藤田保健衛生大学での研修を終えて

北海道大学リハビリテーション科  濱田有紀先生

Tsushima_Dr はじめに,短期間の研修を快諾下さった才藤教授,園田教授,また親切にご指導頂きました藤田保健衛生大学医学講座の諸先生に心から感謝致します.

 私が研修させて頂いたのは2008年4月から9月の半年間で,藤田保健衛生大学病院,七栗サナトリウム病院各3ヶ月間と短い期間でした.
大学病院では摂食嚥下リハに限らず,様々な疾患について,患者様個人の長期的な生活を見据えたリハアプローチや新たな発見に繋がるデータ收集,アイディアから実践,臨床への反映に至るまでの創意工夫を短期間ながら勉強させて頂きました.
毎回のカンファレンス・ディスカッションの中で次々に飛び出してくる豊富な経験・知識に裏付けされたアイディア,満ち溢れるその熱気に圧倒されました.
一方で,毎週の嚥下回診ではVEの扱い方から丁寧に教えて頂き,VE/VFカンファレンスで,その所見から臨床訓練方法に繋ぐ考え方を教えて頂きました.大学院講義に参加させて頂けたことも大変貴重な体験となりました.
七栗サナトリウムでは回復期リハチームでの医師の役割,どのように情報・意見交換をする事でリハビリを進めていけば良いのか,また,ご家族・ご本人に対しどのような段階的な心配りが必要なのか等,細やかに指導頂きました.テーマごとの勉強会・ご家族への説明のシュミレーションは翌日から臨床に役立つ知識ばかりでより効率的な研修が出来ました.
また,病棟で直接御指導頂いた先生は,同期の先生と分け隔て無く,臨床家として大切にしなければならない多くのものを教えて下さいました.

定期的に開かれるセミナーでは常に新しい知識に触れる機会があり,国内外問わず沢山の先生・留学生が訪れ,活発な意見交換が行われていたことも印象的でした.懇親会では才藤先生をはじめ諸先生の臨床家としての貴重な御意を伺う事が出来,大変勉強になりました.

テキパキと進むVF検査,VE片手に行ったり来たりした嚥下回診,緊張の連続のカンファレンス,汗だくの神経ブロック,訓練室での装具併せ,学会前の手に汗握る予演会,賑やかで華やかな飲み会,着々と進められる研究検討会など,研修中の何気ない,いくつものシーンが思い出され,そのどれもが今の私に前に進む勇気を与えてくれます.
研修を終えてというタイトルなのですが自分としては「始まった」という感覚が強いです.半年間,多くのものを与え,見せて頂きました.随分,受け止めきれず,見逃してしまったものも数多くあるように思いますが,今は裾野で見えない頂を見上げつつ,コツコツと努力を重ねていきたいと思います.

右も左もわからない状況の私を導き,始めから一つ一つ教えていただいた医局の諸先生,セラピストの諸先生,看護師の皆様への感謝はつきません,公私にわたり支えて頂き,本当にありがとうございました.
藤田保健衛生大学リハビリテーション講座の更なる発展をお祈りしております.

 

2008/11/08 Layouted by ON