第42回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
一般演題開始時間が 9:30 (受付 9:00〜) となっております.
お間違いのないようご参加ください.
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開始時間:9:30(受付開始 9:00)
会場:名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
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日 時
平成30年3月3日(土)9:30 – 15:30
会 場
名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
事務局:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座内
地方会
日本リハビリテーション医学会地方会参加費・認定単位
地方会学術集会:参加費1,000円
学会参加10単位,発表筆頭演者10単位
地方会当番幹事:寺島宏明
〒509-7201 岐阜県恵那市大井町2725
一般演題 9:30 - 11:50 受付開始9:00
座長 市立恵那病院 寺島宏明
1.夜間安静時心拍数を用いた運動強度の推定
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
1松浦広昂,1向野雅彦,1才藤栄一,1加賀谷斉,1平野 哲,1大高洋平,
2青嶋保志,2鈴木卓弥 , 2犬飼絢香,2服部恵実,2小笠原隆行
心拍数を用いた運動強度の推定は,簡便であるが精度には限界がある.その原因の一つとして,計算の基準となる安静時心拍数が様々な要因で変動することが挙げられる.本研究では,健常者10名に対し装着型生体センサー(hitoe®システム)で測定した夜間就寝中の心拍数を用いて,運動強度(%HRR)を推定した.結果として,検査前に測定した心拍数を用いた場合に比べ,呼気ガス分析による運動強度との相関が高い傾向が得られた.
2.先天性橈尺骨癒合症に対する術後リハビリテーションについて
名古屋市立大学整形外科,リハビリテーション科
岡本秀貴,和田郁雄,水谷 潤,植木美乃,三井裕人,村上里奈,青山公紀,伊藤奈緒子,小林尚史 , 大塚隆信
有茎筋膜脂肪弁移植を用いた分離受動術(金谷法)後のリハビリテーションについて報告する.症例は7例9肢で手術時年齢は5歳〜11歳,右4肢,左5肢,前方脱臼1肢,後方脱臼6肢,脱臼なし2肢であった.術後3週間のギプス固定後に肘関節可動訓練および装具療法を行った.最終観察時の平均可動域は15.6°(回内33.9°/回外−18.3°)であり,中学生になると可動域が減少する傾向にあった.患児にいかに面白くリハビリをさせるかと親へのリハビリ指導が重要と思われた.
3.フェノール運動点ブロックおよびボツリヌス療法の治療適応の検討-足関節底屈トルクを用いて-
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
3藤田保健衛生大学医学部連携リハビリテーション医学講座
1前田寛文,2武田湖太郎,1園田 茂,1前島伸一郎,3岡崎英人,1岡本さやか
下肢痙縮患者に対するフェノール運動点ブロックおよびボツリヌス治療がどのような特徴の患者に有効であるかを明らかにするために,足関節底屈トルク測定を用いて検討した.対象は脳血管障害による下肢痙縮患者21名であった.評価指標は背屈角速度90度/秒と5度/秒のトルク値の差の治療前後での変化量とした.評価指標の中央値にて効果大群と効果小群に群別した.効果大群は,関節抵抗を構成する成分の内,非速度依存性である弾性成分の影響が少ないことが示唆された.
4.車椅子駆動中の座圧評価方法の予備的検討
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
2藤田保健衛生大学医学部連携リハビリテーション医学講座
3藤田保健衛生大学七栗記念病院リハビリテーション部
4藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1堀 博和,2岡崎英人,3中川裕規,3佐武佳美,3細江研作,3柳澤礼菜,
3田中雄大,3宮坂裕之 , 4武田湖太郎,1園田 茂
シーティングは,座位の保持性,快適性,移動性,外観,介護を維持または向上する目的で行われる.シーティングについての報告はこれまでも多数あり,静的な評価方法は十分検討されISO-16840-1などが評価として用いられる.一方車椅子駆動の評価についての報告はあるものの,標準的な評価方法はない.今回,健常者を対象に車椅子駆動中の座圧データを測定し,駆動中の坐位に関する情報を得られパラメータを検討したので報告する.
