第23回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
日 時:平成20年8月23日(土)10:00〜
場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
名古屋市千種区千種2-17-18 TEL:(052)733-8112
(地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)
◎発表時間:発表7分(発表時間を厳守してください),質疑3分.
◎当日,会場にて下記受付をいたします.
1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.
[Windowsで動画の無い場合] CD-Rでのファイル提出を推奨します.発表40分前には受付に提出
してください.ソフトはPower Pointで作成してください.ファイル形式は,Power Point 2003
for Windows でお願いします.
[Windowsで動画のある場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.コンセント用電源アダプタを
ご用意ください.ファイルで提出したい場合は予め当番幹事に確認の上,前日までに事務局に
送付下さい.
[Macintoshの場合] ご自分のPCをお持ち込み下さい.出力端子接続アダプタおよびコンセント用
電源アダプタをご用意ください.
2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内の
key wordsをつけてください)をご提出ください.
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.
当番幹事:鈴木善朗
〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65
名古屋大学附属病院リハビリテーション部
TEL&FAX:052-744-2686
E-mail:meidaireha@gmail.com
地方会
一般演題 10:00-12:30 受付開始9:30
座長:名古屋市総合リハビリテーションセンター 小川鉄男
1.長野県諏訪地域における重症児地域療育ネットワークの現状と課題
信濃医療福祉センター
朝貝芳美
長野県地域療育ネットワークの拠点として信濃医療福祉センターがある.障害の重症度や種別に
よりニーズは異なるが,在宅重症児保護者からの当センターへの要望では短期入所,通園,医療
管理(緊急時の入院)に対する要望が大きい.しかし現状では少子化,医師・看護師不足から
ニーズに対応できず,デリバリーサービスによる在宅支援にも限界がある.地域の社会資源を活
用したネットワークづくりの現状と課題について報告する.
2.眼科難病疾患『網膜色素変性症の臨床』
本郷眼科・神経内科・名古屋大学公衆衛生学教室
高柳泰世
網膜色素変性症は網膜の周辺の杆体細胞の変性により夜盲・求心性視野狭窄を主症状とする.原
因,病理などは未だ解明されていない.名古屋市の統計では原因疾患のトップになってきた.予
防法,治療法など不明なため,JRPSと言う網膜色素変性症友の会が結成され,世界的な団体に
なっている.万能細胞移植など新しい研究が期待されるが,視覚障害の他に合併症のない症例に
ついては,視覚代行リハビリテーションが重要である.
3.多発外傷後に回復期リハビリテーション病棟において無症状のうちに発見できた大動脈弁
閉鎖不全症の一例
海南病院回復期リハビリテーション病棟
江崎貞治
胸部鈍的外傷に伴う外傷性大動脈弁閉鎖不全症については本邦では31例の報告があるがリハビリ
テーション分野では兵頭ら(Jpn J Rehabil Med 2007; 44: 36-39)の報告があるのみである.
それらの多くは心不全を発症して発見されている.今回我々は回復期リハビリテーション病棟に
おいて身体診察所見により胸部鈍的外傷に伴う大動脈弁閉鎖不全症を無症状のうちに発見し,治
療しえた一例を経験したので報告する.
4.弁膜症患者の術後急性期ADLにおける検討
1浜松労災病院リハビリテーション科,2浜松医科大学リハビリテーション科
赤津嘉樹1,山内克哉2,美津島 隆2
弁膜症の患者は心不全により活動が制限され冠動脈バイパス術後の患者に比べ,しばしば術後の
離床が遅延する.そこで弁置換術後患者17例のADLをFIMで評価し術後7日目のFIM80点以下の群
を遅延群(n=8),FIM80点以上を順調群(n=9)とし2群を後方視的に調査し比較した.患者背
景因子では術後在院日数で有意差を認めた.また術後7日目の血液検査(Hb,Ht,CRP)の値で
有意差を認めた.遅延群は炎症反応が高値であり,合併症の管理が影響したことが示唆された
.早期からの介入によりADLの向上を図ることが重要である.
