第25回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
日 時:平成21年9月5日(土)10:00〜
場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
名古屋市千種区千種2-17-18 TEL:(052)733-8112
(地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)
◎発表時間:発表6分(発表時間を厳守してください),質疑3分.
◎当日,会場にて下記受付をいたします.
1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.
[Windowsで動画の無い場合] Windows で作成された発表データをCD-RWやUSBで持ち込むことは
コンピューターウイルスの感染リスクがある為,CD-Rでのファイル提出を推奨します.
発表40分前には受付に提出してください.ソフトはPower Pointで作成してください.
ファイル形式は,Power Point 2003 for Windows でお願いします.
[Windowsで動画のある場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.コンセント用電源アダプタを
ご用意ください.
[Macintoshの場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.出力端子接続アダプタおよびコンセント用
電源アダプタをご用意ください.
2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内のkey wordsをつけてください)をご提出ください.
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.
当番幹事:田中宏太佳
〒455-8530 愛知県名古屋市港区港明1-10-6
中部労災病院リハビリテーション科
TEL:052-652-5511 / Fax:052-652-9214
E-mail:Tanakahiro@aol.com および tanaka.reh@chubuh.rofuku.go.jp
地方会
一般演題 10:00-12:20 受付開始9:30
座長:愛知県青い鳥医療福祉センター 岡川敏郎
1.脳性麻痺児運動機能の客観的評価と訓練効果の検討
1信濃医療福祉センター,2杏林大学リハビリテーション科
1朝貝芳美,2高橋秀寿
GMFMとPEDIを評価し重症度別に分類検討した.対象は長期入院22例,平均年齢12歳.入院集中訓練21例,平均年齢5.2歳.長期入院例は年1回,入院集中訓練例は入院時と退院時の2回評価
した.長期入院例でGMFMとPEDIのセルフケアと移動とは相関関係にあった.PEDI社会的機能は
GMFM50%未満では自立度が低かった.平均38日の入院集中訓練でGMFM改善8例,不変11例,
悪化2例であった.GMFM変化なしの11例中10例はGMFCSⅣ,Ⅴの重症例であった.PEDIセルフ
ケアで増加1点3例,2点1例,2点減少1例,移動で1,2,4点増加は各1例,1点減少1例であっ
た.GMFM変化なし3例のPEDIでは変化がみられた.
2.当院に長期入院中の障がいのある児へのリハビリテーションと在宅移行の問題点について
長野県立こども病院リハビリテーション科
笛木 昇,原田由紀子,河野千夏
ICUやNICUでの集中治療後も長期に急性期病院に入院し,在宅移行への準備をしている障がいの
ある児が全国的に認められる.当院にて2008年5月から2009年6月までの期間,半年以上入院し
た児は32名あり,15名はNICUから(A群),7名はICUから(B群)継続入院している障がいのある児
であり,残りの10名は外科疾患等のため入院治療が必要であった(C群).死亡例3名,療育施設へ
の入院3名,基幹病院への転院2名,在宅へ移行できたのは4名であり20名は当院に入院継続中で
ある.体位の工夫(ポジショニング),呼吸理学療法,家族支援が主なリハビリであり,地域へ
の小児の維持期リハビリの啓蒙と訪問リハビリの充実が必要と思われる.
3.肺気腫を合併した肢帯型筋ジストロフィー患者にNPPV使用下運動療法を導入した一症例
1松阪中央総合病院リハビリテーション科,2同神経内科
1太田喜久夫,2大達清美
肢帯型筋ジストロフィーは,体幹筋・四肢近位筋の筋力低下や筋萎縮をきたし,その進行により
運動耐容能やADLが低下する疾患である.呼吸筋の低下をきたせば,活動性はさらに著しく低下す
る.今回我々は,肢帯型筋ジストロフィーに肺気腫を合併し,閉塞性換気障害にともなう呼吸不全
増悪のために急激なADL低下を認めた71歳男性症例を経験した.本症例に対しHOT療法に加えて
運動耐容能の改善を図るため,外来リハにてNPPV使用下運動療法を週1回の頻度で2ヶ月間実施
した.その結果,運動耐容能:6分間歩行距離(6MWT)は,介入前60mから介入後NPPV使用下
では100m,NPPVなしでも80mに改善した.
座長:中部労災病院 井上虎吉
4.三重県いなべ市日下病院における障害者自立支援法による筋電義手の装着経験
1日下病院,2川村義肢株式会社
1川村次郎,1大島典恵,1真野みどり,1北川大介,1森 建之,2山根好夫,2黒石義明
農作業中の事故にて右手(利き手)を前腕切断.受傷約1ヶ月後に義手訓練を目的として当院へ
転院.外見と機能の両面を備える義手の希望が強かったので障害者自立支援法の給付を申請した.
