第36回
日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

 

開始時間・会場をご確認の上,お間違いのないようご参加ください.

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開始時間:9:30(受付開始 9:00)  

会場:名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

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日 時
平成27年2月14日(土)9:30 〜 16:15

 

会 場
名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会
事務局:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学I講座内

 

 


地方会

 

日本リハビリテーション医学会地方会参加費・認定単位
地方会学術集会:参加費1,000円
        学会参加10単位,発表筆頭演者10単位

 

地方会当番幹事:清水康裕 
                   〒395-8558 長野県飯田市毛賀1707
                   輝山会記念病院   
                   FAX:0265-26-9690
                 E-mail:y-shimizu@kizankai.or.jp


 

 

般演題 9:30 - 12:15 受付開始 9:00

 

  

座長 輝山会記念病院リハビリテーションセンター 加藤譲司

1.特別支援学校における「生きた補装具・介助犬」の認知度調査
社会福祉法人日本介助犬協会
高柳友子,田辺冬華,野口裕美,遠藤大輔,水上 言,尋木佐一

 介助犬とは肢体不自由者に落としたものを拾って渡す,手が届かないものを持って来る等の動作を行なうよう訓練され自立と社会参加促進をする「生きた補装具」である.将来介助犬使用者になり得る生徒がいる特別支援学校の教師に介助犬についての理解度を調査した.120名の教員の50名から回答を得た.54%が盲導犬と混同しており有効な点は精神的な面で機能的な有効性は知られていなかった.また,授業等で情報提供をしたことがあるのは4%のみで,より詳しく知りたいが68%であったが,授業で取り上げたいと思わないが46%であった.将来的な自立手段として教員への正しい理解を深めることが必要と考えられた.

 

2.下肢の異常感覚に対する漢方薬により血圧上昇・食思不振をきたした症例
鵜飼リハビリテーション病院
津金慎一郎

 症例は94歳の女性で,下肢異常感覚(しびれ感)に対し,八味地黄丸を内服していた.大腿骨転子部骨折の手術後,リハビリテーション継続目的で当院に入院した.降圧剤を内服していたが,八味地黄丸の中止後に降圧剤を終了でき,入院時からの食思不振が改善した.下肢のしびれ感に対し漢方薬を処方する場合,高齢者には八味地黄丸を第一選択にすることがある.附子を含むため,血圧上昇・食思不振があれば継続の可否を検討するべきである.

 

3.パーキンソン病におけるtDCSを用いた運動学習機能の検討
1名古屋市立大学リハビリテーション医学分野
2名古屋大学大学院リハビリテーション療法学専攻
3名古屋市立大学神経内科
1植木美乃,1堀場充哉,1清水陽子,1佐橋健斗,1伊藤錦哉,1水谷潤,1和田郁雄,2野嶌一平, 3松川則之

 頭皮上から微弱な経頭蓋的直流電気刺激(transcranial DC stimulation: tDCS)を与えながら課題を遂行することで,課題遂行機能が改善することが報告されている.本研究では,健常高齢者,パーキンソン病患者にtDCSとミラーセラピーを組み合わせた運動学習を施行し,運動学習効果と大脳一次運動野の脳可塑性へ与える影響を検討する. 

 

4.COPD合併肺癌に対する片肺全摘術前後で運動能力評価を行った1例
浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科
蓮井 誠,安田千里,永房鉄之,山内克哉,美津島隆

 COPDの合併症として肺癌の頻度は高く約3割に及ぶ.肺癌の治療として肺切除が選択されるが,これまでCOPD合併例の片肺全摘術前後での運動能力評価の報告はない.症例は49歳男性,7年前にCOPDと診断され,今回左非小細胞癌に対して左肺全摘術,術後化学療法施行された.術前後呼吸リハビリを行い術後3週で退院した.その後も外来リハを行い術後6か月で復職を果たした.術前後で呼気ガス分析装置を用いた運動負荷試験を行った.文献的考察を踏まえ報告する.

 

5.回復期リハ病棟入院患者の入院時BNP値について
1岩砂病院・岩砂マタニティリハビリテーション科
2岩砂病院・岩砂マタニティ循環器内科
3岩砂病院・岩砂マタニティ消化器内科
1森 憲司,2横家正樹,3岩砂三平

 【目的】BNP値を用いて回復期リハ病棟における心不全リスクを検証した.
【方法】2014年2月から10月までの9ヶ月間に当院回復期リハ病棟に入院した大腿骨近位部骨折と脳卒中患者の入院時のBNP値を測定した.【結果】大腿骨近位部骨折患者36名,脳卒中患者67名の合計103名が対象となり,BNP値は脳卒中より大腿骨近位部骨折で高く,脳出血より脳梗塞で高く,脳梗塞では心原性塞栓で高い傾向が認められた.

