第21回

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

日 時:平成19年9月1日(土)10:00〜

場 所:大正製薬株式会社 名古屋支店
名古屋市千種区千種2-17-18 TEL :(052)733-8112
(地下鉄桜通線:吹上駅下車徒歩12分,JR中央線:鶴舞駅下車15分)
(全館禁煙のためご協力願います)

◎発表時間:発表5分(発表時間を厳守してください),質疑3分.

◎当日,会場にて下記受付をいたします.

1)発表形式はPCによるプレゼンテーションのみとします.
Windows,Macintoshいずれでも可能ですが,ソフトはPowerPointで作成してください.
Windows で作成された発表データをCD-RWやUSBで持ち込むことはコンピューターウイルスの
感染リスクがある為,CD-Rでの提出を推奨します.発表40分前には受付に提出してください.
ただしMacintosh 使用の場合,また動画データを使用される場合(Windowsであっても)は
ご自分のPCをお持ち込み下さい.またMacintosh の場合は出力端子接続アダプタおよびコンセ
ント用電源アダプタをご用意ください.

2)演題抄録(A4サイズ1枚に収まるようにワープロにて400字以内の抄録,3語以内の
key wordsをつけてください)をご提出ください.

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について

1)本地方会参加により10単位が認定されます.
2)本地方会の筆頭演者は10単位が履修できます.

 

 

 

当番幹事:岡川敏郎
  〒452-0822 愛知県名古屋市西区中小田井5-89
     愛知県青い鳥医療福祉センター
     TEL:052-501-4079 FAX:052-501-4085
E-mail:okagawa@abox.so-net.ne.jp

地方会

一般演題10:00〜12:30 受付開始9:30

 座長:愛知県青い鳥医療福祉センター 岡川敏郎

1.肢体不自由児巡回療育相談事業-名古屋市において-

1名古屋市児童福祉センター,2愛知県青い鳥医療福祉センター,3愛知県希全センター
石井 要1, 岡川敏郎2,夏目玲典3

名古屋市において障害児に対する療育活動には種々のものが挙げられる.肢体不自由児に対して
の肢体不自由児巡回療育相談事業もこの一つである.障害児を取り巻く環境の変化の中で本事業
も変化してきた.地域療育センターの設置や地域支援センターの設立,平成18年に施行された
障害者自立支援法もその一つである.このような状況の変化に伴い本事業も平成18年度をもっ
て終了した.今回事業の経過を含めて報告する.

2.東海地区ポストポリオ実態調査

1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座,
2藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
沢田光思郎1,才藤栄一1,横山通夫1,尾関 恩2,加賀谷斉1,鈴木由佳理2,米田千賀子1
鬼頭弘明1,清水康裕1,山村玲子1,尾崎健一1

ポリオ罹患者の高齢化により,新たな筋力低下・易疲労性を呈するポストポリオ症候群に至る
患者が増加している.しかし,効果的な予防策・リハビリ方法は確立していない.そこで,
これらを検討するため,ポリオ友の会東海会員を対象にアンケートによる実態調査を実施した.
男女比,発症年齢,筋力の分布はポリオ患者会の全国調査結果(2003年)と類似していた.
ポストポリオに不安を抱く者は89%と高率であった.十分な評価と対策が急務と思われた.

3.弱視児童生徒の自立支援のための拡大教科書制作の現状と課題

1愛知視覚障害者援護促進協議会,2本郷眼科・神経内科,3日本医療福祉専門学校,
4愛知県立芸術大学
高柳泰世1,2,高柳哲也1,2,坂部 司1,3,柴崎幸次1,4

 私どもは昨年,「弱視児童生徒の自立支援のための拡大教科書製作の実践」という演題を出し
た.その後,拡大教科書製作法について文部科学省初等中等教育局教科書課,日本教科書協会,
義務教育教科書出版社,拡大教科書製作ボランティア,弱視当事者など様々な機会で議論を重
ね,ボランティア任せではなく,義務教育内での拡大教科書は国家予算内で教科書出版社が自社
出版として担当するのがよいとの結論に達し,愛知視覚障害者援護促進協議会開発の案を提出し
たので,その方法を報告する.

