第22回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
日 時:平成20年2月2日(土)10:00〜
場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
名古屋市千種区千種2-17-18 TEL:(052)733-8112
(地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)
◎発表時間:発表7分(発表時間を厳守してください),質疑3分.
◎当日,会場にて下記受付をいたします.
1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.
Windows,Macintoshいずれでも可能ですが,ソフトはPowerPointで作成してださい.
Windows で作成された発表データをCD-RWやUSBで持ち込むことは コンピューターウイルス
の感染リスクがある為,CD-Rでの提出を推奨します.発表40分前には受付に提出してくださ
い.ただしMacintosh 使用の場合,また動画データを使用される場合(Windowsであって
も)はご自分のPCをお持ち込み下さい.またMacintosh の場合は出力端子接続アダプタおよび
コンセント用電源アダプタをご用意ください.
2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内のkey
wordsをつけてください)をご提出ください.
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について
1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.
当番幹事:寺岡史人
〒384−0301 長野県佐久市臼田197
佐久総合病院リハビリテーション科
TEL:0267−82−3131 FAX:0267−82−9602
E-mail:sakuot@valley.ne.jp
地方会
一般演題 10:00-12:20 受付開始9:30
座長:佐久総合病院 寺岡史人
1.アイスマッサージによる嚥下反射惹起の促通効果
1聖隷浜松病院総合リハビリテーション科,2聖隷三方原病院リハビリテーション科
中村智之1,重松 孝2,橋本育子2,西村 立2,佐藤由里2,片桐伯真2,藤島一郎2
アイスマッサージは,嚥下反射を惹起する事で嚥下の基礎訓練としてだけでなく日常のケアでの
基礎的な手技として幅広く用いられている.しかし,現在までその根拠を得る研究はなされて
いない.今回,我々は嚥下造影時のアイスマッサージ施行時と非施行時に嚥下反射が惹起される
までの時間を測定し,施行時において有意に短縮する事,また,非施行時に嚥下できない患者に
アイスマッサージで惹起させうる事が判明した.臨床場面でのアイスマッサージの効果の根拠に
ついて報告する.
2.当科における嚥下造影の動向
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
横山通夫1,馬場 尊2,才藤栄一1,加賀谷 斉1,清水康裕1,八谷カナン1,鈴木孝佳1
当科における嚥下造影の概要を,診療録を用いて後方視的に調査し,その傾向を検討した.嚥下
造影を施行した患者数は1,112人.原疾患の内訳は脳卒中,その他の脳疾患,呼吸器疾患,神経
筋疾患の順に多かった.使用した平均のバリウム量は,胃透視検査の使用量に比べて約1/40で
あった.嚥下様式別の誤嚥率は命令嚥下(17.1%),咀嚼嚥下(11.0%)であり,中でも混合物
の咀嚼嚥下において高い誤嚥率を示した.
3.退院後長期にわたり経口摂取状況の改善が見られた嚥下障害例の報告
三九朗病院リハビリテーション科
小池知治
1例は延髄出血による球麻痺例で,輪状咽頭筋切開・喉頭挙上術を施行し,液体は増粘剤使用,全
粥・軟菜食摂取で自宅退院した.自宅では米飯・普通食形態の食材まで摂取可能となり,退院3年
3ヶ月後のVFでは機能上の改善はなかった.第2例は脳梗塞後の仮性球麻痺である.ゼリー食以上
の経口摂取はできず胃瘻増設した.退院後自宅では徐々に経口摂取を増やし,退院1年2ヶ月後の
VFで嚥下機能の改善を認めた.退院後の指導評価の重要性を示す例と考えられた.
4.当院摂食・嚥下リハビリテーション介入症例の発熱に関する検討
聖隷三方原病院リハビリテーション科
重松 孝,藤島一郎,片桐伯真,大野友久,黒田百合,佐藤友里,西村 立,橋本 育子
嚥下リハ中に発熱を認めることがあるが,誤嚥が原因とは限らない.当院の嚥下リハ介入症例で
誤嚥関連とそれ以外の発熱について検討した.2007年8〜11月に嚥下リハ介入症例の中で,発熱
症例を対象に原因と発熱後の対応を後ろ向きに検討・考察した.嚥下リハ介入した約120症例中,
約30症例に発熱を認めた.約半数が誤嚥関連発熱,それ以外は誤嚥とは関係ない発熱であった.
詳細について報告する.
座長:長野県立総合リハビリテーションセンター 清野良文
5.変形性股関節症患者の三次元トレッドミル歩行分析
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
山村怜子1,加賀谷 斉1,才藤栄一1,米田千賀子1,村岡慶裕2,大塚 圭2,杉 優子3,
山上潤一3
変形性股関節症患者56名(平均身長154cm,男性9名・女性47名)に対し三次元動作解析装置
KinemaTracer®を用いてトレッドミル歩行分析を行い,股関節マーカの水平面・前額面のリサー
ジュ図形を健常成人と比較した.左右の体幹動揺の大きい症例では水平面リサージュで健常者と
左右逆の図形パターンがみられるなど,リサージュ図形を用いることで変形性股関節症患者の
異常歩行をある程度視覚的にとらえることが可能であった.
6.尺骨神経麻痺の障害部位診断に必要な電気生理学的検査の検討
JA長野厚生連佐久総合病院リハビリテーション科
西 眞歩,蔵島牧子,宍戸康恵,寺岡史人, 須藤恭弘, 細谷直人
尺骨神経麻痺は症状から障害部位を診断することが困難なことが多い.また肘部尺骨神経麻痺,
Guyon管症候群とも様々な病態が混在しており,その鑑別が治療において重要となる.2002年6
月〜2007年5月に当科で電気生理学的検査を施行した尺骨神経麻痺が疑われる70例(男性47人,
女性23人,平均年齢59歳)について,障害部位診断を再検討し,必要な検査項目について検討し
た.肘での短分節刺激法と,第一背側骨間筋導出による運動神経伝導検査,背側皮枝の感覚神経
伝導検査は簡便に施行可能であり,診断の際に有用である.