 

6.回復期リハビリテーション病院における体組成分析からみたNST活動の効果
1介護老人保健施設ルミナス大府
2あいちリハビリテーション病院
1,2長屋政博,2中澤 信,2犬飼 崇,2千葉晃泰 ,2告野正典
 平成25年4月1日から平成26年3月31日までに,当院へ入院し,入院時と退院時に身体組成分析装置MLT-50で評価できた232例が対象である.今回は,脳血管障害80例と大腿骨頸部骨折78例において,NSTの関与と体組成分析結果との関連を検討した.NSTは,全症例の36.2%に関与した.骨格筋量が増加したのは,45.7%で,NST関与の有無では差がなかった.脳血管障害では,骨格筋が増加した群では,NST関与で,有意に除脂肪重量と水分量が改善した.
 
7.療養型病院入院患者のADL
1 城南病院
2新山手病院 
3 藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
1鬼頭弘明,2上田恵介,3加賀谷斉

 当院は療養型病院であり平均入院日数589日,在宅復帰率60%である.当院入院患者のFIMを計測した.対象は,2014年8月から10月に当院に入院していた患者57名(男性21名,女性36名),平均年齢は男性79歳,女性82歳であった.疾患の内訳は脳血管疾患23名,運動器疾患28名,その他6名であり,FIMは脳血管疾患37,運動器疾患85,その他67であった.         

                座長 昭和伊南病院リハビリテーション科 本田哲三

 

8.脳卒中後の抑うつ症状に対するリハビリテーションの経験
国立長寿医療研究センター
大沢愛子,尾崎健一,森 志乃,近藤和泉

 脳卒中後,抑うつ症状を呈した症例に対する治療と経過について報告する.症例は76歳の女性.左放線冠〜基底核の血栓性脳梗塞に対し,保存的に加療後,リハビリテーション(以下リハ)目的に当院に転院した.転院時中等度の右片麻痺と軽度の失語症を認めた.屋内歩行が監視で可能となり家屋訪問を行った後の発症9 週目頃より,抑うつ症状と 動悸,意欲低下,体重減少が出現した.抗うつ薬を使用しながらリハを継続し,発症16週で自宅退院した.脳卒中後の抑うつ症状に対しては,適切な薬物療法とリハの併用が必要であると思われた.

 

9.LVAD(補助人工心臓治療)の経過中に脳出血による高次脳機能障害を合併し治療に難渋した1例
名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション部
門野 泉,鈴木善朗

 症例は22歳男性.特発性拡張型心筋症による重症心不全に対しLVAD(補助人工心臓治療)が行われた.経過中に感染性動脈瘤が原因と思われる脳出血を2回発症し,高次脳機能障害を呈した.術前の長期臥床による著しい身体機能の低下に加え,自己管理が必要となる補助人工心臓治療において注意障害・構成障害・前頭葉機能低下などを合併したことで社会復帰に難渋したが,リハビリ開始後350日で自宅へ退院となった.

 

10.多様な高次脳機能障害を呈した蘇生後脳症患者のリハビリテーションの経験
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座 
角田哲也,岡崎英人,岡崎英人,岡本さやか,水野志保,前田寛文,松尾 宏,淺野直樹,正木光子,園田 茂

 症例は49歳男性,管理職.心筋梗塞にて心肺停止となり,約30分後に心拍再開.冠動脈形成術を施行され,低体温療法を含む急性期加療後,発症42日目にリハ目的にて当院へ転院.初診時,視覚失認,書字障害,失行症,記憶障害などの高次脳機能障害を呈し,ADL障害を強く認めた.脳血流SPECTでは両側大脳皮質,特に左角回周囲の血流低下を認めた.上記患者に対してリハを行う機会を得たため,文献的考察を加え報告する.

 

11.視床出血で生じた失語症に対するリハビリテーション
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学U講座
2藤田保健衛生大学医学部連携リハビリテーション医学講座
3藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
1正木光子,2岡崎英人,1前島伸一郎,3日沖雄一,3進藤直紀,3山路千明,1岡本さやか,1水野志保, 1浅野直樹,1前田寛文,1松尾 宏,1角田哲也,1園田 茂

 症例は51歳,男性,右利き,高卒.外出時に右上下肢の動きが悪くなり,救急病院に搬送された.頭部CTにて左視床出血・脳室穿破と診断され,保存的加療を受けた.2週後にリハビリテーション目的で当院転院となった.入院時は右片麻痺,感覚脱失に加え,失語症を認めた.本症例に行ったアプローチと視床出血で生じる失語症について文献例を含めて報告する.

 

12.咽頭腫瘤が原因の誤嚥に対して半側臥位姿勢が有用であった症例
かなめ病院
江崎貞治,神田 茂,後藤 浩

 症例は頚髄不全損傷でリハビリを行なった78歳男性.入院時評価で嚥下障害を認めず,常食を摂取していたが,誤嚥性肺炎をくり返した.VE検査で,咽頭前壁喉頭蓋の口側に腫瘤性病変を認め,食物が腫瘤及び喉頭蓋を乗り越えることが誤嚥の原因になっていた.リクライニング60度で30〜45度の半側臥位姿勢で摂食を行ったところ,食物は咽頭前側壁を通過して誤嚥が生じなくなった.体位の工夫が誤嚥に対して有用な症例であった.