座長:輝山会記念病院 近藤和泉

4.脳卒中リハビリ帰結と栄養サポートチーム(NST)介入付加栄養量の検討

1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム,2藤田保健衛生大学医学部外科学・緩和ケア講座,
3藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
杉原勝宣1,園田 茂1,鈴木 亨1,岡本さやか1,岡崎英人1,水野志保1,前田博士1
笛吹 亘1,伊藤彰博2,東口高志2,才藤栄一3

当院では平成16年度よりNSTを導入している.われわれは既報としてNSTの助言が必要であっ
た脳卒中NST介入群において,介入の必要の無かった非介入群に劣らずFIMが改善したものの体
重増加には至らなかったことを報告している.今回,脳卒中患者に適切な投与カロリーを定める
目的で,付加栄養量を増強した9ヶ月間のデータを用いてNST介入群の帰結および栄養状態を検
討した.前回結果との比較も含めて報告する.

5.Full-time integrated treatment (FIT) programと環境要因

1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム,2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
園田 茂1,鈴木 亨1,岡本さやか1,岡崎英人1,前田博士1,水野志保1,杉原勝宣1
永井将太1,坂本利恵1,奥山夕子1,登立奈美1,川北美奈子1,松嶋文子1,才藤栄一2

2001年から2006年9月の脳卒中全入院患者2293名中,Full-time integrated treatment (FIT)
programを施行され,発症から8日-90日で入院,在院日数が8日以上,再発せず,転科レベル
の併存症の無い1109名を対象とした.6m廊下を含む訓練室一体型の2F(高環境)病棟684名,
理学療法訓練室の隣接しない3F(通常環境)病棟425名を比較した.平均在院日数,FIM運動項目
利得,FIM効率は高環境で66.1日,19.2,0.31,通常環境で66.3日,16.1,0.25であった.

6.脳卒中における患者背景とFIM efficiency の検討

1上飯田リハビリテーション病院,2名古屋大学神経内科
浜田健介1,八谷カナン1,小竹伴照1,嶋津誠一郎1,河合 仁1,脇田 彬1,岸本秀雄1
千田 譲2

2007年1~7月に当院を退院した脳卒中患者を対象に,入院期間中1ヶ月毎のFIMを調べ,その
変動値を日数で割り FIMe fficiencyを求めた.その上で脳出血と脳梗塞,失語の有無,入院時
FIMの高低,発症から当院入院までの期間などの患者背景がFIM efficiency に及ぼす影響につい
て検討したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

7.脳血管障害患者におけるADLの継時的変化急性期病棟から回復期リハビリ病棟退院
までの評価

1名古屋市立守山市民病院リハビリテーション科,
2津島市民病院回復期リハビリテーション病棟,3津島市民病院リハビリテーション室
紙本 薫1,佐藤ます子2,中里秀樹3

急性期型病院に回復期リハビリ病棟が新設された当院においては,ADLの回復過程を,急性期
から回復期リハビリ病棟退院まで一貫して追跡することが可能である.今回,脳血管障害患者
57例を対象とし,FIMを用いて急性期病棟でのリハ開始直後,回復期リハビリ病棟入党棟時なら
びに退院時の3時点での評価を必須とし経時的なADL評価を行い,その回復過程について若干の
考察を加えて報告する.

座長:聖隷三方原病院リハビリテーション科 藤島一郎

8.退院時経管栄養であった脳卒中嚥下障害の追跡調査

刈谷豊田総合病院リハビリテーション科,
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
尾崎健一,小口和代,藤本一恵,才藤栄一

5年間の急性期脳卒中嚥下障害患者のうち,退院時経管栄養が必要であった130例(平均年齢
77.8歳,NG群74例・胃瘻群56例)の追跡調査(平均発症後日数669日)を行った.退院時FIM運動
項目平均16.6点,胃瘻造設までの平均日数62.3日.調査時死亡例はNG群33例(44.6%),胃瘻
群27例(48.2%)であり有意差を認めなかった.(p=0.682) 経口移行はNG群17例(41.5%),胃
瘻群3例(10.3%)でありNG群で有意に多かった.(p<0.01)

