第28回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
日 時:平成23年2月5日(土)10:00〜
場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
名古屋市千種区千種2-17-18 TEL:(052)733-8112
(地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)
◎発表時間:発表7分(発表時間を厳守してください),質疑5分.
◎当日,会場にて下記受付をいたします.
1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.
[Windowsで動画の無い場合] Windows で作成された発表データをCD-RWやUSBで持ち込むこと
はコンピューターウイルスの感染リスクがある為,CD-Rでのファイル提出を推奨します.
発表40分前には受付に提出してください.ソフトはPower Pointで作成してください.
ファイル形式は,Power Point 2003 for Windows でお願いします.
[Windowsで動画のある場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.コンセント用電源アダプタを
ご用意ください.
[Macintoshの場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.出力端子接続アダプタおよびコンセント用
電源アダプタをご用意ください.
2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内のkey
wordsをつけてください)をご提出ください.
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.
当番幹事:
近藤克則
〒460-0012 名古屋市中区千代田5-22-35
日本福祉大学
TEL:052-242-3074/ FAX:052-242-3076
E-mail:kkondo@n-fukushi.ac.jp
地方会
一般演題 10:00-12:00 受付開始9:30
座長:藤田保健衛生大学七栗サナトリウム 園田 茂
1.脳卒中片麻痺患者に対する蛋白同化ホルモン投与の効果-FIM改善への寄与-
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
1岡本さやか,1園田 茂,2谷野元一,2冨田 憲,2藤井智司,1岡崎英人,1前田博士,1水野志保
1成田 渉,1田中貴志,1尾崎幸恵,1崎原尚子,3才藤栄一
蛋白同化ホルモン(以下AS)は通常訓練程度の運動負荷においても,筋肥大および筋力増強をきたすことがわかってきた.今回,当院回復期リハビリ病棟に入院した脳卒中片麻痺患者を対象にAS投与を行い,FIM改善への寄与を検討した.その結果,低FIM群ではAS投与がFIM改善に有用である傾向を示したものの有意差には至らなかった.FIM利得への諸変数の寄与をCART法で検討したところ発症後入院までの期間が長い群でAS投与がFIM改善に寄与していた.
2.延髄梗塞による摂食・嚥下障害に対して喉頭吊り上げ術と輪状咽頭筋切断術を行った1例
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 I 講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1伊東加弥子,1加賀谷 斉,2太田喜久夫,1柴田斉子,1尾崎健一, 1山之内直也,1平野 哲,
1米田千賀子,2尾関 恩,1才藤栄一
62歳女性.2004年に脳動脈瘤破裂に対してクリッピング術を行い,術後に右延髄梗塞による嚥下障害を認めた.普通食を摂取していたが, 食事時間の延長と夜間のムセが頻回になったことを主訴に当科を紹介受診した.嚥下造影検査では梨状窩残留が多く,混合物で誤嚥を認めた.保存療法の効果が不十分であったため,2010年9月に当院耳鼻科で喉頭吊り上げ術と輪状咽頭筋切断術を施行し,症状の改善を認めた.
3.頚髄損傷四肢麻痺者における自律神経過反射(Autonomic Dysreflexia: AD)時の免疫応答
1浜松労災病院リハビリテーション科
2吉備高原医療リハビリテーションセンター
3浜松医科大学リハビリテーション科
1杉山宏行,2古澤一成,3美津島 隆
高位脊髄損傷者にみられるADは交感神経系の賦活により主に全身性に高血圧が惹起される病態で,患者の日常生活に悪い影響を与えるため注意が必要である.そしてその誘因には膀胱や直腸への刺激が挙げられる.我々は排便時にADを生じた慢性期の頚髄損傷四肢麻痺者を対象とし, 排便前, 直後, 1時間後および2時間後のアドレナリン, ノルアドレナリンおよびコルチゾール, ナチュラルキラー(NK)細胞数とNK細胞活性を測定し,それぞれ上昇ないし上昇傾向を示した.文献的考察を加えて報告する.
4.320列マルチスライスCTを用いた嚥下手技の解析
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 I 講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学医学部歯科口腔外科
1柴田斉子,1稲本陽子,2岡田澄子,1才藤栄一,3金森大輔,1飯田貴俊,1Pattra Wattanapan,
2太田喜久夫,1加賀谷 斉
320列マルチスライス CT(320MSCT)により従来のVFでは得られない3次元での嚥下運動の観察が可能である.嚥下手技に精通した言語聴覚士1名を被験者として,5%w/vのバリウム液の嚥下を撮影し,嚥下手技実施時の嚥下運動のタイミングを比較した.メンデルゾーン手技では舌骨運動の軌跡と咽頭収縮のタイミングに,super supraglottic swallowでは舌骨の前方移動と喉頭閉鎖のタイミングに嚥下手技の有無による違いを認めた.320MSCTを用いた解析により,嚥下手技を指導する際の教示のポイントを明らかにし,手技の精緻化をはかることが今後の目標である.
