第39回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

 

一般演題開始時間が 9:00 (受付8:30〜) となっております.
お間違いのないよう
ご参加ください.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

開始時間:9:00(受付開始 8:30)  

会場:名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

日 時
平成28年8月20日(土)9:00 - 16:15

 

会 場
名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
事務局:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座内

 

 


地方会

 

日本リハビリテーション医学会地方会参加費・認定単位
地方会学術集会:参加費1,000円
        学会参加10単位,発表筆頭演者10単位

 

地方会当番幹事:石垣泰則 
                   〒420−0061 静岡県静岡市葵区新富町5−7−6

                    城西神経内科クリニック


 

 

 

 

般演題 9:00 - 12:00 受付開始8:30 

 

座長 浜松医科大学医学部附属病院 永房鉄之

1.上腕骨病的骨折の手術治療における合併症と術後QOLについての検討
¹名古屋大学保健学科リハビリテーション療法学 
²名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科    
³愛知県がんセンター中央病院リハビリテーション科  
?愛知県がんセンター中央病院整形外科 
¹杉浦英志,²西田佳弘,²門野 泉,²岡田貴士,³吉田雅博,?筑紫 聡

  骨転移による骨折はがん患者のQOLを著しく低下させる.今回,がん骨転移患者に対して上腕骨切迫あるいは病的骨折により手術治療を行った患者の術後合併症と術後QOLを調査した.内訳は男性15例,女性15例,原発巣は乳癌8例,肝癌6例,食道癌3例,その他13例であり,手術法は髄内釘固定術13例,人工骨頭置換術10例,プレート固定7例であった.術後合併症と術後QOLについて検討を行なったので報告する.

 

2.偏心性寛骨臼回転骨切り術および大腿骨外反骨切り術の術後リハビリテーションを施行した高度肥満の2症例
¹名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
²名古屋大学保健学科リハビリテーション療法学
¹岡田貴士,¹門野 泉,¹西田佳弘,²杉浦英志

  偏心性寛骨臼回転骨切りおよび大腿骨外反骨切り術を同時に施行した高度肥満の患者2例に対して術後リハビリを施行したため文献的考察を含めて報告する.
症例1 13歳男性 入院時身長156cm 体重96.8kg BMI39.8kg/m2 と高度肥満を認めた. 術前のJOAスコアはtotal 58であり,術後3年の最終観察時ではJOAスコアはtotal 92と改善を認めた. 
症例2 40歳女性 入院時身長154cm 体重95.0kg  BMI40.1kg/m2 と高度肥満を認めた. 術前のJOAスコアはtotal 74 であり術後5年の最終観察時ではJOAスコアtotal 54と術前と比較して増悪が認められた.

 

3.当センターで行っている内反尖足変形に対する矯正手術
長野県立総合リハビリテーションセンター整形外科
上條哲義,清野良文,木下久敏  

  ボトックス治療や装具療法では矯正が困難な高度の内反尖足変形に対しては外科的治療が考慮されるが,足関節背屈再建の方法としては,後脛骨筋や足趾屈筋腱の移行術などが報告されている.しかしながら,術式が煩雑で長期的には筋バランスによる変形再発の問題がある.当センターでは前脛骨筋,短腓骨筋の腱固定による足関節外反背屈再建を考案したので実際の手術方法および,術後の経過について報告する.

 

4.脛骨骨折術後感染に対して抗生剤含有骨セメントを用いて治療した1例
鹿教湯病院整形外科
渡邉佳洋

  症例は42歳男性,牛に足を踏まれ受傷.右下腿骨骨幹部の閉鎖性骨折あり.横止髄内釘固定を施行.部分荷重中,スクリューが折損.感染徴候が出現.骨髄炎と診断し,再手術.抜釘,掻爬,洗浄した.エンダーピンを芯とし,TEIC含有セメントで髄内釘を作製し刺入.感染は鎮静化し骨癒合,抜釘した.骨髄炎に対して抗生剤含有の骨セメントは有効である.髄腔の死腔へ刺入でき,骨折部の固定が得られ,免荷期間を短縮できる.