5.中途視覚障害者に対する歩行訓練士の重要性について
本郷眼科・神経内科
高柳泰世,坂部 司
視覚障害者の日常生活において,歩行は基本中の基本となる.私は1981年に愛知視覚障害者援護促進協議会を設立した折,最初に歩行訓練士の養成をして,中途視覚障害者に歩行訓練を開始した.しかし歩行訓練士という専門職はいまだにない現状である.私は1998年に愛知県立名古屋盲学校の眼科学校医となり,歩行の重要性を説き,歩行訓練士を臨時職員として導入していただき,現在に至っている.その経緯について述べる.
座長 市立恵那病院 細江雅彦
6.日本語を?国語としない中国語話者の失語症治療経験
1中伊豆リハビリテーションセンター内科
2中伊豆リハビリテーションセンター言語療法科
1水嶋和彦,2平林三和子,2田中真紀
症例は59 歳中国人男性,左被殻出血血腫除去術後,右片麻痺,失語症,摂食嚥下障害で発症51 日目に当センターに転院した.日本語能力は中学生以下の程度と推定された.
初診時評価では口部顔面失行や発語失行を伴う全失語と診断された.言語訓練は一貫して平仮名を避け漢字を主に使用し,配偶者も中国語話者であったが日本語が堪能であることから,訓練及び課題遂行に協力を仰いだ.その結果,語の理解は改善し,運動性失語の状態で退院した.
7.脳静脈血栓症による梗塞後にミオクローヌスを発症した一例
浜松市リハビリテーション病院
太城良子,重松 孝,高橋博達,藤島一郎
症例は68歳女性.頭痛と右上肢のしびれ・麻痺を主訴に受診.MRIで左前頭葉から頭頂葉の梗塞と,血管造影で矢状静脈洞の閉塞がみられ脳静脈血栓症が診断された.上肢動作で誘発される右上腕二頭筋・手指屈筋群のミオクローヌスがみられた.第59病日に当院回復期病棟に転院.脳血管障害によって不随意運動が生じることは古くから知られているが,脳静脈血栓症後に発症した例は少ない.その臨床経過について報告する.
8.当院における認知症サポートチームの活動について
1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
2名古屋大学医学部保健学科リハビリテーション療法学
1門野 泉,1杉山純也,1菱田愛加,1岡田貴士,1西田佳弘,2杉浦英志
当院では平成29年4月より認知症サポートチームの活動を開始した.構成員は医師(老年科,神経内科,精神科,リハビリテーション科),看護師,薬剤師,社会福祉士であり,入院患者の認知異常行動及び術後せん妄への対応を中心に行っている.症例を通し活動について報告する.【症例】60才男性.心不全治療のため入院.アルコール多飲によると思われる精神症状が入院生活や活動の障害となっていたが,チームの介入により身体活動の範囲が増加し病棟での規則に従った生活を送ることが可能となった.
9.当院における急性期脳幹部脳血管障害の摂食嚥下障害の帰結
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1赤堀遼子,1加賀谷斉,1柴田斉子,1青柳陽一郎,2小野木啓子,2尾関 恩,
1小川真央,1森 志乃 , 1溝越恵里子,1田矢理子, 1才藤栄一
脳幹部脳血管障害を発症後3日以内に当科を受診した患者の摂食嚥下障害の帰結を,電子カルテから後方視的に調査した.対象は当科に転科した症例を除く152例とした.原疾患は虚血性131例,出血性21例であり,病変部位は中脳 5,橋 121,延髄24, その他2であった.平均年齢は71歳,入院期間の中央値は18日であり,Dysphagia Severity Scale (DSS)の中央値は初診時5,退院時6,Eating Status Scale (ESS)の中央値は初診時 5,退院時5であった.
