藤田体験記
東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学 三串伸哉先生 2003年3月に東京医科歯科大学歯学部を卒業し,なんとなく大学院にすすみ,なんとなく学位がとれればいいなと考えていた大学院1年目の夏過ぎ,講座の教授から藤田に行くように告げられました.そして翌2004年1月から2005年10月まで医学部リハビリテーション医学講座で主に摂食・嚥下について研修させていただきました. 研修前は慣れない地での生活や,卒後間もない歯科医師として臨床への不安,遠距離恋愛など悩みを抱えてはいたものの医局の先生の勧めもあり流されるように新幹線に乗りました. たどり着いた先はとても濃厚であたたかく,大人の世界でした.まず休止していた脳細胞を起こし,研究や学会発表のやり方,パソコンの使い方など,自分でものを考えることを一から教えてもらいました.自分しか気づかないと思う発見にいてもたってもいれなくなった夜もあり,知的探求心を満たす喜びを知りました.辛抱強く面倒をみていただいた才藤教授,馬場教授を始め医局の先生方の苦労は多大なものと思います.特に自分の研究について才藤教授に3時間超議論をしていただいた日のことは忘れられず,研究者としての姿を教えられた出来事でした.最近では自分も医局の後輩や学生の研究の指導をすることがあり,ますます当時の先生方の苦労を身にしみます. また,現在深く関わるようになった摂食・嚥下障害に対するリハビリの臨床の礎もこの研修期間に作られました.リハビリの考え方やテクニックのみでなく臨床家としての妥協のない姿勢,患者との接し方を見て学ぶことが出来ました. 更に,藤田は飲み会の姿勢もすばらしく,これについては是非見学や研修に参加し味わってもらうのが一番と思います.国内外問わず色々な先生たちと出会えたのも大切な経験でした. 総じて藤田での日々は自分の人生を大きく変えて引き上げてくれたものだったと思います.才藤教授の「世の中を変えろ(change the world)」の言葉を胸に,摂食・嚥下の分野で自分にしか出来ないことを続けたいと考えています .
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2008/9/19 Layouted by ON | ||||