その給付を受けて,受傷約6ヶ月弱後に筋電義手を装着し,現在日常生活に使用中である症例を経
験しているので報告する.
5.労災保険における片側筋電義手の研究用支給について:平成20年度中部労災病院での作成状況
1中部労災病院リハビリテーション科
2労災リハビリテーション工学センター
3松本義肢製作所
1田中宏太佳,1中村恵一,1石綿真弓,1井上虎吉,2 木下勝令,3林 満,3溝手雅之
労災保険では,平成20年4月1日より3年間,片側上肢切断者に筋電義手を研究用に支給し,事
案の収集および分析が行われている.全国で11の医療機関が指定を受け,中部東海地区では中部
労災病院が協力医療機関となっている.年間の支給本数は全国で20本程度と決められている.平
成20年度に中部労災病院でこの労災保険研究用支給の対象になった前腕切断(手関節離断も含む)
患者は8例であった.その成績および問題点を述べたい.
6.液体一気飲みの嚥下動態に関する検討 ―大杯飲み大会チャンピオンの嚥下
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 I講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
3近森病院リハビリテーション科
4横浜病院リハビリテーション部
5東京医科歯科大学医歯学総合研究所高齢者歯科学分野
1尾関保則,1稲本陽子,1才藤栄一,2馬場 尊,2岡田澄子,1加賀谷 斉, 3和田恵美子,
4日野 工,5都島千明
液体の連続嚥下動態には分割型と持続型,両者の混合型があると報告されている.また,特殊
な嚥下としてsword swallowの報告もある.高知県では毎年どろめ(鰯の稚魚)の豊漁を祈願する
「どろめ祭り」が開催されている.この祭りでは「大杯飲み大会」が行われ,1升の酒を飲み干
す速さが競われる.今回平成20年の大杯飲み優勝者の嚥下造影を行う機会を得たため,その嚥下
動態を若干の文献的考察を含めて報告する.
7.嚥下造影検査で用いる検査食の誤嚥からみた難易度
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1加賀谷 斉,1尾崎研一郎,1才藤栄一,1尾関保則,1金森大輔,1田中貴志,1中山渕利,2馬場 尊
摂食・嚥下障害を疑われ,当院で嚥下造影検査をとろみ4ml,液体4ml,液体10ml,液体1口
コップ飲み,コンビーフ8g,コンビーフ4gと液体5mlの混合物の6種類の検査食のうちいずれか
2種類以上を用いて行った229例を対象とし,誤嚥からみた難易度を一対比較法を用いて比較し
た.とろみ4ml,コンビーフ,液体4ml,液体10ml,液体コップ飲み,混合物の順に誤嚥のリス
クが大きくなった.
座長: 名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部 鈴木善朗
8.ラットにおける血清肝細胞増殖因子の日内変動
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所生化学研究部門
3藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所リハビリテーション研究部門
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
1岡崎英人,2別府秀彦,2水谷謙明,2山口久美子,3近藤和泉,4才藤栄一,1園田 茂
肝細胞増殖因子 (HGF) は細胞分裂に関わる因子であり,近年筋細胞分裂への関与も明らかにされ
つつあるが,廃用性筋萎縮,その後の回復との関連は明らかにされていない.本研究では基礎
データとして通常活動状態でのHGFの変動を確認するため SD 系ラット ( 20匹,17週齢) に対し,
0,6,12,18時に各5匹ずつ解剖し,血清・筋肉中の HGF を測定したので報告する.
9.抗凝固剤による下肢皮下・筋肉内血腫をきたした3症例
聖隷三方原病院リハビリテーション科
和田陽介,佐藤友里,橋本育子,中村智之,加藤真理,片桐伯真
抗凝固療法中にはしばしば出血性合併症を伴う.我々はリハビリ科にて加療中にワルファリン
カリウムによると思われる下肢皮下・筋肉内血腫をきたした3症例を経験したので報告する.症例
1は37歳男性.CTにて左中殿筋の腫大を認めた.症例2は49歳男性.CTにて左股関節内転筋群の
腫大を認めた.症例3は80歳女性.CTでは両側大腿の皮下および筋肉の全体的な腫脹を認めた.
3例とも,安静とワルファリン中止にて改善した.血腫の診断,リハビリを含む治療について文献
的考察を加えて報告する.
