っていらっしゃる様子でした。 (花村美穂)
◆ 専門医の広告、脳卒中のリハビリ治療の先端
私は,今年,専門医となった清水康裕です.私にとって,第15回カレントトピックス&レクチャーは初参加でした.その中で第2日(10月26日)「専門医の広告」,「脳卒中のリハビリ治療の先端」を聴かせて頂きました.
「専門医の広告」では,横浜市総合リハビリテーションセンター伊藤利之先生,川崎医科大学リハビリテーション医学教室椿原彰夫先生のパネルディスカッションを聴かせていただき,専門医の歴史,変遷,これからの専門医としての役割を見出すことができた気がしました.
「脳卒中のリハビリ治療の先端」では,当大学七栗サナトリウム園田茂先生をはじめとする諸先生方の素晴らしいお話しを聴く機会を得ることができたことを幸せに感じます.リハビリのシステム,治療法など今後,自分自身が実際の臨床現場に役立てたい知識が数多くありました.
来年からも参加させていただくとともに発表させていただく立場になりたいと思います. (清水康裕)
専門医制度の変遷は、多少裏情報も流れてくる立場の人間にとってもわかりにくいものでしたが、伊藤先生の明晰な整理により、非常にクリアになったと思います。椿原先生の「本音」も楽しかったです、あとで「本音」部分をつつかれないか心配してしまいました。佐鹿先生の急性期の訓練量のRCTは急性期でのcontrolled studyの難しさを浮き彫りにして下さいましたし、衛藤先生の促通の研究は手技の頻度・量の設定にも話が及びました。宮井先生の多彩な研究展示の中で、ボバース法を客観的に眺める姿勢も込められていたこともリハビリの発展に繋がると感じました。 (園田 茂)