9.直接嚥下訓練中における補助栄養法の現状と課題

聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院リハビリテーション科
稲垣倫子,中村智之,橋本育子,佐藤友里,西村 立,片桐伯真,藤島一郎

 摂食嚥下訓練中の補助栄養法については,必要水分量・栄養所要量を充たし栄養・全身状態を
改善させるだけでなく,嚥下機能への悪影響を最小限にとどめることが要求される.また,間欠
的口腔経管栄養法は機能訓練の側面も有するとされ,適応例に対しては積極的な導入が望まれ
る.今回,当院嚥下チームが介入した入院患者を対象に,訓練期間中の補助栄養法の実施状況
および問題点などを調査し報告する.

10.外耳道内での嚥下音測定の試み

国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科,2国際医療福祉大学熱海病院リハビリテーション科,
3国際医療福祉大学熱海病院呼吸器内科
原田竜彦,北川恒実2,清川 浩3,林 輝明2

 3人の嚥下機能正常な成人被験者を対象に,耳鼻科領域で使用する耳音響放射測定用マイクロ
ホン(Etymotic Resarch社ER 10B+と10C)を用いて,3ccの水を嚥下した際の音響を頚部およ
び外耳道内の音響を同時記録し比較した.嚥下音の主たる部分は双方でほぼ同様に記録された
が,外耳道ではこれに先行する短い音響が記録された.外耳道の音響記録は嚥下の長時間モニ
ターに活用しうると考える.

座長:中部労災病院リハビリテーション科 田中宏太佳

11.臭化ジスチグミンの長期投与中にコリン作動性クリーゼを発症した慢性期脳梗塞の1例

尾張健友会千秋病院リハビリテーション科,2尾張健友会千秋病院脳神経外科,
3尾張健友会千秋病院泌尿器科
長谷川真基,高木維治,平井長年2,瀧田 徹3

72歳男性,糖尿病,脳梗塞の既往あり.2005年3月脳梗塞再発,当時神経因性膀胱の合併あり
臭化ジスチグミン10mg/日の内服が開始された.その後当院での回復期リハを経て同年10月自
宅退院.外来通院中2006年12月14日意識レベル低下にて当院救急搬送.血圧低下,徐脈,縮
瞳,発汗過多と気道内分泌物増加及び低ChE血症等コリン作動性の症状に呼吸困難を伴い硫酸ア
トロピン投与が著効を示した.臭化ジスチグミン内服中は臨床症状や血清ChE値等,慎重なモニ
ターが必要である.

12.当院の神経因性膀胱に対する尿流動態検査

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座,
2藤田保健衛生大学衛生学部リハビリテーション学科
清水康裕,加賀谷斉,尾関 恩2,鈴木孝佳,尾崎健一,才藤栄一

神経因性膀胱を有した尿流動態検査の12年間のデータを検討した.対象患者は141名であった
.原因疾患は脊髄疾患53.9%,脳血管障害36.9%であり,脳血管障害の大脳病変と脊髄病変の
核上型は排尿筋過活動を含むものが多く,排尿筋過活動は全体の56.0%と過半数を占めた.排
尿筋低活動を多く認める病変は,脳血管障害の脳幹病変と脊髄病変の核下型は排尿筋低活動の
割合が高かった.

13.補足運動野障害患者の歩行獲得過程について

安曇野赤十字病院脳神経外科,2安曇野赤十字病院リハビリテーション科
中川福夫,宮島 武2,宮武正樹,堀内哲吉

(はじめに)補足運動野障害患者の歩行動作獲得過程の特徴を報告する.
(症例)73歳,男性.高血圧,高脂血症加療中.本年2月兄の見舞いで病院へ行き,14:30頃
立ち上がれないのに気づく.下肢に強い右片麻痺,失語を認め,CTで左前頭葉内側皮質下に血
腫を認め,当院脳外科へ転院,保存的に加療した.右下肢は,弛緩性麻痺.立位保持は右下肢の
弛緩性麻痺と体幹支持性の低下のため両側のLLBを必要とした.右手指に強制把握有り.左右の
判別が14日目に可能になるがすくみ足が生じたため段差昇降など目印のあるものを利用し,動
作の発動を促す.歩行と麻痺は同時に改善した.
(考察)補足運動野の障害患者は,動作開始の手段を探し出し動作練習を繰り返すことにより
動作獲得と麻痺の改善を促すと考える.