10.片麻痺回復過程における錐体路tractographyの変化について
1刈谷豊田総合病院リハビリテーション科,2同脳外科,3同放射線技術科
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
1尾崎幸恵,2加藤恭三,1小口和代,3今田秀尚,4才藤栄一
拡散テンソルtractography は神経線維走行を3次元画像化するものである.脳出血片麻痺7例
の急性期(発症後平均6日)と1ヶ月後のtractographyとSIASを評価した.線維量の差(患側<健
側)の有無を視覚的に判別したところ,急性期有/1ヶ月後有3例,無/有2例,無/無2例だった.
麻痺の程度は無/無は軽度で,有/有では中等度から重度だった.発表では有/有と無/有の症例を
提示しSIASの変化と併せて考察する.
11.歩行の安定性を高めるための靴下・靴・靴紐の工夫について
長野県厚生農業協同組合連合会鹿教湯三才山リハビリテーションセンター三才山病院
1リハビリテーション科
2ファイブコンフォート
1泉 從道,1浅野昌宏,2松藤文男
脳卒中等の歩行障害に対する歩行訓練においては,着脱の簡便な靴が使用されることが多い.
今回,我々は歩行障害の患者の動作の安定性を高めるために,サポート力の強い5本指の靴下と安
定性の高い靴紐仕様のランニングシューズを処方したのでその結果を報告する.マジックバンドや
ファスナーを使用した靴よりも,紐靴を履き靴紐をしっかり締めた方が起立・立位・歩行の安定性
は高くなった.着脱を容易にするためにシューレースロックを利用した.またサポート力の強い
5本指の靴下の着用により,足趾の屈曲傾向が抑制され,立位の安定性が改善された.歩行訓練に
あたっては,足元から見直すという視点が重要と思われた.
座長: 星城大学リハビリテーション学部 安倍基幸
12.精神症状を契機にシャント術を行った続発性水頭症
長野県厚生農業協同組合連合会鹿教湯三才山リハビリテーションセンター三才山病院
リハビリテーション科
浅野昌宏,泉 從道
くも膜下出血後に水頭症を発症することがあり,歩行障害,認知機能障害,尿失禁などがみられ
る場合には続発性水頭症を疑い,頭部画像検査等を行うことが推奨される.今回,くも膜下出血後
に回復期病棟入院後,精神症状を契機に続発性水頭症を疑い,シャント術施行後に症状が改善した
症例を経験したので報告する.上記の3大兆候の出現・増悪がなくても,精神症状の変化が見られ
た場合には,水頭症の可能性を考える必要がある.
13.肺結核治療中に出現したリウマチ性多発筋痛症様症状を示した1例
済生会明和病院リハビリテーショ科
浜口吉克
肺結核の化学療法中にリウマチ性多発筋痛症様症状の四肢筋痛と筋力低下が出現した.経過中,
抗結核剤INHが原因と考え投与を中止し,非ステロイド系抗炎症剤投与と物療,理学療法で経過を
見た.その後,四肢の疼痛は改善した.筋萎縮と筋力低下および手指のこわばりは残存したが,
四肢拘縮は軽度でADLは維持できた.
14.意識障害を伴う脳血管障害患者に対するHead up時の脳血流動態の変化
浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
美津島 隆,山内克哉,入澤 寛
意識障害を伴う脳血管障害患者(CVA)に対して,座位刺激を負荷した際,意識レベルが改善す
ることは日常臨床において,よく経験される.今回,我々は,CVA6名,健常者8名に対して
Head upさせた際の前頭部の血流を近赤外線分光法を用いて測定した.その結果,Head up時には
,健常者では脳血流が減少するのに対して,CVAでは脳血流は増加した.CVAにおいて,座位
刺激は,前頭部の血流の改善させる働きがあり,意識レベルの改善に寄与している可能性がある.
15.慢性期脳卒中患者に対するダイナミックリハビリテーションの効果
浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
山内克哉,入澤 寛,安田千里,美津島 隆
慢性期脳卒中患者に対して,ダイナミックリハビリ(ジャンプ・片脚スクワット・速歩や走行)
の施行により歩行能力や筋力が改善するか検討した.慢性期脳卒中患者6名で,1回50分の訓練を
週2回3ヶ月施行した.訓練は,ジャンプ,片脚スクワット,昇降運動,速歩または走行を行った.10m歩行時間,6分間歩行,TUG(Time up and go),下肢筋力を評価し,歩行能力・下肢筋力の
改善がみられた事を報告する.
総会
13:45〜14:00
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00
「片麻痺への促通反復療法の理論と実際;効率的な神経路強化を目指して」
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
運動機能修復学講座リハビリテーション医学 教授 川平和美先生
司会:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座 才藤栄一
「脊髄損傷の歩行再建:装具療法からロボットまで」
藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科 教授 鈴木 亨先生
司会:中部労災病院 加藤文彦
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.
◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も
1講演あたり10単位が認められます.