座長 岩砂病院・岩砂マタニティ 森 憲司
10.延髄梗塞後の食道入口部開大不全に対する輪状咽頭筋切除術およびリハビリテーションの検討
1鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院リハビリテーション科
2鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科
3鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院歯科口腔外科
1後藤暁子,2片井 聡,3小林健吾
延髄梗塞を発症後,食道輪状咽頭筋切除術を経て自宅退院した2症例:2009-11年(発症時59歳)および2016-17年(発症時72歳)を経験した.両者とも回復期病棟に半年以上の入院で積極的訓練を受けたが食道通過の改善が見られず,別医耳鼻咽喉科で輪状咽頭筋切除術を施行されたのち,食道通過を得られ,わずかでも経口摂取が可能となり自宅退院されている.この2症例から判断に苦慮した手術までの待機期間・手術の適応決定・術後訓練・機能予後など検討を加え,文献的考察を加え報告する.
11.術後に急速な転帰を辿った急性大動脈瘤解離(Stanford A)に対するリハビリテーションの一例
1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
2名古屋大学医学部保健学科リハビリテーション療法学
1杉山純也,1菱田愛加,1岡田貴士,1門野 泉,1西田佳弘,2杉浦英志
症例は69歳男性.突然胸痛を発症し急性大動脈瘤解離Stanford A型の診断で同日緊急手術.術後経過は順調で血圧は110mmHg前後で安定し主科担当医と相談の上,術後3日目に端坐位,術後4日目に歩行訓練を開始した.術後6日目に突然ショック状態になり死亡.死亡時画像診断で大動脈解離破裂による胸腔内出血が死因と考えられた.本疾患に対するリハビリテーションは病型により適応が分かれるが本症例はハイリスク群に相当した.訓練プログラムにつき主科と検証し,改善を行ったため報告する.
12.慢性期頚髄損傷者の嚥下障害について
1浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
2吉備高原医療リハビリテーションセンター
1渡邉浩司,1永房鉄之,1山内克哉,2古澤一成
目的:慢性期頚損者の嚥下造影検査(以下VF)の所見について検討する.方法:吉備高原医療センターで2010年3月〜2016年10月までの期間にVFを施行された脳病変のない頚損者のVF所見と,診療録を後方視的に調査した.結果:27名(男23名),平均年齢61.8歳.障害レベルはC3:5名,C4:12名,C5:7名,C6:3名.水の誤嚥は5名,喉頭蓋の反転なしが16名,咽頭残留は16名,食道入口部の開大不全は9名に認めた.考察:障害レベル,ASIA分類,手術有無と嚥下機能について考察したので報告する.
13.慢性期片麻痺患者に対して歩行練習アシストを使用し歩容改善が得られた2症例
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
3藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
1角田哲也,1平野 哲,1才藤栄一,2布施郁子,1波多野和樹,1舟橋怜佑,
1平岡繁典,3林 和弥 , 3加藤大典,3大迫春輝
藤田保健衛生大学とトヨタ自動車株式会社が共同開発した歩行練習アシストを用いて,異常歩行が目立つ慢性期片麻痺患者2症例に対して歩行練習を行った.介入前後で三次元歩行分析を行い,歩容の変化を比較した.2症例ともに初期より麻痺側下肢の荷重が不十分であったが,歩行練習アシストの経過とともに麻痺側つま先荷重割合の増加,麻痺側立脚時間の延長を認め,クリアランス確保のための代償動作が軽減した.歩行練習アシストは慢性期脳卒中片麻痺患者の歩容改善に有効である可能性が示唆された.
総会
12:50 - 13:10
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.
専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演13:15 - 15:30 受付開始12:15
新設医学部附属病院リハビリテーション科の取り組み
東北医科薬科大学医学部 室谷嘉一
司会:市立恵那病院リハビリテーション科 寺島宏明
医学・医学界における研究倫理・臨床倫理について
岐阜大学大学院医学系研究科 塚田敬義
司会:岐阜大学医学部附属病院 青木隆明
◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
研修会認定単位:1講演毎に10単位
受講料 :1講演(10単位)毎に1,000円
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円
◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.