第24回

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

日 時:平成21年2月7日(土)10:00〜

場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
    名古屋市千種区千種2-17-18  TEL:(052)733-8112
    (地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)

◎発表時間:発表7分(発表時間を厳守してください),質疑3分.

◎当日,会場にて下記受付をいたします.

1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.

[Windowsで動画の無い場合] Windows で作成された発表データをCD-RWやUSBで持ち込むことは
コンピューターウイルスの感染リスクがある為,CD-Rでのファイル提出を推奨します.発表40分
前には受付に提出してください.ソフトはPower Pointで作成してください.
ファイル形式は,Power Point 2003 for Windows でお願いします.

[Windowsで動画のある場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.コンセント用電源アダプタをご用
意ください.

[Macintoshの場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.出力端子接続アダプタおよびコンセント用
電源アダプタをご用意ください.

2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内のkey
wordsをつけてください)をご提出ください.

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について

1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.

 

当番幹事:青木隆明
     〒501−1194 岐阜市柳戸1-1
     岐阜大学医学部附属病院リハビリテーション部
     TEL:058-230-6333 / FAX:058-230-6334
      E-mail:ujimiya@gifu-u.ac.jp

地方会

一般演題 10:00-12:00 受付開始9:30

                     座長:上飯田リハビリテーション病院 小竹伴照

1.劇的な改善を認めた緩徐進行性脊髄硬膜動静脈瘻の1例

名古屋第二赤十字病院神経内科
眞野智生,安井敬三,長谷川康博

 症例:76歳男性.2002年より,頻尿及び尿失禁が出現した.5ヶ月後,運動・感覚障害を認め
た.他院にて,腰部脊柱管狭窄症と診断されたが,徐々に痙性対麻痺が進行した.2007年に精査
目的にて当院当科を紹介受診した.両下肢にてMMT4程度の筋力低下,腱反射の亢進,深部感覚
障害を認めた.造影腰椎MRIにて脊髄背面に多数のsignal voidがあり,選択的脊髄血管造影検査に
て胸椎Th7肋間動脈を唯一の流入血管とする硬膜動静脈瘻と診断した.同部位の血管内塞栓術を
施行し,リハビリも開始した.術直後より感覚障害の改善,術後3日目より,下肢運動障害の改善
を認めた.歩行は杖歩行にて安定し,足間代の消失を認めた.頻尿は残存した.緩徐進行性痙性
対麻痺の鑑別には,本症を念頭において,精査することが重要であり,慢性期であっても回復の
可能性があることを考慮すべきである.

2.代行能力の評価

本郷眼科・神経内科
高柳泰世

 何が出来ないかではなく何が出来るかがリハビリテーションの基本である.出来ないであろう
との憶測で能力を過小評価することは差別と考えられる.警察官に関わる身体要件で長期に亘っ
て「色覚正常なこと」とされてきたが,2007年から漸く「弱度異常は可とする」と一歩前進し
た.去る9月,警視庁受験者が不可とされたことで調査して現状が明らかになったので報告する
とともに,改善を求めたい.

3.MIS-THAにおけるRapid Recovery Programの有用性

医療法人蜂友会はちや整形外科病院
蜂谷裕道,村田英明,村松孝一,原田理人,鬼武宏行,高藤安明,小川純子

 早期離床,早期社会復帰を目指して,2003年5月より低侵襲人工股関節置換術を開始した.
しかし,思ったより早期退院には効果が認められなかった.そこで2006年4月より術前教育を基
軸としたRapid Recovery Programを採用した.その効果の検証として通常の後療法16例とRapid
Recovery Programを採用した51例の術後成績を比較検討した結果,Rapid Recovery Programを
採用した症例で階段昇降,屋外歩行等が有意に早まり,早期退院が可能となっていた.

4.頚髄損傷に末期胆管細胞癌を合併したものの自宅退院に至った1例

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学大学七栗サナトリウムリハビリテーション部
3藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
平野 哲,岡本さやか,2青柳美雪,2鈴木 享,2日間賀雅恵,2伊藤理絵,岡崎英人,
前田博士,3近藤和泉,園田 茂,4才藤栄一

 症例は交通事故によりC5レベル残存の不全四肢麻痺を呈し,嚥下障害も合併して当院にリハビリ入院した68歳男性である.四肢麻痺と肩関節痛が重度であり,ADL全介助のままであった.
経過中に末期胆管細胞癌が判明した.疼痛コントロール,経管栄養の半固形化,家族指導,環境
整備などへのチームアプローチを行い,短期間で在宅生活に移行することで患者・家族のQOLの
向上を図れたため報告する.