 

5.適切な難易度調整が歩行能力改善に効果的であった化膿性脊椎炎後の一例
¹藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
²藤田保健衛生大学医学部連携リハビリテーション医学講座
³藤田保健衛生大学七栗記念病院
¹平岡繁典,2岡崎英人,3安藤 優,3水野佑美,1田中慎一郎,¹堀 博和,¹前島伸一郎,¹岡本さやか,¹淺野直樹,¹布施郁子,¹舟橋怜佑,¹八木橋恵,¹園田 茂

  症例は77歳男性.化膿性脊椎炎と診断され,椎弓切除術及び抗生剤による加療が行われ,発症59病日に回復期リハビリテーション病院に転院した.入院時,不全対麻痺を認め両金属支柱長下肢装具に股継手を装着して歩行訓練を開始した.麻痺の改善は乏しかったが,両四点杖と右足短下肢装具で歩行が可能となった.装具による難易度調整が効果的であったと考えられたため,文献的考察を加え報告する.

 

6.成人脊柱変形患者に対する後方矯正固定術後の筋力・歩行能力の推移
浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
永房鉄之,美津島隆,安田千里,蓮井 誠,高橋七緒,山内克哉

  成人脊柱変形患者30名(女28名,男2名,平均年齢 65.9歳)に対する胸椎から腸骨までの後方矯正固定術後の腰背部痛,筋力,歩行能力の推移を調査した.歩行時腰背部痛VASは術前と比較し退院時に有意に低下していた.腸腰筋筋力,大腿四頭筋筋力は共に術前と比較し退院時に有意に低下していたが,術後6か月までには回復した.10m歩行試験は術後12か月,6分間歩行試験は術後6か月で術前と比較し有意に改善した.

 

座長 城西神経内科クリニック 杉山育子

7.阻害因子が脳卒中患者のADL改善に及ぼす影響—入院時移乗自立度による違い—
¹藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学II講座
2藤田保健衛生大学七栗記念病院
¹岡本さやか,¹園田 茂,2奥山夕子,2渡邉 誠,2佐々木祥,¹前島伸一郎,¹岡崎英人,¹淺野直樹, ¹布施郁子,¹田中慎一郎

  脳卒中患者はさまざまな阻害因子を持っているが,それらがADL改善にどのような影響を与えるかについては,報告が少ない.今回,我々は,入院時ベッド車椅子移乗自立度に着目し,阻害因子が与える影響について検討した.移乗自立度により,阻害因子が与える影響は異なり,ADL改善も異なっていた.阻害因子を正しく評価することが帰結予測につながると思われた.

 

8.慢性期脳卒中片麻痺患者に対するバランス練習アシストの効果
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学 I 講座
角田哲也,平野 哲,布施郁子,才藤栄一

 藤田保健衛生大学とトヨタ自動車株式会社が共同開発したバランス練習アシストロボット(Balance Exercise Assist Robot:BEAR)を用いて,屋内歩行が監視以上の慢性期脳卒中片麻痺患者16例(右10例,左6例)に対してバランス練習を実施した.1回の練習は,各ゲーム(テニス,スキー,ロデオ)を4施行ずつ,週2回の頻度で8週間実施した.BEAR施行前後にて,下肢筋力については有意差を認めなかったが,TUG(Timed Up and Go Test),FRT(Functional Reach Test),快適歩行速度にて有意な改善を認めた.文献的考察を加え報告する.

 

9.特徴的な臨床症状を示した脊髄梗塞の3症例
中部ろうさい病院リハビリテーション科
渡邊友恵,田中宏太佳,八谷カナン

 脊髄梗塞は比較的頻度の少ない疾患である.当院で昨年度に経験した3症例の臨床経過について報告する.【症例】症例1は70歳男性の前 脊髄動脈症候群.症例2は36歳男性の後脊髄動脈症候群.症例3は5歳女児の横断性脊髄梗塞.【結果】初期評価は,症例1は C3残存ASIA Cおよび症例2 はTh11残存ASIA C,一方症例3はTh10残存ASIA Aであった.退院時,症例2のみ杖歩行を獲得し自排尿が可能となった.【結語】脊髄梗塞には様々な病態が存在し,病変部位や残存機能により予後が異なるため,適切な評価と介入が必要である.

