医学生リハセミナー
2012年夏期医学生リハセミナーは8名の学生さんと4名の研修医が参加しました.
今回の目玉企画は「小児リハを体験しよう!」でしたので,長野県にあります信濃医療福祉センターでセミナーを開催しました.
参加者と開催地
名古屋大学1年:藤田保健衛生大学
名古屋大学2年:藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
京都大学4年:藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
信州大学5年:藤田保健衛生大学,信濃医療福祉センター
宮崎大学5年:藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
島根大学5年:藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
東京大学6年:藤田保健衛生大学,信濃医療福祉センター
研修医2年(三重建):藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
研修医2年(三重県):藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
研修医2年(島根県):藤田保健衛生大学,七栗サナトリウム
麻酔科医師(愛知県):信濃医療福祉センター
セミナー内容(一部をご紹介)
小児リハを体験しよう!
肢体不自由児・重症心身障害児の入所・外来療育の現場(信濃医療福祉センター)を訪れました.
セミナー参加者と一緒に若手医局員2名も参加し,大変貴重な体験をしました.
・リハ訓練見学:重症度の異なる大勢の患者さんにお会いしました.
・母子入院棟見学:入院中のご家族にお会いして,お話しを伺いました.母子入院を通して学ばれたことを教えて頂き,小児リハの意義を再確認しました.
・嚥下造影検査見学:成人で行う検査との違いを考えながら見学しました.
・小児リハ実習:小児リハ指導医と共に促通手技などを体験しました.
参加者の感想
1)小児リハの特に実習が面白かったです.体の動かし方や反射の利用法の基礎に触れることができました.4月の見学とは異なったものをまた見せていただき,とてもありがたかったです.患者さんを拝見した際に先生方が,時折気づいた点や注目点について語ってくださったのが特に勉強になりました.私が一人で漫然とみていただけではわからなかったポイントを知ることができました.先生方の医師としての,というよりもリハビリ医としての視点やまなざしに非常に感銘を受けました.「できることは何でもしよう」「なんとかしてより楽しく生活できるように」精力的にあらゆるものを利用し,試行錯誤を繰り返して取り組んでいらっしゃる姿が非常に印象的でした.リハビリに興味はわきました.先生方がどのように「リハビリ医としての着眼点」を身につけられたのか・・・元々お持ちだったのか,なども伺えばよかったな,と今は思っております.もしも,もう少し長期の見学が可能であるならば,患者さんの診察やゴール設定,処方などに関わり,変化を見ることができたらよいな,と思います.セミナーでいろいろな内容を見学させていただけたのはもちろんですが,何よりもありがたかったのは,先生方が懇親会にまで時間を割いてくださって,直にたくさんのお話を伺い,人生の先輩としてのアドバイスをいただけたことでした.今後リハビリに進むにせよ,他の道に行くにせよ,先生方から伺えた言葉が今後どこかできっとまた思い出されるだろうと思いました.本当にありがとうございました.
2)セミナーに参加する前は,リハ医=整形外科医というイメージで,外科ができなくなった整形外科医がなるものと思っていました.セミナーを参加して勉強させて頂いた後では,リハ医は全身管理,リハビリの方向性を決定する医師であり,また,患者の生活まで必要なら介入する総合診療医的な医師であると思うようになりました.急性期の治療も必要だが,回復期の治療もあり,また,そこに医師がいるということが勉強になりました.さらに,リハ医が能力獲得を目指すものであることは,目からウロコでした.リハ医・医療に興味を持ちました.またできれば,患者さんがリハをうけることでどれだけ回復するのかが見てみたいです.リハの効果を体験してみたいです.全体としては,概要をよく見え,楽しいセミナーになりました.セミナーに参加させて頂き,ありがとうございました.
3)摂食嚥下に興味があり参加したが,脳卒中患者さんへの様々なリハビリをみてすごく興味が湧いた.ベテランの先生から若手の先生までリハ医としてのお話を3日間じっくり伺う事ができ,楽しかった.神経内科をしっかり学んでまたリハビリにふれたい.