5.膝離断術後に義足を処方し早期に家庭復帰させることができた一例
浜松医科大学リハビリテーション科
塚本穂波,入澤 寛,蓮井 誠,安田千里,山内克哉,美津島 隆
これまで下肢切断において膝離断は機能上,外見上の障害を残すことが多いとされており,選択されることは稀であった.しかし近年の義肢の改良により膝離断の有用性も見直されてきている.今回我々は左脛骨近位骨幹部の悪性腫瘍の40歳代男性に対して膝離断術施行後,早期義足装着訓練を行った.術後5週で杖歩行にて退院,術後7週で独歩可能となり,自宅マンションの4階まで手すりなしで階段昇降が可能になった.本症例について文献的考察を交え報告する.
座長:日本福祉大学 近藤克則
6.脳卒中患者におけるFIM排尿項目が1点から7点へ改善した症例の検討
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅱ講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウムリハビリテーション部
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
1尾崎幸恵,1岡崎英人,2登立奈美,2奥山夕子,3平野 哲,1園田 茂
脳卒中後にFunctional Independence Measure ( FIM ) 排尿項目が1点から7点へ改善する症例(大改善群)の特徴を検討した.H16年9月からH21年11月までに当院回復期リハ病棟に入院した初発脳卒中テント上一側性病変の1353名を対象とし, 大改善群20名, 入院時1点で退院時1-6点群319名,入院時排尿2点以上群1014名の3群を比較した.大改善群では若年,脳出血,左脳半球損傷が多く,待機期間が短く,FIM,麻痺の改善が大きかった.
7.脳性麻痺に対するボツリヌス毒素使用への私見
愛知県青い鳥医療福祉センタ−リハビリテーション科
岡川敏郎
脳性麻痺の痙性尖足に対してボツリヌス毒素注が保険適用が認められ多くの施設で使用されている.私どもでは踵は接地するが歩行効率は低下しているのを経験した.一方過緊張によって起こる痛みやその他有害な症状に対し注入頻度を少なくして効果をあげる努力をしている.症例をあげてボツリヌス毒素使用のあり方について考察する.
8.前頭葉機能低下により作業記憶障害をきたし,レボドパ内服により著明な改善を認めた1例
1鹿教湯病院神経内科
2鹿教湯病院心理療法科
1片井 聡,2平林 一
記憶障害は認知リハにおける重用課題である.今回我々は前頭葉機能低下により作業記憶障害をきたし,レボドパ内服が著効した症例を経験したので報告する.【症例】54歳,男性.2003年頃より,物忘れが出現.2006年,当院入院.【記憶検査】WMS-Rの言語性記憶97,視覚性記憶87,遅延再生95.数字の順唱は96パーセンタイル得点と保たれていたが,逆唱は32パーセンタイル得点と低下し作業記憶障害を認めた.三宅式記銘力検査は有関係対語5-9-7,無関係対語0-0-1と著明低下.【画像所見】脳MRI:両側前頭葉の軽度萎縮.脳SPECT:両側前頭葉の著明な血流低下.【経過】前頭葉機能を高める目的で,レボドパ450mgの内服開始.その結果,数字逆唱は96パーセンタイルと改善,三宅式記銘力検査も有関係8-10-10,無関係3-5-6と改善し退院.【考察】本例は前頭葉機能低下により,作業記憶障害をきたしたと考えられた.レボドパ投与による改善機序としては,前頭葉に存在するドーパミン受容体や中脳皮質辺縁ドーパミン系を介して前頭葉機能が高められたためと推測された.
9.「代行能力の評価 続報」
本郷眼科・神経内科
高柳泰世
何が出来ないかではなく何が出来るかがリハビリテーションの基本である.出来ないであろうとの憶測で能力を過小評価することは差別と考えられる.私は1昨年,色覚特性者の代行能力の評価について警察官採用基準は間違っていることを発表した.47都道府県県警本部から受験要項を取り寄せ,色覚に関わる身体要件の調査を行い,制限理由に関わる説明を求めたところ,各県警は人事委員会と検討の結果2009年から2010年にかけて大きな変革が見られたので報告する.
10.バルーニングに横向き嚥下を加えて食事摂取が可能となった延髄梗塞の1例
国立病院機構東名古屋病院神経内科
見城昌邦,榊原聡子,田村拓也,片山泰司,横川ゆき,後藤敦子,齋藤由扶子,饗場郁子,
犬飼 晃
左延髄梗塞にて高度嚥下障害を来した64歳男性.発症36日後当院に転院した.前院では嚥下訓練として間接訓練と棒つきのあめをなめる直接訓練を受けていた.当院の初回嚥下造影検査では輪状咽頭筋の弛緩不良でほとんど食道に送り込めない状況で,バルーニングを施行,1ヶ月後の再検で咽頭左側から食道への送り込み不良,右側からは送り込めることが確認された.左横向き嚥下での食事摂取とし徐々に食事形態のアップができた.
総会
13:30〜13:45
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00
「ニューロリハビリテーションと神経画像」
社会医療法人大道会副理事長、森之宮病院院長代理 宮井一郎先生
司会:国立長寿医療研究センター病院 近藤和泉
「リハビリテーションにおけるコーチングのエビデンスと実践」
東北大学大学院医工学研究科リハビリテーション医工学分野教授、副研究科長
出江紳一先生
司会:日本福祉大学 近藤克則
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.
◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.