座長:刈谷豊田総合病院 小口和代
5.嚥下造影施行後における胸部及び腹部レントゲン撮影の有用性の検討
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学大学医療科学部リハビリテーション学科
田中貴志1,加賀谷 斉1,馬場 尊2,才藤栄一1,横山通夫1,八谷カナン1,沢田光思郎1,
尾崎健一1
嚥下造影検査(VF)後の胸部及び腸内バリウム残留に対するX線撮影の有用性を,胸部はX線上
の誤嚥の有無と誤嚥量の関連について,腹部はX線上の貯留深度と摂取量の関連について検討し
た.胸部ではVF中に誤嚥を認めた30例中,誤嚥量1g以上でもX線上残留を認めない例が2例存在
し,残留を正確に評価しない可能性が示唆された.腹部では30例のVF施行例中21例に残留を認
め,摂取量と貯留深度との間に相関関係を認めなかった.
6.頭頚部癌に対する放射線治療中の筋力と栄養評価
浜松医科大学リハビリテーション科
山内克哉,入澤 寛,安田千里,美津島 隆
頭頚部癌に対して放射線治療を行った際に,嚥下障害や筋力低下を経験する.それらの症例に対
して,筋力と嚥下,栄養状態を検討したので報告する.対象は放射線療法のみが施行された頭頚
部癌患者10名で,放射線治療前,治療中,治療後の3回,上下肢筋力を測定し,嚥下,栄養状態
の評価を行った.経過中に,筋力は徐々に低下した.嚥下状態は悪化し摂食量・体重も低下した
が,食事形態を再検討する事で全例経口摂取可能となり退院した.
7.高度肥満を有する脳卒中患者の入院リハビリテーション
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム,2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座,4藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所
前田博士1,園田 茂1,岡崎英人1,岡本さやか1,水野志保1,平野 哲1,成田 渉1,
鈴木 亨2,近藤和泉4,永井将太2,奥山夕子1,登立奈美2,才藤栄一3
肥満は脳卒中の危険因子であるのみならず,リハビリテーション(以下リハ)の阻害因子でもあ
る.特に高度肥満を有しかつ麻痺が重度な症例では,リハ開始当初の起居動作,座位などにも苦
慮し,帰結予測が困難である.今回,高度肥満を有する脳卒中リハ症例の経過をまとめ,どこに
ポイントを置いてリハを行うべきなのか考察したので報告する.
8.橋出血患者のリハビリ予後
1 藤田保健衛生大学七栗サナトリウム,2藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所
3藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
4藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
水野志保1,園田 茂1,近藤和泉2,岡本さやか1.岡崎英人1,前田博士1,平野 哲1,成田 渉
1,鈴木 亨3,才藤栄一4
脳幹部出血では片麻痺,四肢および体幹失調などにより非麻痺部位が無かったり,感覚障害が強
かったりとリハビリテーションに難渋することが多い.今回,当院のデータベースを後方視的に
検討し,橋出血患者の意識障害が改善された時点でのSIASやFIMとゴール設定との関係,実際の
帰結との関係を考察したので報告する.
座長:中部ろうさい病院 田中宏太佳
9.ロボット(WPAL: Wearable Power-Assisted Locomotor)による歩行再建 − 第3報:従来型
装具との比較検討 -
1藤田保健衛生大学坂文種報德會病院リハビリテーション科
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
3藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
4藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
清水康裕1,才藤栄一2,鈴木 亨3,村岡慶裕3,田辺茂雄3,加藤正樹4,土本友香4,窪田慎治4
我々は脊髄損傷患者の歩行補助ロボットを開発中である.今回,3名の脊髄損傷患者に対して骨盤
帯長下肢装具(Primewalk)と歩行補助ロボット(WPAL)の歩行時のエネルギー消費を比較し
た.対象は28歳・T12,47歳・T11,56歳・T6である.双方の装具を装着下に歩行を行い,30
秒毎の移動距離,歩数,心拍数変化,エネルギー消費量(PCI),自覚的運動強度(Borg指数)を
比較した.いずれの症例でもWPALの方が移動距離は長く,エネルギー消費は低かった.WPALの
歩行能力も含めて報告する.