               座長:浜松医科大学附属病院リハビリテーション部 美津島

5.片麻痺上肢の三次元動作解析装置による定量的評価の検討

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
2藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
尾崎健一,才藤栄一,加賀谷 斉,田中貴志,2大橋綾乃

 我々は三次元動作解析装置を用い,簡便で臨床応用可能な片麻痺の定量的評価法の開発を行っ
ている.今回,片麻痺患者18例を対象とし,片麻痺上肢の挙上距離と挙上速度を計測した.従来
評価法としてSIAS(Stroke Impairment Assessment Set)およびBrunnstrom Stageを用い,その
信頼性と妥当性を検討したので報告する.

6.Trail making testを繰り返した結果の検討

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 II 講座
2藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
成田 渉,園田 茂,2近藤和泉,1岡崎英人,岡本さやか,水野志保,前田博士,
平野 哲,名護 健,3才藤栄一

 高次脳機能障害患者の注意機能を評価する場合,患者の覚醒状態などにより検査値が変動する
ことがある.今回,注意機能障害の疑われた脳出血患者に対しTrail making test (TMT)を11日
間,朝夕2回行った.TMTの変動と,それに影響する可能性のある因子を検討したため,若干の
文献的考察を加えて報告する.

7.三重県における脳卒中地域医療連携の取り組みについて
 
   県内統一版脳卒中地域連携診療計画書と冊子の作成に至る経過と今後の課題

松阪中央総合病院リハビリテーション科,2同神経内科,3同脳神経外科
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 II 講座
5済生会明和病院神経内科
6三重県立総合医療センター神経内科
7市立四日市病院神経内科
太田喜久夫,2大達清美,3山中 学,4園田 茂,5濱口吉克,6鈴木賢治,7家田俊明

 平成20年4月から脳卒中においても地域連携診療計画管理料や退院時指導料が算定可能となっ
た.三重県においては,脳卒中患者の地域連携を実施する上で,連携先病院が重複する実態が予
想されたため,三重県統一版地域連携診療計画書を作成し合同情報交換会が開催できることを目
的に,平成19年7月に三重脳卒中医療連携研究会を設立した.約1年に渡る協議を経て,平成20年
6月に三重県統一版地域連携診療計画書と冊子を作成した.現在まで県内6計画病院と11連携病院
が運用を開始している.これまでの三重県内統一化への経過と当院における運用後の現状をもと
に,今後の課題について報告する.

.片麻痺児への自作PLS(Posterior leaf spring (PLS) )AFOの使用経験 

愛知県青い鳥医療福祉センター
岡川敏郎,栗田和洋

 Posterior leaf spring(PLS)は,solid AFOの背側を内外ともかなり後へトリミングして距腿関節
をフレキシブルにしたもので,立脚期に背屈を可能にする.背屈時のねじれを抑えるために後方
部分をプラスティックの重ね合わせという板ばねの形状にした自作PLSを片麻痺児2例に装用させ
たところ,言葉では表現できないが好んでつけて歩きたがった.また簡易式のPCI測定でも歩行効
率が改善していた.歩行能力の高い片麻痺児に有効と考えた.

9.ポリオ経験者に対するポストポリオ検診

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学リハビリテーション部
沢田光思郎,才藤栄一,横山通夫,2尾関 恩,2鈴木由佳理,2大塚 圭,3伊藤慎英,
加賀谷 斉,清水康裕,小野木啓子

 ポストポリオ症候群(PPS)の発症・進行予防のための適切な対処法確立を目的に,ポリオ友の
会東海と共同で,実態調査,検診,外来・入院での精査・運動療法・装具療法・生活指導を行っ
ている.これまでに精密検診をしたポリオ経験者は110人(男性38人,女性72人),評価時平均
年齢は60歳(47〜77歳)であり,Halsteadの診断基準でPPSと診断された患者は73.6%(81
人)であった.検診結果を報告し,その内容を考察する.

10.脳脊髄液減少症に対する検討とリハビリテーション

岐阜大学医学部附属病院リハビリテーション部
山岸宏江,青木隆明,清水克時

 外来紹介患者の中で,脳脊髄液減少症と診断され,リハビリテーションの依頼を受けた患者3名
と外傷性頸部症候群としてリハビリテーションを依頼された患者(関連病院も含め56名)につい
て, MRIによる評価比較と,効果的といわれるリハビリテーションの効果について検討した.さら
に献体遺体3体を使用し,時速15kmまで走行させ,そのときの頸部の衝撃の程度についての実験
結果について報告する.

総会

13:30〜13:55

研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00

「スポーツ選手の腰椎分離症」
岐阜大学医学部整形外科 教授 清水克時
先生

司会:岐阜中央病院 安倍基幸

「脳血管障害片麻痺の装具療法」
国立障害者リハビリテーションセンター病院
第一機能回復訓練部部長・研究所補装具製作部長 飛松好子先生

司会:岐阜大学医学部附属病院 青木隆明

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について

1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.

認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

◎認定臨床医資格要件

認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.