           座長:上飯田リハビリテーション病院リハビリテーション科 小竹伴照

14.陽・陰圧体外式人工呼吸器による術後呼吸管理を行った重度肺気腫の一例

浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
入澤 寛,美津島隆,山内克哉

重度肺気腫患者では術後抜管困難になることが多く,抜管できたとしても再挿管となることが多
い.今回重度肺気腫患者の術後に陽陰圧体外式人工呼吸器(以下RTX)を使用する経験を得たの
で報告する.症例は74歳男性,弓部大動脈瘤の診断で弓部大動脈人工血管全置換を施行され
た.既往に重度の肺気腫があり,術後2日で抜管後RTXを用い呼吸管理を行った.その後再挿管
されることなく動脈酸素化は良好であった.本例に若干の考察を交えて報告する.

15.当院に通院中の筋ジストロフィー症児のリハビリテーションについて

長野県立こども病院リハビリテーション科
笛木 昇,三沢朋子

当院では,通院中の福山型筋ジストロフィー症4例,Duchennne/Becker型進行性筋ジストロ
フィー症8例に対して,定期的な外来リハビリを行い,また定期的に入院させ,呼吸・循環器機
能評価,栄養評価,リハビリ指導を行っている.終日人工呼吸器管理,夜間の持続陽圧換気が必
要な児はそれぞれ一名であった.児の通っている保育園,学校へ日常生活での介助方法を指導し
ていく事は,在宅療養を維持するのに有用と思われる.

16.単心室患者における運動時動脈血酸素濃度動態と乳酸値

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
美津島隆,伊藤倫之,入澤 寛,山内克哉

 単心室患者ではその循環動態から動脈血酸素濃度が低く,そのため運動耐用能も低下し,運動
直後の乳酸値もすぐに上昇することが予想される.そこで24歳の男性単心室患者に対し,運動
負荷を行いその前後で乳酸値を測定したところ,運動後動脈血酸素濃度は著明に低下したが,乳
酸値はほとんど低下しなかった.当該患者では低酸素状態に対し,化学受容器の感受性が変化
し,低酸素状態に適応を獲得しており,末梢組織では十分酸素が充足している状態にある可能性
が示唆された.

17.大動脈瘤術後のリハビリテーションの検討

佐久総合病院
蔵島牧子,寺岡史人,樋端佑樹,宍戸康恵

当院の診療圏は長野県東部の農村山間地帯で高齢化が急速に進行している.最近5年間で28例の
大動脈瘤術後のリハビリテーションを経験した.平均年齢73.9歳(52-83歳),平均在院日数
97.8日,リハ実施前後の平均BI29.3点から65.8点に改善,自宅退院率85.7%であった.急性期
から回復期リハビリテーションの果たす役割について考察したので報告する.

総会

13:40〜13:55

研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演14:00〜16:15 受付開始13:00

機能評価について-医療保健尺度の実践的運用法-」
 輝山会記念病院 副院長
 近藤和泉 先生 

     司会:愛知県青い鳥医療福祉センター 岡川俊郎

リハ医必修の「脳卒中急性期治療の進歩-低侵襲治療の躍進と診断技術の向上-」
名古屋大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学 准教授 宮地 茂 先生

 司会:上飯田リハビリテーション病院 小竹伴照

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医生涯教育単位の取得について

1)ご自身の登録番号を確認する為, 生涯教育研修記録証をご持参下さい.
2)研修会参加により1講演毎に10単位が認定されます.
3)1講演(10単位)毎に受講料1,000円.

認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

◎認定臨床医資格試験を受験予定の方へ

平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.詳細は,リハ医学6月号をご覧下さい.