第3回リハビリテーション医学最優秀論文賞受賞

◆ 受賞者: 武田斉子先生

◆ 受賞論文: 武田 斉子, 才藤栄一, 松尾浩一郎, 馬場　尊, 藤井航, JB Palmer: 咀嚼が食塊の咽頭進入に及ぼす影響．. リハビリテーション医学 2002; 39: 322-330

◆ 2001年のリハビリテーション医学会学術集会で第1回の受賞を小口先生が勝ち取ったのがまだ記憶に新しいうちに、またも藤田リハビリテーションの嚥下グループの快挙です。 さて、次に続くのは誰でしょうか。

◆ 以下、本人からのコメントです。

◆ 　この度，2002年度の日本リハビリテーション医学会論文賞，最優秀賞を頂くことができました．このような名誉ある賞をいただきまして，ご指導頂きました才藤栄一先生や，一緒に研究を進めて頂いた嚥下研究班の諸先生方，査読に際して的確なご指摘を頂きました先生方に深く感謝し，御礼申し上げます．
　私は1999年11月から2000年3月までJohns Hopkins大学のJeffery B Palmer教授の元に留学させていただき，1997年にHiiemae先生（syracuse大学,NY）とPalmer先生が新しく提唱された固形物の咀嚼条件での嚥下モデル（Process model）をじかに教えて頂くことができました．また，そこでVF画像の見方や研究の進め方を勉強することができ，私にとってかけがえのない貴重な経験となりました．「咀嚼と嚥下」という研究はProcess modelを元に才藤先生にアイディアを頂き始まったものです．この研究を通して普段，私たちが何気なく行っている摂食・嚥下運動がいかに奥深く，未知のものであるのかを知りました．また，「飲み込む」ことだけでなく「噛んで食べる」という切り口で嚥下をとらえると，今までには討論されてこなかった課題があふれるように湧き出てきて，嚥下機構に対する興味は尽きないところであります．今後は咀嚼が嚥下に与える影響に加え，随意的な嚥下と反射的な嚥下の違い，嚥下障害者にとって安全な食物形態の開発や嚥下機能改善に有効な訓練法の考案など様々なテーマが課題として考えられます．私自身も微力ながら研究を続けていきたいと考えております．これからも藤田保健衛生大学リハビリテーション部門とともに嚥下研究班の活躍を期待致します．どうもありがとうございました．