4)実際にリハビリ医がどういうことをされているのかイメージできた.ロボットの仕組みは難しかったけど,それをリハビリに活かしてどう患者の回復の効果につなげるか,それも楽しんで継続してもらうかと言う考えはとてもシンプルで臨床的だと思った.
(バランス練習アシストロボット体験実習)
5)オリエンテーションはリハ科が何をしているかとかが具体的にわかって楽しかった.歩けない人が歩けるようになっているのをみていてすごいと思った.全体を通して新しいことばかりで楽しかった.
6)動作解析,嚥下3DCTなどの新技術は単純に凄いと感じたので面白かったです.リハビリカンファレンスは自分に知識がなかったので面白く感じられませんでしたが,病院の活動の雰囲気を感じることができて有意義でした(セミナーから外した方がよいという意味ではない,ということです).信濃医療福祉センターという自分の大学にごく近い施設で全国から母子入院を受け入れておられることを知ることができました.また忍耐強いリハビリに頭が下がる思いを感じました.以前からリハビリ医学に関心がありましたが,リハビリの主役は理学療法士・作業療法士であり,リハビリ医には大した役割はなく第一線を退いた整形外科医や脳外科医がなるものだ,という先入観がありましたので,リハビリ医学を専門とすることにはためらいがありました.しかし,今回のセミナーに参加して,リハビリを十分に理解した医師によるマネジメントはリハビリの成績が向上させるために重要であることがわかりました.また,家庭医や総合内科医となることにも関心があったのですが,そのような関心はリハビリ医となってリハビリ中の患者さんの健康管理を行うことを通して生かすことができる,という指摘も新鮮に感じました.このように今回のセミナーではリハビリ医となることの魅力を大いに感じ取ることができました.おかげでリハビリ医を目指すことを真剣に検討したいと考えるようになりました.どうもありがとうございました.
7)昨年,リハに興味を持ちましたが,学校の講義がまだで,ポリクリもまだ始まっていなかったので,いきなり病院見学をするのは迷惑かなと思っていました.そんな中で,このセミナーの存在を知り,今の自分に最適なセミナーなのではないかと期待をもって来ました.実際に来てみると,期待以上の内容で大変勉強になりました.また,それ以上に,どの先生方も優しく,どんな質問にもきさくに答えて頂けて,セミナーの内容以上に知れたことが多かったです.研究内容,仕事内容,手技の実習なども十分勉強になりました.もっと知りたかったのは,リハ医の1日,1週間,1ヶ月のスケジュール(もしくは10年単位のプランなど)などで,自分がリハ医に進むと決めた場合どんな働き方をするのか,どんなキャリアプランを形成するのかを考えたかったです.このセミナーをもとに,次は他の病院(関西,福井など)も見学したいなと思います.もちろん,このセミナーもまた参加したいです.
(呼吸リハビリ体験実習)
8)今回は1日しか参加できなかったが,実際に見て回ったり体験したりすることが多く,とてもよい経験になった.次は3日間参加させていただけたらと考えている.
9)PTの方との対話で,PTと在宅,医療のあり方が理解できたのは有意義でした.麻痺の患者さんの身体診察を実践させていただいたのは貴重な体験でした.PT以外の職種の方のお話も聞いてみたいと思いました.無視についての講義を聞けたのはよかったと思います.意識の高い上級生たちと現場の先生の話を聞けたのが特に有意義でした.基礎知識はありませんでしたが,それでも理解できるように話してくださるので助かりました.前回,一日だけの体験でしたが,今回三日学べたことで,リハ医についてより広くかつ深く学べることができました.
10)一度,研修病院の都合がつけば1か月程リハで研修して一人の患者さんを診てみたいと思いました.
11)全体を通して,大学でのリハビリ,急性期,回復期のリハビリを見学できました.3日目では診察の様子や実際に患者さんを診察させて頂き,勉強になりました.リハの処方の様子とかも見学したかったです.リハの効果を知るには長く患者さんを診る必要があると感じました.回復期で患者さんを担当することも大切だと思いました.
2013.6.19