 

10.自動車運転禁止後の移動支援に難渋した透析患者の一例
佐久総合病院リハビリテーション科
苅屋 朋,宍戸康恵,西 眞歩,藤井博之,太田 正

 脳損傷後の自動車運転再開への取り組みが近年盛んになりつつある.運転再開の可否判断は悩ましいことが多いが,半側空間無視など明らかに運転再開は危険と判断する症例も経験する.しかし,自動車での移動が当たり前となっている地方では運転が出来なければ生活が一変することも少なくない.そのため自動車運転の可否に加え,運転が出来ない場合に新たな生活の支援について検討する必要がある.今回は運転再開が困難と判断しその後の生活支援を行えた一例を紹介する.

 

11.長高齢者の肢体不自由身体障害者手帳の問題点
名古屋第一赤十字病院整形外科
大澤良充

 近年85歳以上の超高齢者の肢体不自由身体障害者手帳の申請件数が増えている.現在の肢体不自由認定基準は健康寿命以内の健常者のADLは基準となっているため,超高齢者には当てはめることは不適である.また超高齢者の廃用症候群は老衰という自然経過の側面もあり,健康寿命以内の廃用症候群と同等には論じられない.長高齢者に対する認定基準がない現状においては,何らかのルールに基づいて認定する必要があると考える.

 

12愛知県下肢体不自由特別支援学校の自立活動内容へのアンケート結果
中部大学生命健康科学部理学療法学科
岡川敏郎

 愛知県下の肢体不自由特別支援学校7校に自立活動の内容についてアンケートを行い62名の担当教師から回答を得た.最も活用していたのは,動作法と静的弛緩法ついで音楽療法であった.ボバス法やボイタ法のような医療サイドの手法は行われていなかった.医療専門職は勤務しておらず,医療情報は保護者からの間接的なものが多い.多くの教師が理学療法士・作業療法士との連携を希望しており,医療と教育の密な協力体制が必要と感じた.

 

座長 静岡県立静岡がんセンター 田沼 明

13.先天性頚部巨大リンパ管腫に対しハビリテーションを行った2例
¹名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科    
²名古屋大学保健学科リハビリテーション療法学 
¹門野 泉,¹岡田貴士,¹西田佳弘,²杉浦英志

 胎児期に頚部腫瘤を指摘され,術後より介入を行った2例につき検討する.@現在3歳9ヶ月の男児.右頚部に10×12cmのリンパ管腫.5ヶ月より訓練を開始,問題点は体幹保持困難・患側の上肢動作の稚拙さ・嚥下障害等があった.独歩獲得は1歳10ヶ月,常食摂取開始は2歳3ヶ月.A現在10ヶ月の女児.左頚部〜胸部に15×17cmのリンパ管腫,舌・下顎にも病変が見られた.6ヶ月より訓練を開始し前例と同様に体幹保持が問題であったが現在寝返り可能となり,嚥下障害に対しては直接訓練を行っている.

 

14.脳性麻痺児の重症度別骨代謝の経年的推移
信濃医療福祉センター
朝貝芳美

 対象:脳性麻痺例428例,GMFCSレベルU7例,V75例,W143例,X203例.年齢は平均6歳,男子258例,女子170例.経過観察期間は最長10年,平均3年1ヵ月,1783回検査した.方法:BAP,TRACP-5b,IGF-1,DIP法による中手骨骨密度の経年的変化を検査した.結果:脳性麻痺児レベルXではBAP,TRACP-5b,IGF-1ともに8歳頃からの増加に乏しく,骨密度も低かった.


15.食道内に陰圧を形成することで嚥下機能を改善する嚥下法(バキューム嚥下)の健常者での再現
¹浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション科
²浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション部
¹國枝顕二郎,²久保砂織,¹重松 孝,¹藤島一郎

 【はじめに】バキューム嚥下にて経口摂取を確立した球麻痺の1例を経験した.新しい嚥下法として健常者で再現することを目的とした.【方法】バキューム嚥下を訓練した健常者の嚥下動態をHRMやVFなどで評価した.【結果】VFでは嚥下時に横隔膜は収縮し,HRMでは嚥下時にLES圧は陽圧,食道内は陰圧を形成した.【考察】症例と類似した嚥下動態を再現できた.バキューム嚥下が,新しい嚥下法となる可能性がある.