 

座長 信濃医療福祉センター所長 朝貝芳美

 

13.嚥下造影検査施行後に嚥下内視鏡検査を用いてフォローアップした症例の検討
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
2藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
1山田 薫,1小野木啓子,1加賀谷斉,1柴田斉子,1青柳陽一郎,2尾関 恩,1向野雅彦,1布施郁子, 1山岸宏江,1陳 輝,1才藤栄一

 摂食嚥下障害患者に嚥下造影検査(VF)を施行して最適な摂食状態を一旦決定し,その後に嚥下内視鏡検査(VE)で安全性を確認しながら食形態などの調整を行うことがある.2013年3月から2014年9月までに,当科でVFを施行しその後にVEでフォローアップした症例の,Dysphagia Severity Scale(DSS) ,Eating Status Scale (ESS),食形態などを後方視的に調査したので報告する.

 

14.物性を規格化した2種のバリウムゼリーと当院の嚥下造影検査食における嚥下動態の比較
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学T講座
田中慎一郎,柴田斉子,加賀谷斉,小野木啓子,伊藤友倫子,石原 健,平野 哲,
原 豪志, 青柳陽一郎,才藤栄一

 嚥下造影検査(VF)に用いられる検査食は各施設で異なり,規格化されていない.今回,当院入院中の嚥下障害者13名に対し,非加熱で目的とする物性のゼリーを調整可能なソフティアTesCup(ニュートリー,三重)を用いて2種のバリウムゼリー(嚥下ピラミッドL1相当,嚥下困難者用食品許可基準V相当)を作成し嚥下動態を評価した.咀嚼回数,嚥下回数,口腔内・咽頭残留量,誤嚥の有無を,当院で従来用いている検査食(エンゲリード,粥,コンビーフ)と比較した結果を報告する.

 

15.脊柱管内神経芽細胞腫により対麻痺を呈した2例
長野県立こども病院リハビリテーション科
笛木 昇,原田由紀子,関 千夏,三澤由佳,五味優子

 神経芽細胞腫は,小児の固形腫瘍では脳腫瘍に次いで多い.ダンベル型の場合緊急減圧術の有効性が報告されているが,ゆっくりと進行し診断時には脊髄に非可逆的な障害を残す例も知られている.当院で経験した2例は,対麻痺,膀胱直腸障害を呈したが,上肢機能,認知機能の遅れはなく,神経芽細胞腫の治療は順調に経過している.ライフステージに沿ったリハビリテーションが必要である.

 

16.双胎出生における脳性麻痺
三重県立草の実リハビリテーションセンター整形外科
中野祥子,二井英二,浦和真佐夫,西村淑子

 双胎出生は,脳性麻痺(以下CP)発生の危険因子として重要であるが,その報告は比較的少ない.今回われわれは,1985年〜1992年(前期)および2007年〜2012年(後期)に診療した双胎出生のCP児およびその同胞児について,妊娠・分娩時の状況,臨床症状などを主に診療録や紹介元医療機関の情報提供書をもとに調査したので,前期と後期の相違なども含め若干の文献的考察を加えて報告する.

 

17.医療型障害児入所施設の課題
信濃医療福祉センター
朝貝芳美

 平成24年から肢体不自由児施設と重症心身障害児(以下重心児)施設は医療型障害児入所施設となった.給付費は施設毎から属人的に支払われるようになり,肢体不自由児施設に入所していた重心児の給付費は増額し,重症化に対応し職員数を増やすことができた.しかし運営上,重心児の入所が優先され,給付費の低い肢体不自由児の在宅生活を支援するための有期限入所が行いにくくなり課題も多い.制度見直しに向けた厚労省の「障害児支援の在り方に関する検討会」の動向も合わせて報告する.


 

総会
13:40 - 13:55
研修会に先立って総会を行います.ぜひご出席下さい.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会
特別講演14:00 - 16:15 受付開始13:00

 

「視覚代行リハビリテーションの基礎から臨床まで
                      本郷眼科・神経内科 院長 高柳泰世 先生
                         司会:輝山会記念病院 清水康裕

「脊髄再生医療におけるリハビリテーション戦略」
                     和歌山県立医科大学リハビリテーション医学 准教授 中村 健 先生
                    司会:国立長寿医療研究センター 近藤和泉

 

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について
研修会認定単位:1講演毎に10単位
受講料    :1講演(10単位)毎に1,000円
        認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000円を当日受付します.

 

◎認定臨床医資格要件
認定臨床医認定基準第2条2項2号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.  平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育
研修会も1講演あたり10単位が認められます.