7.外傷性脳損傷後の痙縮に対しバクロフェン髄腔内投与療法を施行された一例
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
岡崎英人1,園田 茂1,鈴木 亨1,岡本さやか1,前田博士1,水野志保1,沢田光思郎1,
才藤栄一2
バクロフェン髄腔内投与療法(Intrathecal baclofen therapy: ITB)は2006年から日本でも保険適応
となった.しかし,まだその症例数は少ない.今回,外傷性脳損傷後の痙縮に対し他院でITBを施
行され,当院にリハビリを依頼された一例を報告する.症例は35歳男性,受傷後12年経過した痙
性四肢麻痺患者であり,ITB施行1ヶ月後に当院に転院した.体幹の筋緊張低下による歩容の増悪
を認めた.ITB療法につき考察する.
8.小児脳性麻痺患者に対する知覚連動性足底板の使用経験
1名古屋市西部地域療育センター,2名古屋市立大学病院,3名古屋市児童福祉センター
多和田 忍1,和田郁雄2,石井 要3
知覚連動性足底板(Sensomotorische Einlagen)は固有受容器足底板(Propriozeptive Einlagen)とも
言われ,足底の固有受容器(筋紡錘,ゴルジ腱器官など)を刺激することにより痙直型麻痺患者の
筋緊張をコントロールし,適切な姿勢や歩行運動パターンの学習を促すことを目的に開発された.
我々はこの足底板を小児脳性麻痺患者に使用し,歩容改善に顕著な効果を得ることができたので,
その効果と適応につき報告する.
座長:鹿教湯三才山リハビリテーションセンター 太田 正
9.当科における初期研修医ローテーションの現状と課題
JA長野厚生連佐久総合病院リハビリテーション科
寺岡史人,宍戸康恵,蔵島牧子, 西 眞歩, 須藤恭弘, 細谷直人
当院では昭和43年の臨床研修病院指定以来,一貫して全科ローテーションによる初期研修を実施
してきた.当リハビリテーション科においても,昭和62年日本リハ医学会専門医が就任して依頼
,原則2週間のローテーション研修を行ってきた.当時の研修では,リハ医学の基礎知識の習得と
ともに,在宅ケア体験が大きな役割であり,平成10年に実施したアンケートにおいて高い評価を
受けた.最近では,初期研修の必修化に伴い,全員のローテーションはないが,多くの初期研修医
が2-4週の研修を希望してくれている.歴史と現状を概括し,当科が今後初期研修において果たす
べき役割を考察する.
10.愛知視覚障害者援護促進協議会における高齢視覚障害者のリハビリテーション
1本郷眼科・神経内科・NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会
2日本医療福祉専門学校・NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会
3NPO法人愛知視覚障害者援護促進協議会
高柳泰世1,3,坂部 司2,3,山本潔3
私は1973年に本郷眼科を開設し,1998年から2007年までの8年半,名古屋大学病院眼科外来にローヴィジョン・リハビリテーション外来を開設して頂き,ローヴィジョン・リハ外来を担当した.我が国の高齢化は相当進んでいるが,名古屋市の高齢化と中途視覚障害者の高齢化の実状を示し,立場の違う大学病院と開業医として患者と対峙している眼科医療機関における眼科リハビリテーションのあり方などについて述べる.
11.非麻痺側へのミトン着用により重度片麻痺が改善した3例
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
岡本さやか1,園田 茂1,鈴木 亨1,岡崎英人1, 前田博士1,水野志保1,沢田光思郎1,
才藤栄一2
Constraint-induced movement therapyに関しては,分離運動レベルの片麻痺患者の非麻痺側を
抑制し,麻痺側を強制的に使用することにより麻痺改善を得たという報告が多い.今回我々は,
認知障害のためやむなく非麻痺側にミトンを常時着用していて,重度片麻痺が改善した3例を経験
した.若干の考察を加えて経過を報告する.
12.神経膠芽腫でリハビリ,内服化学療法を入院にて治療した経験
1尾張健友会千秋病院脳神経外科,2同リハビリテーション科
平井長年1,長谷川真基2,島本慶子2, 鈴木真子2
脳腫瘍の化学療法は1年前に内服薬テモゾロミドカプセルが発売され外来で使用可能となった.75歳男性、後期高齢者であるが認知は保たれ神経膠芽腫の悪化も無い.重度片麻痺にて在宅が
困難なため療養病棟へ入院しながらリハビリ,化学療法を希望した患者を経験した.リハビリの
現場で今後出てくると思われ報告する.維持療法を3クール施行し腫瘍の増大はない.副作用は全
身倦怠感,消化器症状やリンパ球減少を認めた.リハビリでは短下肢装具,歩行具使用し歩行可能
であるが化学療法後はADLが低下する.
総会
13:40〜13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00
「脳性麻痺療育の現状と新たな戦略」
信濃医療福祉センター 所長 朝貝芳美 先生
司会: 輝山会記念病院 近藤和泉
「米国リハ医療における筋骨格神経疾患と痛みの管理」
関西医科大学リハビリテーション科 教授 吉田清和 先生
司会: 佐久総合病院 寺岡史人
日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位として各10単位が認定されます.
1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.
認定臨床医資格試験を受験予定の方へ
平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も
1講演あたり10単位が認められます.詳細は,リハ医学6月号をご覧下さい.