 

16.非経口摂取で転院となった嚥下回診対象者の追跡調査
刈谷豊田総合病院リハビリテーション科
小川真央,服部亜希子,小口和代

 2013年10月1日〜2015年9月30日の嚥下回診対象927名の内,非経口摂取で関連療養病院に転院した102名(平均年齢84歳,平均在院日数52日)を追跡調査した(平均約7か月).急性期退院時の栄養方法は経鼻胃管43名,胃瘻14名,末梢静脈36名,中心静脈9名であり,それぞれの退院後6か月生存率は経鼻胃管72%,胃瘻79%,末梢静脈3%,中心静脈22%であった.全例中退院後に経口摂取(経管併用含む)が一時的にでも可能となったのは9名(9%)であった.

 

17.当院における消化器がんの周術期リハビリテーション-合併症を中心に-
¹藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
²藤田保健衛生大学坂文種報椈病院リハビリテーション部
³藤田保健衛生大学医学部一般外科学講座
¹波多野和樹,¹青柳陽一郎,²古川浩介,²荒木清美,¹溝越恵里子,¹八谷カナン,
²粥川知子,²深谷直美,³守瀬善一,¹加賀谷斉,¹才藤栄一

 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院で周術期リハが施行された消化器がん患者345名における術後合併症の有無,内訳等について検討した.術後リハ施行時期の合併症は74名(21.4%)に認めた.合併症の内訳は,JCOG術後合併症基準(Clavien-Dindo分類)v2.0で,胃腸(23%),感染/寄生虫症(20%),傷害処置合併症(17%)の順に多かった.合併症を認めた患者の術後リハ期間は28.8 ± 22.7日であり,認めなかった患者より有意に長かった.消化器がん患者での周術期リハ期間中の合併症は稀ではなく,リハ期間にも影響するため,留意しながら進める必要がある.


18.急性心筋梗塞合併左室自由壁破裂術後リハビリテーションの経験
榛原総合病院心臓病センター
水嶋和彦,瀧口万里子

 54歳男性.急性心筋梗塞に左室自由壁破裂を合併し左室形成術施行,多臓器不全により気管内挿管下人工呼吸療法を余儀なくされ,術後第16日に抜管,リハビリ開始.廃用,声帯肉芽形成と嚥下障害を認め,可動域訓練から開始,ステロイド吸入を併用し呼吸嚥下訓練を組み合わせて実施.第29日,6分間歩行試験を行い301m,ボルグスケール13で退院した.左室破裂術後では重篤で多彩な障害が併存しており,リハビリ実施上の工夫が必要と思われた.

 

19.末梢動脈閉塞モデルラットに対するプロスタグランディンE2(PGE2)の役割
¹遠州病院リハビリテーション科
²浜松医科大学附属病院リハビリテーション科
³ペンシルベニア州立大学心臓血管部門
¹山内克哉 ,²美津島隆,³Marc P Kaufman

  末梢動脈閉塞モデル(虚血)ラットでは,運動昇圧反射が増強することが報告されている.運動昇圧反射は感覚繊維のグループIII群IV群の機械的受容器反射と筋代謝受容器反射が関与する.PGE2が虚血ラットの運動昇圧に関与していることが証明され,昇圧にPGE2受容器の分画であるEP3とEP4が関与している事が考えられた.EP3とEP4のブロッカーを投与して運動昇圧反射を測定した結果を,考察を含めて報告する.

 

 

総会
13:40 - 13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00 - 16:15 受付開始 13:00

 

病気・障害から健康へのパラダイム シフトを担うリハビリテーション医学
-スポーツからの発信-

順天堂大学大学院スポーツ医学 桜庭景植

 

超高齢社会の医療パラダイムシフト:
疾病予防から健康長寿延伸へのパラダイムシフト -老年医学からの発信-

 

名古屋大学大学院医学系研究科 葛谷雅文

司会:城西神経内科クリニック 石垣泰則

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
研修会認定単位:1講演毎に10単位
受講料    :1講演(10単位)毎に1,000円
認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

 

◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します .  平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.