10.両下肢下垂足に対し,靴取り替え可能な両側支柱付き靴型装具を作製した1例
浜松医科大学リハビリテーション科
安田千里,入澤 寛,山内克哉,美津島 隆
症例は慢性炎症性脱髄性多発神経炎の18歳男性.両下肢下垂足に対し,靴取替え可能な両側支柱
付き靴型装具(革靴,運動靴)を作製した.従来使用していたプラスチック短下肢装具と比較し
,10m歩行で所要時間の短縮(9.4秒→8.5秒(革靴),7.8秒(運動靴)),速度の増加
(1.1m/sec→1.2m/sec(革靴),1.3m/sec(運動靴))及び歩容の改善を認めた.TPOに合
わせて靴の取替えが可能となり,デザイン面でも患者の高い満足が得られた.本例のような若年
者には有用と思われる.
11.ハムストリングス広範切除後,歩行獲得した大腿部滑膜肉腫患者の下肢筋力の推移
1浜松医科大学リハビリテーション科,2同整形外科
入澤 寛1,美津島 隆1,山内克哉1,安田千里1,西村行秀2
悪性腫瘍などでハムストリングスを全切除した場合でも,歩行能力を再獲得できることはこれま
で経験的に知られてきた.今回我々は滑膜肉腫によってハムストリングス全てを含む広範切除術
施行後の患者にリハビリテーションを行い,2週程度で独歩可能なレベルまで歩行能力を改善させ
ることを得た.本症例のリハビリテーション経過,および等速性筋力測定器,徒手筋力計を用い
て測定した下肢筋力の推移を文献的考察を交え報告する.
12.THA,TKA患者の術直前静的動揺性の検討
1順天堂大学医学部附属静岡病院整形外科,2同リハビテーション室
大林 治1,金子和夫1,佐藤広美2,小林敦郎2
末期変形性関節症例の人工股関節全置換術(THA)78例(男性15例、女性63例),人工膝関節
全置換術(TKA)50例(男性8例,女性42例)の術直前に,キネトグラビオコーダー(G-7100 アニマ
社)を用い30秒間の開眼静止立位による静的動揺性を重心動揺計により計測した.対照は健常者
37例とした.THA群では比較的若年から動揺性の悪化がみられるが,高齢者群では3群間に有意
な差はなかった.
13.ヒッププロテクターによる転倒・骨折減少効果に関する研究
1介護老人福祉施設ルミナス大府,2国立長寿医療センター整形外科.3同リハビリテーション科,
4あさひ病院整形外科
長屋政博1,原田 敦2,中澤 信3,猪田邦雄4
本研究では,介護施設入所の介助車椅子レベル以上の高齢者に対して,硬性および軟性のヒップ
プロテクターの2つの介入群を設定し,硬性プロテクター群では,対象者は137名,軟性プロテク
ター群では,対象者は148名と,246名のコントロール群との間で大腿骨頚部骨折率,他の骨折
率,転倒率について比較検討を行った.また調査開始時の血液検査および超音波骨評価と調査開
始後の転倒との関連を検討した.ヒッププロテクター装着群では,転倒がコントロール群に対し
て有意に少なかった.
総会
13:40〜13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00
「なおらないことをめぐって」
立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授 立岩真也先生
「疼痛性疾患に対してリハ医が行える手技」
名古屋大学医学部保健学科 教授 鈴木重行先生
司会: 名古屋大学附属病院 鈴木善朗
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.
◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.